二周目 29
「ハンス、、、ハンス、、しっかりしろ!」
ドワイスがハンスを起こそうとする。
「う、うぅ、、、、」
ハンスが目を開ける。
ハンスは立ち上がるとツカツカと俺方に歩いてくる。
「ジュード、もう一度勝負だ。」
「何で?」
「お前が、卑怯な手をつかったからだ?」
「どこが、卑怯なんだよ、正々堂々の一対一の決闘ジャンかよ。」
「それは、お前が言葉で挑発し俺から冷静さを失わせ、そこを飛び道具で俺をねらったからだ。」
はぁ~、と俺はため息を一つついてから反論する。
「ハンス、よく考えてくれ、あの程度の挑発で冷静さを失うのは自分自身の鍛錬が足りないからに他ならないし、飛び道具というけれど何処の世界の人間が盾を飛び道具と言うんだ?周りの人間に聞いてみろ『盾は飛び道具ですか?』と、多分、なに言っているんだコイツとなるとおもうけど、、、そこで、改めてハンスに問うよ、盾は飛び道具ですか??」
ハンスは言葉に詰まる。
俺は追い討ちをかける。
「それにだ、卑怯というけれど自分自身はどうなんだ? 小さなころから剣の訓練を欠かさずおこない騎士並みの力のもったものが、自分より二つも小さい対して訓練もしてないような子供にたいして決闘を申し込んで金貨100枚相当のものを奪い取っていくのは卑怯ではないのか?」
「それでも、それでもだ、、、バジとジルをかえせ。」
議論になっていない、まるで子供じゃないか。
そこにドワイスが割り込んでくる。
「まあまあ、お互い様ということでこの勝負はなかったことにしようじゃないか。」
「おじい様、駄目だ、バジとジルをあんな奴のところには置いては置けなない。」
「そうかそうか、ハンスよお前は優しい子だな。幼馴染を取り戻すために必死の思いで決闘に望んだのにあんな卑怯な手で決闘を汚すだなんてな。お前は強い。。。あの子にはハンデをあげたと思い三本勝負のうち一本をあげたと思えばよいではないか。」
いやいや、なにを言っているんだこのジジイは、俺勝ってるし、なに勝手に条件変えてくれちゃってるんだよ。
「ハイ、おじい様判りました。これぐらいのハンデをあげても勝利して見せます。」
「よろしいですかアースノット卿、三本勝負ということで。」
ドワイスは俺を通り越して親父殿から許可を取ろうとする。
いい訳ないだろ、親父殿ビシッといってくれ。
「よろしいですよ、私は友を思うハンス殿の気持ちに心うたれました。」
え~~~~~っ、マジかよ。
「ジュートもそれでいいだろ。」
いい訳ないけど、、、、
「お父様がそうおっしゃるのであらば仕方がありませんね。」
いくら俺より強いといえども、相手は経験不足の子供だ虚を突けば何とかなるだろ、魔の森を生き抜いた経験をなめるなよ。
「では、双方同意ということで三本勝負の二本目を始めるとしよう。」
ドワイスは満足気に俺たちに声をかける。
そして、納得のいかない決闘の二本目が始まる。
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