2話 メタコードとID人
ソドム「あなたにはここが何に見えますか?」
ライドウ「?それは地蔵じゃねぇのか?」
地蔵がそこに佇んでいた
雨に塗れた地蔵
ソドム「ライドウ君もう少し地蔵に近付いてみてください」
ライドウが近づくと
地蔵に対して殺食欲が動く
ソドム「なるほどね
食欲が抑えられませんか」
ライドウ「何がだよ
俺がこの地蔵と何の関係があんだ」
ソドム「いえいえ
ライドウ君の殺食欲はね
あらゆる殺意に反応するように出来たメタコードなのです」
ライドウ「メタコード?」
ソドム「そう それが呪力の正体です
呪いの力はこの世界の天井に存在するID人が作り上げた
ただのプログラムデータなのです
メタコード それが私がライドウ君が持っている呪力なのですからね」
ソドム「仙女が滅亡した事で
ここにあった呪力防壁の磁場が崩れ去ったのです
今まで我慢されていた雨量がこうして
歪なまでに降りかかってくるのです」
ライドウ「リトス 俺は」
ソドム「ま、彼女も仙女として十分成果を上げたので良しとしますか
地蔵もライドウ君が壊してくれるでしょうし」
殺食欲が地蔵を食い破ると同時に
殺食欲の中で爆発する
その瞬間ライドウの脳が破壊されるのを感じた
ソドム「殺食欲は脳に湧いてる寄生虫みたいなもんですから
当然、殺食欲が攻撃を受けると
ライドウ君にも脳換算でダメージを受けます
頑張って彼を殺さなければね」
殺食欲の中から爆破して出てきた
地蔵が巨大化していた
巨大化された地蔵には幾つもの武器が備わっていた
ソドム「妖刀を大量に持っている風来坊
あれが地蔵の正体ですよ」
ソドム「殺食欲を垂れ流しているライドウ君につられて
すっかり呪力に塗れた風来坊ガネッサが来ますよ」
ガネッサ「呪力…呪力…」
ガネッサは時々発光しながらも
地蔵の状態でそのまま妖刀でライドウ目掛けて斬る
ライドウ「殺食欲が挙動に負けている」
ソドム「そりゃそうですよ
コントロールされていない殺意への反応ですから
止まったターゲットには最強ですが
挙動を変えるターゲットには弱いですよ」
ライドウ「だが…俺はこの呪力を制御出来ない」
ソドム「それは有り得ませんよ
所詮呪力ですから
メタコードと言いましたよね?
だからあなたが力をイメージングすればいいのです」
ライドウ「俺も仙女リトスみたいに妄想を具現化すれば
俺にとって強いと思えるのは」
地蔵に対して
そして妖刀に対して
ライドウが取ったイメージングは銃だった
ライドウ「俺の呪力が銃に具現化した
こいつで…消えろ!」
妖刀に目掛けて撃ったその銃弾は
呪力が込め挙げられていた
殺食欲に一直線の力
妖刀は銃弾で破壊されて
その先のガネッサを貫いていた
そして止まったガネッサに対して
殺食欲が食い破っていた
ライドウ「俺がまた殺した」
ソドム「はは 慣れてくださいよ
こんなのは序の口ですからね
さぁいきましょう」
ライドウ「いくって
どこへだよ」
ソドム「電脳世界ですよ」