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二周目 35

俺達がベニーに着くと、貴族街の外れにあるアースノット邸にむかう。

ベニーにはクライスト家派閥の寄子貴族と陪臣の館がかたまっている区画があり貴族街を形成している。俺はあんまり好きじゃないけど爺さんは大喜びで住んでいる。

アースノット家の家計は今大変潤って陪臣の中ではなかなかの顔になっているようだ。それに伴ってエルウッド商会以外との商人の付き合いもちらほら増えてきた。


爺さんにいろいろ話を聞いた後、俺はエルウッド商会に向かう。

おっと、なかなかいいところに店を構えているじゃないか。客数もなかなか多いし繁盛しているようだ。俺は暫らく離れてエルウッド商会を観察している。


さあ、いくか。


俺はエルウッド商会に入店し名乗り会頭のダンを呼んでもらう。すると直ぐにダンが出てきて中に通される。応接室には俺、護衛のためにリリー、そしてエルウッド商会側は会頭のダンと番頭のジムこの四人だけだ。エルウッド商会と俺はそこそこやり取りをしているので子供だからと言ってもう舐めてかかってこない。少しぐらい舐めてきたらやりやすいのに、、、一通りの社交辞令の挨拶を終えた後、本題を切り出す。


「エルウッド商会にもうけ話を持ってきた。」


ダンとジムは顔を見合わせ苦笑いをする。

あれ、俺、おかしなこと話したかな?


「それはジュード様が儲かるというはなしですか?」


こんな子供相手に警戒しすぎじゃないか?

一応、突っ込んでおくか。

「ダン会長、子供相手に何を警戒しているんだよ。勿論、エルウッド商会が儲かる話だよ。無論、当家も利益を得るけどね。」


「ホントですかねぇ。」

フーッとため息をついてから、「では、どういうお話ですかな?」俺に発言を促す。


「簡単に言えば、当家でノット、ベニー間の運送を請け負うということですよ。」


ダンは厳しい顔になる。

「詳しくお伺いしましょうか。」


「内容としては、難しいことではない。当家での綿花やホーンラビットの肉、魔石を当家で運搬しようというだけですよ。商会のメリットは輸送コストの軽減と輸送に関わらせていた人材の有効利用。考えてみてください信頼できる人材を一から育てるには莫大な時間と費用が掛かります。それを当家が請け負うことによって助けることが出来ると思います。その浮いた人材を使って更に商売の幅を広げることが出来ると僕は考えているんですがねぇ。」


「当商会についてはわかりました。では、ジュード様の所にはどんなメリットが?」


「その前に、少し訪ねたいことがあるんだが。」


「なんでしょうか?」


「僕がノットからベニーに来る途中に各町村で聞いたのだがエルウッド商会が各町村で取引をしていないのはなんでだ?」


「それは各町村で取引している商会があるからですよ。お分かりでしょ??」


「そうそこなんだよ。僕が各商会から輸送のみを請け負えばかなりの利益を得ることが出来るじゃないかと考えるんだよ。」


「それは、そうできれば利益は得ることが出来るでしょうけどできるんですか?」


「それはわからない。。。でも、仮にそれが出来なくてもエルウッド商会は損するわけじゃないだろ?」


「それはそうですけど。。。。『儲からないので、やっぱや~めた!』では困るので事業は継続していただかないと困りますよ。そうなると、ある程度は儲けてもらわないと怖くて一緒にはできません。」


「エルウッド商会だけで損益分岐点を超えることが見込めるから大丈夫だ。」


「護衛を雇うのは結構なコストですが大丈夫なのですか?そして、損益分岐点とは何ですか?」


「詳しくは言えないが、うちの奴隷たちは強い、そこいらの冒険者たちより基本レベルも高いし訓練もしている。それを使えば損はしない。それと何で損益分岐点がわからないんだ?エルウッド商会はどういう事業計画を立てているんだ?」


「事業計画ってそんなもの立てなくても何となく儲かるかそうかはわかるでしょう。」


おいおい、そんなどんぶり勘定で商売しているのかよ。


少し心配になってきたヨ!



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