二周目 32
泣いても笑ってもこれが最後の勝負のはず、、、、
始めの合図とともに今度はお互いに相手に向かって突っ込んでいく。
俺は盾に身体を預けハンスに体当たりするように突っ込んでいく、ハンスも剣を前にして体当たりしてくる。そして、激突するとハンスが少し当たり負けをする。
「なんで、身体の大きい俺のほうが当たり負けするんだ?」
そういいながらも、ハンスは素早く体勢を立て直し再び剣を打ち込んでくる。
それを盾で弾き飛ばす。
俺は基礎レベルで勝っているパワーで押し切ることにした。先の二回は小手先の技で凌ごうとしたから負けたんだと思う。相手より劣っているのに相手と同じように武術で勝負しようとしたのが敗因だろう。
ハンスは俺の圧に少し押されながらも何とか攻撃をかわしていく、そして隙を見つけては打ち込んでくる。
ハンスは一号ライダーのように結構多彩な技を繰り出してくる、それを俺が二号ライダーのように力で押し返していく。
しかし、詰め将棋のようにじりじりと追い込まれていくのが自分でもわかる。どうしても力で押すだけだと攻撃が単調になってしまう。まして俺は盾使いだし基本盾で圧力をかけて相手を崩し短槍で相手の隙を突くしかない技量が上のものには少し力が強いだけでは難しい。
純粋な技や力だけではかてないか。。。。
「お前、また何か考えながら戦っているだろう、目の前の相手に集中しないと負けるぞ。」
「うるさいなぁ、自分より弱い奴に決闘申し込む恥知らずにいわれたくないよっと。。。」
少し挑発しながらバックステップしながら足元に盾を投げる。
ハンスは避け切れずに脛に軽く当たる。
「お前、やっぱり飛び道具ずるいぞ!」
弁慶の泣き所に盾が当たり苦悶の表情を浮かべながら文句を言ってくる。
俺は構わず足元に盾を投げつける。
今度は避けられたが体勢は崩せた。
俺は短槍で足をなぎ払う、槍は突くだけが能じゃないぜ。。。
あっ、剣を地面に突き立てジャンプしやがった。
「お前本当に小賢しい戦い方するなぁ、もう少し正々堂々と戦えないのか?」
ハンスは一旦俺と距離を置き剣を構えなおす。
「年下相手にムキになっているお前さんに言われたくないよ。」
俺も盾を構えなおし、ハンスの足元に投げつける。
ハンスは今度は余裕でこれを避ける。
流石にもう同じ手は通じないか、さて、如何したものか。
「さあ、如何するんだお前の盾攻撃もそろそろなれてきたぞ。」
やはり実力では敵わないか。
仕方がないなぁ。。。。
俺は突っ込みながら盾をハンスに向かって投げつける。
その動きはさっき見たよと言わんばかりに盾を上に弾き飛ばす。
俺はアッと声をあげ盾の方に目をやる。
ハンスは盾を飛ばして俺が『参った』というと思ったのだろう。勝利を確信して俺と一緒に盾に目をやる。
俺はノールックで短槍でハンスの手を攻撃し剣を弾き飛ばした。
槍先をハンスの顔に向ける。
「ハンス、僕の勝ちってことでいいかな?」
やっと決着がついたよ。。。
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