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「ジンは小さいままの方が、多分いいと思う。魔王さまの秘書官辺りが弄ってくれるよ!」
「断固拒否!アイツだけは御免被るでござる・・・」
「ジン、口調がおかしくなってるよ?そんなにイヤだった?」
自分で作ったキャラクター、魔王…シュテン・アルヘイムの二代目秘書官…フレディ・スヴァルトアルヴの性格を思い出し、笑顔を引き攣らせ乍ら全力で拒否した。
「あんな変態野郎の餌食なんて、誰がなるもんか‼」
「自分で設定考えたくせに、酷い言い草だねぇ?(笑)」
「考えた時は、自分がこんなことになるなんて考えもしなかったからね‼」
そう一松にツッコミを入れていると、前方でガサリと音が聞こえ、自分でも驚く程冷静に彼を呼び寄せて刀の柄に手を伸ばした。
「一松、こっちに!」
「うん・・・たぶん音からして相手は二足歩行・・・」
「初っ端から魔物だったら、マジ萎えるわ・・・」
気を付けて!と言いながら私の肩に上ってきた一松に頷き、刀の柄に手を伸ばしたままユックリと音の鳴った方にへと近づいた。
慎重に、静かに近づく。ふと聞こえてくる話し声は、何かを言い争っているようだ。
聞こえてくるその会話に、嫌な予感が過る。