二周目 19
俺は考えた。
考えた結果、一つのアイデアが頭に浮かんだ。
それは商売の基本に立ち返った考えだ。
商売の基本は、足りている物を足りていないところに持っていって、元の値段より高く売るだけだ。
そこで、俺は考えた。
今俺のところで余っているものは何か考えてみた。
綿花?
これは今でも足りないぐらいだ。
養兎のホーンラビットだろうか、、、、これも、足りない。
食料か?
今、俺はこれがなくて困っているぐらいだ。
今、余っている物は奴隷だ。
奴隷が余っている。
奴隷を売れば食費が浮くし、お金も入ってくる。
奴隷たちは養兎での作業でレベルが上がっており、領地に着たばかりよりベースの体力が上がっている。すこし戦闘訓練をすれば駆け出しの冒険者には負けないぐらいにはなっていて、買ったときより高く売れるはず。
買ったものに付加価値を加えて高く売る。
商売の基本だ。。。。。だがしかし、奴隷は現状、俺の事業に欠かせないものだ、今、足りているからといって自身を切り売りするやり方では、今後、立ち行かなくなるのではないだろうか。
今が苦しいからといって、、、駄目だろうなぁ。。。
いま、あまっているのは奴隷だ。
でも奴隷を売るのはよろしくない。。。。
・・・・
・・・
・・
俺にとっての奴隷とは何かを考える。
俺にとっての奴隷は。。。。人か?物か??
アーロンの家族はもう既に人として俺の中では認識されている。事業の立ち上げからの大切な仲間だとも思っている。
では、新たに入ってきた奴隷たちはどうだ?
いずれは仲間になるかもしれないが俺にとって今は唯の労働力、物に近い感覚だ。
物ならば、売ってしまっても、また、買ってくれば良いだけのことだろう、いっそ売ってしまうか。。。。。
まてよ。。。奴隷は労働力
そうか、奴隷は労働力だ!!
奴隷を売るのではなくて、労働力を売ればいいんだよ。
いま、我が領内では慢性的な人手不足の状態だ。
其処に奴隷という労働力を貸し出せば、領内の生産性も上がるし、俺の収益も上がる。まさしくWINWINの関係になる。
よし、これでいこう。
人材派遣業の立ち上げだ。
まずは、親父殿に相談して労働力が欲しいところがないか確認してもらおう。
そして、俺は親父殿に相談してみた。
その結果、親父殿が人手を欲していた。
領内では、綿花から糸を紡いだり、綿実から油を絞ったり、その油から石鹸を作ったりと村人たちは各々事業を始めだし人手が足りていない状態で、村人たちは自分のことでいっぱいで綿花が咲いている湖までの舗装に手がまわらない、そこで親父殿は人手をまわして欲しいそうである。
領内では労働力が足りていない、でも、俺は労働力をもっている。
足りていないもの(労働力)があるので、足りていないもの(労働力)をもっている俺がそれを売る。
商売の基本が其処にあった。
この危機を脱する答えは直ぐ側にあった。
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