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二周目 16

エルウッド商会が奴隷を連れてやってきた。

今回はダンではなく、番頭のジムだ。

ジムが俺に挨拶する。


「お初にお目にかかります。エルウッド商会のジムでございます。こちらが今回お納めさしていただく奴隷の家族です。おい、自己紹介しろ。。。」

ジムがガタイの良いおっさんをせっつく。

そのおっさんが俺の機嫌を取るように媚びた笑顔を俺にむける。ああ、、、、、良く判るよ。俺も日本でサラリーマンしているときにその顔をしていた。その時々で、いろんな顔をすることが出来るのは大切だ、その中に自分と自分が守るものがあればこれも仕事でお金を稼ぐには仕方がないと割り切れる

。。。。。。やば。。。ちょっと感情移入しかけた。

それを見ていたオッサンの息子たちが嫌な顔をする、娘はギュッと嫁さんにだきついている。

それはそうか、自分の親父のそんな顔見たくないよな、俺もそんな顔している親父の顔はみたくない。でも、奴隷と言う過酷な立場で家族の立場をよくするためなら俺もやるかもしれんな。

でも、見ていてすごく切ない。おい、息子たちよそんな顔するな親父さんはお前たちの為にしているんだぞって、あの年ごろでは解らないだろうな情けない親父の顔をみて嫌悪感でいっぱいだ。

いい奥さんのだろうちゃんと理解してくれているようすだ、嫁さんは娘の頭をやさしく撫で辛そうな顔をしている。


俺は息子たちを睨みつける

息子は睨みかえしてくる。

それを見たおっさんは息子たちの頭を押さえつけ、頭を下げさせる。

「申し訳ございません。坊ちゃん、失礼いたしました。」

オッサンも一緒に頭を下げる。

息子たちは頭を下げながらでも、俺のことを睨みつけてくる。

オッサンが初めて辛そうな顔を一瞬だけみせた。


くっ、見ているだけでつらい息子たちよ親父さんのそんな顔をさせるな、息子たちの感情も解らないではないが、俺は少しイラッとする。


「坊ちゃんじゃない、俺の名前はジュードだ!」


「申し訳ございません、私の名前は【アーロン】でございます。もと銀級冒険者の剣士をしておりましたが冒険者を引退し商会を立ち上げ小さな商売をしておりましが些細のことで借金をつくり奴隷落ちをいたしました。今回はジュード様とのご縁をいただき家族が離れずにいられることに感謝しております。誠心誠意勤めさしていただきますので何卒よろしくおねがいいたします。」

続けて、家族の紹介と何が出来るかを説明してくれた。

アーロンは元冒険者の剣士で冒険者の引退とともに織物を扱う商会を立ち上げた。冒険者時代にある織物問屋との知己をえてどこから布を仕入れることが出来た。そこから布を仕入れ冒険者時代のつてを伝って各地を飛び回り小売りに布を下す織物専門商社のような商売をしていたようだ。商売が軌道に乗り業績を拡大しようと織物を大量に仕入れ、今後の為に大きな倉庫を莫大な借金をして、これからと言う時に倉庫に火事があり大量の在庫と倉庫を失い、借金を残してすべて失った。

長男の【アヴァン】は現在18歳、もうすでに体は出来上がってはいるが幼さが少し残る感じの青年だ。一応、読み書きと簡単な計算が出来るそうだ。アーロンの後を継ぐためにアーロンの後をついて商売の勉強をしているときに火事になりここに至る。

次男の【エヴェン】は現在16歳、こちらは線の細い少年で王都の魔術学園の学生であったが商家が焼け落ちて学園は退学させられてしまった。エヴェンの魔術学園での成績は中の中でごく平凡であったが魔道具の製作に長けており、将来はアーロンの商会で魔道具を開発販売するのが夢だったようだ。

長女の【リリー】は現在10歳で唯の天使だ。ザカリーとヘンケンとジョナが初めてリリーを見た時に目がハート型になっているのが判った。人の目って本当にハート型になるんだとおもった。それを見たザカリーの妹のエマがジョナのわき腹をつねるのを微笑ましく見たのを覚えている。

嫁の【ロザリー】は現在39歳、燃えるような赤髪、通った鼻すじに大きな目、熟れ切った豊満なボディ。。。。。そんなことは別にいいとして、会計全般に強いらしい。

なんだ、この一家、スゲー拾い物だ。

火事がなければ順風満帆だったんだろうな、かわいそうにな。

兎に角、良い人材を手に入れた。

奴隷は自分の命にかかわること以外は、主人の命令に逆らえないように契約魔術で縛られている。主人も衣食住を保証しなければならない。後、細々としたことはあるがこれが基本だ。


俺はアースノット家の屋敷の隅に小さな小屋を与えそこで生活するように命じた。


さあ、明日から頑張って貰おうか。






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