結構適当2
あぁー、乗らないな今回は筆が。
脳が死んどる。
さて、俺は一度も事件が一つだとは言っていない。
英語版ならaとかは付かず複数系だったことだろう。
そうだ、二つ目の事件を話そう。
俗にいう、冤罪事件。
これこそ俺が凪と仲良くなった最大の要因、或いは原因といえるだろう。
いや、仲良くなったなんて表現は恥ずかしいな。
絡んだ、付き合った、ふむ。
ともかくこれは俺にとって衝撃的なことだった。
俺には何も出来ないと思い知ったことでもあるかもしれない。
昼休みの後の話だ。
女子の体操服がなくなっていた。
そして、それは佐月凪の鞄から出てきた。
経緯は単純だ。
探すことになってみんなからも変態認識されている佐月に疑いの目が行くのはある意味当たり前だ。
まぁ明らかに先導していた奴がいるのだが。
リーダー格の男。
「どうせ、凪君が取ったんじゃないの?」
「確かに」
リーダー格の男がわざと大きな声で言ってみんなの注目を惹く。
その視線は指定された相手、すなわち佐月に向いた。
全員から向けられる疑惑の目。
いや、俺はとある理由から全く疑っていないし。
主犯格であろう奴らもニヤニヤとしているだけだ。
「あれ!?あれあれあれあれ?何だ?これは!」
そう言って主犯格だろう男が取り出したのは体操服勿論、佐月のではない。
女子のだ。
「あ!それ私の!」
被害者の女子が立ち上がり言う。
クラスカースト上位のギャル的女子だ。
まぁ六年だからそんなギャルということもないが。
「ふむ、確かにこれはアイさんのだな」
佐月はあくまで冷静にそういった。
はて?何故だろうとでも言いたげに暢気に首をかしげる佐月。
そこで先生が到着した。
「ん?どうしたんだ」
クラスの喚き立ちように先生が立ち上がっている生徒に聞く。
「あ、先生!凪君が女子の体操服盗んだんですよ」
答えたのはリーダー格の男。
「何!?」
いや、うーん。
半々か?確かに先生に嫌われてるがいじめられてるのも先生は知っている。
「サイテー」
空気を切り裂くようなそんな声。
このクラスの女王とでも言うべきカーストトップ。
五十嵐 由美。
汚物でもみるような見下した目。
果たして、その目は誰を見ていたのか俺からは見えなかった。
ただ、少なくともリーダー格の男からしたらそれは追い風のように感じたのだろう。
助長される。
調子にのる。
非難はエスカレート。
クラスは凪への嫌悪一色に染まった。
どんな純粋な色がそこに混ざっていたとしてもどす黒い色にそれは覆い隠され。
或いは混じって。
「いや、俺やってないよ?」
空気を読まない、暢気な声。
何故震えない、何故そんなに堂々としていられる。
「は?」
明らかな威嚇。
この場合エンターテインメイト染みた真似をしたのは失敗だったかもしれない。
みんながいる前でもいじめ的行為を行っていたりしたし先生にもバレてるだろうがそれでも体面というものはあるのだろう。
「だから俺やってないよ?それ、同意?」
嫌な目だ。見透かしたかのような試すような。
少なくとも俺は向けられたくない。
まず殴りたくなる。
でも、その姿は不覚にもかっこよかった。
様になってる。
絶壁に立たせたい。
百パーセント様になる。
最強だ。
クラス全員を相手にしてもコイツは負けない。
そう思わせる。
「は?同意?」
「アイさんは知ってる?協力それともお前が盗んだ?」
決して大声ではない。
ただ、リーダー格の男と佐月を全員が注目しているこの状況。
「何言ってんだ?お前が盗んだんだろ?ほら、早く謝りなよ」
「ふむ...」
机と椅子の背もたれに手を置き立ち上がる。
そして、アイさんの席の前で止まる。
「すまない、どうやら俺のいじめに巻き込んだようだ。そして残念ながら俺はやってないから君の怒りの矛先になることは出来ない」
九十度に腰を折る佐月。
悪びれた様子ではないが真剣だった。
「え?えっと?あぁーうん。いや、アンタがやったんじゃないの?」
「俺だったらもっと計画立てて見つからないようにするし、女子の体操服をそのままんまバッグに入れたりしない。取り敢えずジップロックには入れる」
「度を越えた変態だ!!」
アイさんが叫ぶ。
それはそうだ。
女子達が更に引いていた。
独りのはずなのに、いや一人だからこそ。
独壇場。
流れも、雰囲気もつくっているのは佐月だった。
「ほら、誰だっけ。君、速く体操服返して上げなよ」
リーダー格の男にそう告げる佐月。
「あ、あぁ」
少し押され気味になりながらリーダー格の男は体操服を返した。
「お、おい!お前、さっきから言い逃れして。そんなんで」
「はぁ、何だ?この場で全裸になって詫びれば良いのか?良いけど、その場合真犯人がというか首謀者はもっとすごいことしてくれるんだよね?裸でダンスみたいな」
めんどくさそうに言う佐月。
「っ、早く認めろよ」
嫌な雰囲気、折角つくったいじめムーブみたいなものが崩れてきた現状に焦ってか不満を抱いてか声を荒げるリーダー格の男。
「やってない。俺はそんなことはしない。Because女子が傷つくから」
たぶん、それ”からから”みたいにならない?
堂々、大胆、不敵。
残念ながら俺はあまり語彙がないし、詩的表現も、小説的表現も得意じゃない。
だから言葉を並べ、正直に言おう。
かっけぇ。バカほど、あほほど、くそほど。ムカつくぐらい。
”カッケェ”
読者よ、これ秘密だからな。
少しメタくなってしまった気がする。
ともかく。
佐月は気にせず席に座る。
「さぁ、先生、授業、するならしましょ?」
何処までも挑発的だな。
別に普段真面目に授業受けないくせに。
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