6話 雨女の成れの果ての姿 世界の恐怖
ソドム
「ようこそ
ライドウ」
ライドウ
「ソドム
お前、もしかし呪力を帯びていたのか」
ソドム
「そうですよ
私はあの現実に電脳世界から何とか逃げ延びてあなたを招いたのです」
ライドウ
「これが彼女…か
彼女というには酷い光景だな」
それは雨女の姿だった
雨女は酸性雨に焼きただれて寄生虫に支配されてウジ虫が湧いて
骨が見えた状態となっていた
ソドム
「彼女はそれでも生きています
どうか彼女の声を聴いてあげてください」
雨女
「私を…救って…
私達を…救って…おねがい…
世界は…地球が…破滅しちゃうよ…
私は…嫌…
どれだけの月日でも…まもるから…
あなたは…わたしを…まもって」
そして彼女は全身を搔きつぶす
皮膚が血だらけになり皮膚ごとぶっ潰して
血と骨を剝き出しにしながらその地獄を味わう
ライドウ
「こんなに弱くなっていたらお前でも抜け出せるだろ」
ソドム
「違いますよ
彼女に昏睡したのではありません
私は世界の観測の方角にいる人間ですから」
ライドウ
「?」
ソドム
「私は雨女のような人を見てきています
世界は全て変わってしまったのです」
ライドウ
「俺が見ていない世界が…そんなにやばい状況なのか?」
ソドム
「えぇ あなたは楽園にいただけの存在ですからね
あなたは仙人に助けられていた一人の人間です
私はそんな人達をずっとかれこれ探し続けてきていたのです」
ソドム
「どんな世界であれ世界を救いたかった
私はそんな一心で非力な私の呪力と共に」
雨女は叫んでいた
それは助けを求めているのじゃない
全てを我慢していた女の叫び声だった
雨女
「うわあああああああああああああああああああああああああああ
掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい掻きたい
かゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆい
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
もういやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
全身を掻きつぶしながら
そして彼女はアナフィラキシーショックで死んでいった
ソドム
「精神的にも肉体的にも等に限界を超えていたのです
あなたを迎え入れるまでは我慢していただけの存在です」
ライドウ
「俺が殺食欲を持っている俺が
危険な存在な俺に何を託そうと思っていたんだ」
ソドム
「誰でも良かったのかもしれません
いずれも雨女のような人は沢山います
どういう事か分かりますか?」