回想に入れるの忘れてた
やっちった
「おい、相談って何なんだよ。慎也」
校舎裏にある緊急時とかに通って外に出る扉にある階段で隣に座っている慎也の方を向き呆れたようにそういった。
さて、何故か放課後に校舎裏に相談があると呼ばれた、これ現在の状況ね?
「うーん、まぁ。お前に相談するのもどうかとは思うんだが、他に居ないから」
それで喜ぶ奴いると思ってのかねコイツは。
消去法で選びましたじゃねーんだよ。
まぁ、普段より真面目な感じだし聞いてはやるけど。
「成る程、取り敢えず。死ね。そんでなんだ?」
「あぁ、そういえばお前まだ俺のこと嫌いだったな。いや、まぁ、こ、その」
「こ?」
「……告白された」
俺から顔を逸らし小声で詰まらせながら言う。慎也。耳も心なし赤くなっていた。
……え?
嘘、だろ?
いや、別にコイツが告白されたことにショック受けたり驚いたりしてる訳じゃねぇーよ?
コイツの反応がうぶすぎて驚いてんだ。
え?モテるよね?君?
いや、考察だ。俺。
まず、流石に4年になるまではガチ告白的なのはなかったろう。
勿論その頃にはコイツはイケメンだし運動神経良いしモテてた。
5年。コイツに仲良い女子はいなかったと見る。
さらに水面下の女子達による競争があったと考えればあり得るか。
割とモテるじゃなくてバチくそにモテるからな。コイツ。
ふむ。
そして、何故俺に相談した!!!!
「うん、で?」
「そ、その、今は一旦考えさして貰ってる」
「はぁ、ゴミクソクズ野郎が。そんで?なんでかも教えてくれよ。それだけじゃ分からないところ多いし」
「突然と言うかずっとな気もするが随分な言い分だな」
「女の子の告白保留してる時点でクソ野郎だよ」
まぁ罪悪感的な物も覚えてるみたいだけど。
「難儀すぎだよ、お前。向こうが考える必要もなかった二択押し付けてきてるだけなんだよ」
「まぁ、それはそうなんだが。向こうの振られたら悲しいのも告白に必要な勇気も分かるし。真剣さも伝わってきたから」
「その感じだと振ろうと思ってるんだな」
俺の質問に黙って頷く慎也。
じゃあ何故保留したし。
「いや、その」
俺の責めるような視線に言い訳をしよとする慎也。
とは言っても何を言い訳すれば良いかも分かんねーしな。
「付き合ってやれば良いじゃん」
「そ、それは失礼だろ。好きでもないのに」
「いーや。好きでもないのに付き合うとか失礼じゃねーよ。嫌いでもないのに振るなよ辛いわって思うね。何?お前に好きな人がいるなら別だけど」
「それは、居ないが」
「だったら付き合おうって言って。ただ、ごめん。俺は今別に君のことが恋愛対象的に好きじゃない。ただ、君の真剣さ伝わってもっと君を知りたいと思った。俺に君を好きになるチャンスを下さいって付き合って下さいって頭下げんだよ」
「お前意外とロマンチストなとこあるよな。合理的だったり理知的なところもあるけどセリフがアレだな」
「マジでうざいからやめてくれ」
俺は血管を浮かび上がらせながら笑顔でそう言った。
いきなり俯瞰してくんなや。
「それに、リア充爆散どころか細胞レベルまで死滅しろって言ってる割に恋に応援的だ」
「女の子限定だけどな」
男の恋は勝ってにしろ。頑張れ。
「そんで!どうなの?」
少し声を荒げて暗に苛立ってることを示す。
慎也は一度口を一文字に結び目を閉じた後口を開いた。
「それでもやっぱ無理だわ」
「はぁぁぁああああああああああああ」
盛大なため息を吐く。
「結局振るんじゃねーか。なんで保留したんだよ。つまり思い切れなかったと」
「うん、まぁそういうことになる」
「よし!分かった。そこ立て」
そう言って俺は地面に指を差す。
「歯、食い縛れよ」
相手は慎也だし。
思う存分助走をつけよう。
10mぐらい離れたところで俺は離れた。
「そんな助走付ける?」
「あぁ」
思いっきり走って振り被って。
殴った。
慎也が少し吹っ飛ぶ。
顔には勿論痕が残った。
俺の拳も痛かった。
硬すぎ、コイツ。
歯、折るぐらいの気持ちで行ったんだけどな。
「気合、入った?」
「十二分にな」
「そっか、そんじゃあさっさと振って殴られてこい」
「俺、まだ殴られなきゃ行けないのかよ……」
頭を掻きながらもどこか清々しい顔持ちで慎也は歩いて行った。
ドMかな?
ジョークだよ。
なんで、主人公イケメンにしちゃったんだろ。
別にイケメンじゃなくてもよかったな。
そんなイケメンじゃないから。
何処のクラスにも一人はいるぐらいのイケメンということで。
慎也には劣る。
なんでかっていうとさ。
やっぱカッコいいセリフ言わせるならイケメンのがかっこいいから。




