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二周目 10

親父殿と今後のことを話したってから、一年がたった。

結局のところ、まだ子供である俺に領内の事業にかかわる重要事項を任せることはできないし、させる訳にはいかないということになり綿実油の事業は親父殿が仕切ることになった。

その代わり事業で出た利益のうちいくらかを俺がアイデア料としてもらい受けることになったのだが、これでおふくろ様が俺に対する融資を辞めてしまった。ようは『収入があるなら自分で何とか出来るよね』って話だ。でも、もしもの時は助けてくれるそうなので少し安心だ。

子供は親の脛をかじってナンボだ!もしもの時は子供の特権を行使しよう。


兎に角、俺は今年度、綿実油の利益から金貨10枚ほどもらったこれを使って、俺は人を雇うことにした。

俺は親父殿に相談して人を雇い入れようとしたのだが、綿実油や綿花、公共事業、開墾でこの村は人手不足状態だ。


「くそ、考えが甘かった。どこかの職にあぶれた次男坊、三男坊に声を掛ければホイホイよろこんで雇われると思っていたのに出来ないのか。こんな僻地じゃ、何処かで飢饉か戦争でも起きないと人なんか来ないだろうな。。。。」


親父殿は爺さんを通じてクライスト伯の領都【ベニー】で随時移住希望者を掛けていて、たまに移住者がやってくるが、領地は発展中で仕事はいくらでもある。いくら領主の息子とはいえ7歳の子供に好き好んで雇われようとするものはいなかった。


さて、どしようか・・・・・


しばらく、考えてもいい案が浮かばない。

俺の相手をしてくれている近所の子供たちを使うか。。。。12歳以上の子供たちは大体見習いとして働いているし、それ以下でも使えそうな子供たちはなにがしら親の手伝いをしている。残されているのは俺とおなじ位かさらに小さい子供たちになってしまう。

よく一緒に遊ぶアンナの息子のザカリーを思い出して俺は首をふる。

無理だな、7歳の子供じゃ俺のやって欲しいことは体格的に無理だ。

いま、ザカリーとその下の双子の兄妹の兄【ヘンケン】と妹【エマ】に読み書きと計算を教えているとこで所詮日本での小学生の低学年レベルだ。なかなか、今すぐに問い言うわけにはいかない。

ヘンケンとエマはあの時、俺が授乳したせいで出来た子供だと考えられるのだが、アンナに聞いてもなんだかとぼけられるし、おふくろ様にはなぜか叱られた。

ヘンケンとエマの教育が一段落したらヘンケンとエマには村の子供たちに簡単な読み書きと計算を教えてもらおうと思っていいる。小さいうちから教育を行っておけば俺がこの家を継ぐときに大きな力になるだろう、それに幼い時から優秀なものに重点的に教育を行っていけば将来、事業を広げるにあってキーパーソンになる人間を探すより安全で確実だ。

そして、このことが我が村の幼児の生存率をあげることとなる。

幼児を俺たちに預けることにより、仕事の傍らの育児で子供を亡くすことがなくなり、そして、俺が子供たちに質素ながら食事を提供することで健全に成長していく、さらに、子供を安全に育てることの出来る環境が整っていき子供をつくる村人が増えるという好循環でこの年代からの人口が右肩上がりでふえていくことになった。


そしてなにより、何より教育は投資だ。


しかも、かなり利回りがよいし、失敗のリスクもすくないときている。

低コストで出来るのにやらない手はないだろう、ただ、利益を受けるのは随分と先になるのだが俺もまだ7歳ですぐに実りを得られなくても問題ないのでOKだ。

後にこのとき教育を受けた子供たちが幹部となったり、いろいろな事業を起こしたり、王国各地に散らばり俺の目と耳、手足となりすざまじい利益をもたらすことになるのだが、それはまた、のちのちの話である。


現実問題、いま人手を確保するの如何しようか。。。。考えどころである。


もう少しすれば、エルウッド商会がやってくるから相談して見ようか、綿にプラスして綿実油の利権も手にしたから当家の機嫌を取っておきたいはずだ。跡取り息子の俺の言うことも無碍には断らないだろう。


よし、親父殿に相談だ。


親父殿に相談するとエルウッド商会の会頭の【ダン】がちょうど来る予定になっているので引き合わしてくれることになった。

俺とエルウッド商会の会頭との話し合いに立ち会ってもらい俺の後ろでウンウンと頷いてもらうように頼むことにした。本当は親父殿に頼んでもらったほうが上手くいくのだが今後の為に自分でして見ろということになった。

まあ、仕方がないか後ろでいてくれるだけで、俺に舐めた態度は取れなくなるだろうし、それでよしとするか。


そして、数日が過ぎエルウッド商会の商隊がやったきた。





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