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二週目 12

俺はこの村で養兎業をはじめようと思っていた。

前回、俺が死ぬ前に魔の森の村で養兎場を作ってから村が安定して運営できるようになったのを覚えているからだ。幸いこの土地は魔素が多くなくホーンラビットがいるにはいるが小さく弱い存在だ。それを捕まえ飼育することで簡単に魔石と肉、毛皮を得ることが出来き、その糞を村の周りに広がる荒野に撒くことで土壌を改良していこうという算段だ。

そして、これの最大の狙いだがホーンラビットを屠殺することで屠殺した者のレベルがあがるという効果を期待している。これによってある程度までここに住む人間のレベルアップも見込めることになる。多分この方法をといっているという話は聞いたことがないので知らない人が多いのだと思う。

ホーンラビットの餌だが綿実油を搾ったカスを与えればいけるとおもう。初めこれを肥料に使用とも考え触っていたら微妙に綿実の中に魔素を感じることができた。恐らくだけどこれを使ってホーンラビットの養兎が可能ではないかと推測できる。前世で魔力操作の練習しておいて良かったよ。スキルポイントで身につけたスキルは継承できなかったみたいだけど自分自身で努力して身につけたものはスキルではなくおれ自身についているみたいだ。

俺は親父殿とダン会頭にレベルの話を除いてこの話をしてみた。


「いいではないか、ジュード自身の金でやるのであろう?養兎場なるものがどのようなものか良くわからないが、綿実油を搾ったカスの処分に困っていたからちょうどよいではないか!」

親父殿は割りと乗り気だ。

これに対してダン会頭は少し困った様子で。。。

「生き物を小屋に入れて飼育し増やすというものは聞いたことがありません。しかも、ホーンラビットとは魔物のことでございましょう?仮にうまく飼育できたとしても魔物を村のそばに多く存在させておくのは危険ではありませんか?そのホーンラビットを狙って大型の魔物がこの村を襲ったりしませんか?」


親父殿は、アッ!という感じで困った感じでダンに同意した。


ダンめっ!いらないことを言う。親父殿が不安になるじゃないか。。。

一応、その可能性は俺も考えてみた。

俺は反論する。


「父上、この辺りは土地そのものに魔素が少なく大型の魔物は生息しない。だから、いくらホーンラビットが沢山いたとしてもこれを狙って遠くからやってくるとは考えにくい。もし大型の魔物が来たとするなば、それはホーンラビットとは関係がなく、偶然、この村にやってきたといえるのではないでしょうか?ならば、危険度が同じぐらいならば養兎場を開いてもよろしいのでは?しかも、肉がこの村にいきわたることになりこの村の食料事情も良くなるはずです。」


親父殿はうなる。


「カール様、私は一応、危険であることは申し上げましたので、後はアースノット家での話となります。」


こいつ、もしもの時の予防線張りやがった。なぜ、あの時とめなかったとか言われないように、そして、リスクもとらず美味しいとこ持って行く気だな。

気に食わない、せめて金だけでも出さしてやろう。


「ならば、この件は関係がないので、もし上手くいっても、安定的に出来る魔石、毛皮、多分できるであろう兎の燻製肉はエルウッド商会を通さなくてもよいのだな?」


「いえいえ、そのようなことは言ってはございません、ぜひ、当商会で扱わさして頂きます。」


「関係のない話なのに、お前が決めるな。。。」

俺はダンを軽く睨む。


ダンは汗を拭き、渋い顔をする。

本来なら強面の大男相手に幼児が相手できるわけないのだが、なにせ、中身がいい年のサラリーマンだ、その辺の商人に駆け引きで遅れは取らない。


「まあいいや、その話は一旦置いておいて、山からホーンラビットを狩ってきて飼育していくのにある程度の力思ったものが二人ぐらい必要なのだが手配できそうか?そして、この話が外に漏れないように口の堅いものを頼む。」


