男だろうが女だろうが愚かな生物なことに変わりはない
好きな女の子のタイプと言われても多過ぎて絞れない。
そんな時はアニメのキャラで言い表そう。
それでも絞れない?
可愛い女の子、で良いんだよ。
「はぁ、メンド」
俺は今クラスのゴミをまとめ、校内のゴミ捨て場に向かっていた。
というのも先生にゴミ袋を持っていくのを命じられたのである。
いつもより熱心にゴミ拾ってた慎也、お前は許さん。
まぁ、次の週はアイツの番だし俺も同じことをしてやろう。
一応言っておくと先日の先輩方とのお出かけは普通に買い物に行って終わった。
その後も特に何もなかった。
うちのクラスの担任は前に言ったテンションは低いがノリはいい。イケメンだから意外とモテる先生である。陰キャって雰囲気もあるがなかなかに生徒達には評判の良い先生だ。
グチグチうるさいとも聞くけど。
暇潰しの説明なんかを行なっているとゴミ捨て場に着いた。
するとそこにゴミ袋を開いて中を漁って確認する女子の姿が。
ふむ、知らないな。先輩か後輩だろう。
不審人物とも取れるがあの感じは間違えて捨てちゃったかな。
「どうしたんですか?」
声を掛けてみる。
金髪ロング、ストレートに伸ばしてた髪は肩甲骨を超えたぐらいまで伸びている。
握って引っ張ってみてぇ。女子の髪ってどうなってるか気になるんだよな。
こういうサラサラしたの。
俺が声をかけたことでその女子が振り返る。
うわぁ、可愛い。
メイクとかほぼしてないでしょ?いや、ちょっとしてるのか、ここ中学だけど?
ふっくらとした唇とか端正な顔立ちって感じだ。
「…っひ!変態、襲わないで」
俺の顔を少しみた後に何か思い出したのかにそう言って丁度ゴミ袋に入っていたのだろうバナナの皮を俺に投げてきた。
さて、初対面の後輩にいきなり変態!と言われバナナの皮を投げられた。
流石の俺も無言である。
バナナ、バナナぁ。そんなバナなぁ。バナナ学校で食ってそのままゴミ箱に捨てんなよ。
作者忘れてるかも知れないけど、ここ中学なんだけど……。
取り敢えずティッシュをポッケから取り出して差し出す。
「あ、え?」
あ、そうか別にバナナ嫌いじゃない人は触った時点で手を拭きたくはならないのか。
仕方ないのでそのままティッシュを使ってバナナの皮を掴む。
それは一旦その女子が持っていたゴミ袋に捨て、俺は近くの水道に行き顔を洗う。
「どうかしたの?」
「あれ?リセットしてきた?」
なんかもう、バナナがぁ。
じゃない。
「そうだ、そうだ。なんで初対面で俺が変態だって見抜けたの?」
「え?変態は否定しなくて良いの?いや、そのこの学校に入って初めて先輩の女子に教えられたことがアンタが変態だから関わらない方が良いだったから」
ふむ、そんなことが起きてたのか。
もしかして俺有名人?
まぁ多分クラスの女子だろ。
「ひでぇなぁ。まぁ半分あってるけど……」
「え?」
「変態って方はあってる」
「最悪!!せめて関わらない方が良いって方であって欲しかった」
「ジョークだよ。俺は自分のことを変人だとは思ってるが変態だとは思ってない。関わる関わらないは自由だよ、どうなっても知らないけど」
俺は自分の持ってきたゴミ袋を置いて言った。
「あぁ、そうだ。君何やってたの?」
「え?ちょ、ちょっと間違えて捨てちゃって」
「何捨てられたの?手伝うよ」
俺も少し離れた位置に座り込み言った。
「いや、別に手伝って貰わなくても」
「良いじゃん、男なんて女の子が可愛く頼めば何でも言うこと聞いちゃう生き物何だし。体よく使っちゃえば」
「それ、私に可愛くお願いしろって言ってる?」
「ちえ、バレたか」
「…声に出てるよ」
はっ、しまった。
とういうか何故俺は後輩にタメ口で話されてるのだろう。
別に構わないが同学年と思わされてしまいそうだ。
コイツ後輩ね!
よし、これで作者も覚えただろ。
「なんかメタいこと考えてる?」
「いや、それで何捨てられたの?」
その女子の方を向き言う。
「いつから捨てられたことになったの!?」
驚いたように言う女の子。
白々しいなぁ。
「あってるでしょ」
「…………。なんで分かったんですか?」
急に敬語じゃん。
下向き、さっきまでの明るさは息を潜め少し落ち込んだようにその女の子は言った。
「そんな一生懸命探すほど大切なものを間違えて捨てるなんてことあるか?それに、余裕あったらもっと邪険に扱ってたでしょ。ずっと助けて欲しそうな顔してたよ」
「………」
ちょっと驚いた顔で黙り込む女の子。良い加減名前、って名札があったな。
葵さん。
「…っそ、そんなはず無いんだけどなぁ」
肩をわなわなと震わせ唇をキュッと結ぶ葵さん。その目尻からは涙が浮かんでいた。
欠伸を我慢してるわけじゃないよなぁ。
それは分かってる。でも何も理解ってない。
「ティッシュ居る?」
「持ってます」
断られてしまった。
これが慎也みたいなイケメンだったら断られなかったかなぁ。
見られたくないのか顔を背けてポッケからティッシュを出し涙を拭き鼻をかむ葵さん。
しばらくして振り返った葵さんは少しメイクが落ちていたがそれでもやっぱり可愛かった。
「何があったか話してみなよ」
葵さんはこくっと小さく頷いた。
素直なギャル可愛い過ぎるでしょ……。
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