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そうして漸く違和感の正体を見つける。
「この花瓶乗せてるテーブル・・・テーブルでいいのか?まぁいいや。足の位置が記憶より一センチ右にずれてる・・・」
そっと近づけばテーブル下の床に小さな穴があり、何やら開きそうな構造になっていた。
思わずニヤリと口元に笑みを浮かべ、念のためにと消音結界を展開する。
床の穴に指を入れ、静に床板を外した。
「お。なんか出てきた・・・」
賞状を仕舞う筒のようなモノが現れ、そっと蓋を開けて中身を確認する。
捜していた書類だった。
筒の中身だけを抜き取り、床板を戻して手元の消音結界を解く。
「さて、さっさとオサラバしますかね・・・」
目的の物を手に入れたという合図である特殊な犬笛を吹き、執務室を後にしようとしたところでヒヤリと冷たい刃物の感触が首筋にした。
「・・・貴女の負けですよ?ジン」