「弱いといっても魔物相手になりますので、冒険者か冒険者崩れになります。冒険者は結構な額になりますがお金を払えばちゃんとした者がくるでしょうが、冒険者崩れは少しぐらい力があってもお察し程度の者しかきたいできないでしょうなぁ。それに、言っては何ではございますがいい人材はここに来るまでに働き口はみつけているはずございます。」

ダンはにやりと表情を崩す。


「そうか、手間を取らして悪かったな、村のものを育てて何とか対応してみることにするよ。エルウッド商会とは関係のない話になるが仕方がないな・・・・」

俺は知っているんだよ、ベリーや王都の商人が綿実油を求めてこの土地に来ていることを、すべてではないが少しは綿実油がほかの商人にながれるかもなぁ。。


「そうそう、父上、ベリーのジェイク商会がこないだ挨拶にきていましたよね?」


「そういえばそうだな。。。」


「なぜ、それをジュード様がご存知なので?」


「それは、私が綿実油を考案したからおうだろう、考案者が口ぞえすれば何とかなると思ったんじゃないか?」

ダンは余裕の表情から一変して険しい表情になる。

おい、表情にだすな、商人だろ!!


「そういえば、ジュード様、奴隷の家族に適任なものを当商会でちょうど確保しております。40歳ぐらいの元冒険者の父親と30代の妻、そして、17歳と15歳の息子、10歳の娘が一人の五人家族です。父親はもう冒険者としてのピークは過ぎておりますが一時期は家庭をもてるほど安定して稼いでおりました。金貨100枚ほどでお譲りしたいところではありますが、ジュード様と初めてのお近づきということで金貨50枚でいかがでしょうか?」

こら、カード切るの早すぎだろちゃんとしろよ、今エルウッド商会が潰れてもらうとこっちも困るんだよ。

「ところでそいつらはどうして奴隷落ちになったのだ?」

使えないやつだったら嫌だぞ。


「冒険者である程度成功したのでベリーで商売始めたのですが、失火でお店を焼いてしまったのが原因の借金奴隷ですな。無論借金が返せれば開放されますが奴隷の身分を抜け出すのはなかなか難しいですなぁ。」


「失火がなければうまくいっていたのか?」


「さあどうでしょう、でも、手広く広げようと思い借金したところでの火事でしたから、それまではまずまず上手くいっていたのではないでしょうか。なので、人間としてはまともなほうだと考えますなぁ。」

運がなかっただけなら、お前より使えるかもな!!俺の中でダンの評価が結構下がっている。


「金貨50枚かぁ、、、ところで、いい話があるんだが私に投資しないか?」


「いい話ですか。。こわいですなぁ・・・」


「金貨50枚、俺の養兎場事業に投資しないか?もしそうすれば俺の代に替わっても他の商会に口なんか利きたくなると思うんだけどなぁ~~。」


「ジェイク商会、投資とかしてくれないかなぁ~」

俺は大きく聞こえるようにつぶやいた。


ダンは絵に描いた苦虫を噛み潰したような顔になり、

「判りました、奴隷の家族をジュード様に投資しましょう。その代わりジュード様の代になっても他の商会の口ききはしないと一筆書いていただきたい。」


「あれ?、僕の独り言聞こえちゃった?」

ダンは苦笑いする。

顔に出しすぎだよ。。。

俺は真顔になる。

「いいよ、他の商会に口ききは一切しないと書面にして渡そう。」

あんまし苛めすぎてもいけないしね、まだ、リスク分担するほどの規模でもないからこの辺で手をうとう。


「では、来月、この村に来た際に奴隷商人を介してお引渡しいたします。」


こうして、俺は奴隷をタダでてにいれた。

でも、あとで親父殿に何か言われるんだろうな、チラリとみた親父殿の顔が引きつっていたのはお愛嬌だ!!











もし、面白かった、気に入ったと少しでも思っていただければ、ブクマ・評価よろしくお願いいたします。

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