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二周目 27

親父殿の説明によると、ドワイス家は去年、大変な不作に見舞われ上納金を収めるどころか食べるにも困る状態だったそうだ。そこで、村人たちは当主でドワイス卿に相談した。

ドワイス卿も大した蓄えがあるわけではないので、自分たちでなんとかしろと突っぱねた。でも、

村人たちも生きていかなければならないので子供を二人奴隷として売ろうと考えた。

当然、勝手に売り渡すわけにもいかないのでドワイス卿に相談する。

そこで、ドワイス卿は当家にその話を持ってきた。

親父殿は、はじめその話を聞いて、近所のよしみで無利子か低金利で融資するといったそうだが、「それでは困る。もう村人から子供たちを預かってきている。」そう言って子供たちを親父殿に引き渡したそうだ。

親父殿は、いくら融資してほしいか聞いてみると金貨100枚必要だと言われた。子供二人に金貨100枚は無理だと言ったのだが、もう受け取ったので払えと強引にねじ込んできたそうだ。親父殿は自領に一番近いしかもここを通過しないと自領に来れないので、ここが無くなっては困る。そう考え金貨100枚で子供たちを購入したそうだ。

なんのとりえもない子供なんて奴隷商に売れば金貨2枚になるかならないかと言うところなのに、こちらの弱みに付け込んで金貨100枚奪っていったようなものだよなぁ。

まぁ、その子供2人を俺に金貨100枚で押し付けた親父殿も親父殿だが。。。。


そうしているとハンスとドワイス卿が何か怒鳴り合いながら館からでてきた。

ハンスは俺の前に金貨を5枚ほど放り投げる。


「ほら、拾えよ。子供2二人なら金貨2枚かそこらだろ、それを金貨5枚で買い戻してやんよ。」


こいつ、金貨100枚を子供二人で当家からむしり取っていったの知らないな。


「ハンス、その金貨5枚はどこから出てきたんだ?」


「そんなことどうでもいいだろ。だが、当家にも金貨100枚ポンと融資してくれる家があるというのを覚えて置け!」


それを聞いていたドワイス卿は頭を抱える。

やっちまった感が満載だ。


「ハンス、それでは足りないよ。」


「はぁ~、どこまで強欲な奴なんだ。」

ハンスはもう5枚金貨を俺の足元に投げつけた。


「これで金貨10枚だ!どこの世界に子供二人で金貨10枚毟り取るやつがいるんだ。人の弱みに付け込む最低な奴だな。恥を知れ!!」


ハンス、お前、それ巨大ブーメランになって爺さんに刺さってるぞ。

ドワイスの爺さん苦痛で顔を歪めている。


「ハンス、それでは足りないよ。」


「一体幾らいるんだ、言ってみろ!」


「金貨100枚にしといてやるよ。」

ホントはバジとジルにも経費を掛けているのでもう少しいるのだが、言っても解らないだろうな。。。


「はぁ~~~~、金貨100あるから吹っ掛けてきているのか!!!」

ハンスは顔を真っ赤にして怒り狂う。


「違うよ、ドワイス卿が当家から子供二人と引き換えに持っていった額が金貨100枚だからだよ。」


ハンスは口をパクパクしてドワイス卿の方を見る。


「もう一度言うよ、ドワイス卿が当家に子供二人を押し付けて持って行った金が金貨100だからだよ。それに、元々、金貨100枚を融資しようという話を借りを作るのが嫌だということで子供二人を無理やり金貨100枚で買わしたのはそちらの方だ。『どこの世界に子供二人で金貨10枚毟り取るやつがいるんだ。人の弱みに付け込む最低な奴だな。恥を知れ!!』だと、、、、」

親父殿が俺を遮る。


「ジュード、もうその辺にしておけ。」

俺としたことが、熱くなってしまった。

これ以上行けば、子供同士の喧嘩じゃなく家同士の話になってしまうかもしれない。


「御爺様、本当ですか!?」

ハンスはドワイス卿をみる。

ドワイス卿は何も答えず苦笑いする。

「本当なのですね。アースノットにバジとジルを連れて行ったら金貨3枚で取られたというのは。。。。金貨100枚を簡単に融資してくれる家があるのは。。。。」


ドワイス。。。そんなことをハンスに言っていたのか、そらハンス俺のこと恨むわな。

そう考えると、ハンスの行動も判らないでもないが、、、、だからと言って、怒りに任せて侮辱してくるのはどうかとおもうな。


「判ったよ、金貨100枚だな払ってやるよ。」

ハンスが館に帰ろうとするのをドワイスが止める。

「もうやめとけ、ハンス、その金がなければ上納金が払えない。そんなことをクライスト伯に言える訳ない。ワシのメンツをつぶす気か!!」


いやいや、言えよ!領主なら、領民の為に頭下げろよ騎士爵のメンツなんてたかが知れてる。この土地の領主なら領民を売るなんてことするなと言いたいけど。。。言っちゃだめだよな。

俺は親父殿を見る。

親父殿は察してくれたのか頭を横に振る。


ハンスは俯いて黙りこくる。


そして、、


「ジュード、決闘だ!」

俺を睨んで宣言する。




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