二周目 8
おふくろ様と話をしてから数日たったある日の事、俺は親父殿に呼ばれた。
俺は親父殿の部屋の前に立ちノックをする。
「お父様、ジュードです。」
親父殿の返事をもらい俺は部屋にはいる。
其処には、おふくろ様とジョナサンが待っていた。
「ジュード、マーガレットから話は聞いた、お前は商人になりたいそうだな。」
俺はおふくろ様を見る。
おふくろ様は頷き、話をうながす。
多分だが、根回しをしてくれているのだろう。
「はい、商人になりたいというより、お金が好きなのでお金を使ってこの土地に貢献できたらとおもい単純に商人がよいのではないかと考えました。」
「お前は、まだ5歳のはずだが、何処で金を扱うことを覚えた?」
うっ。。。。。。
やっばー、こんな辺境の地でお金なんか殆ど流通してませんがな、、、、しかも、俺、まだ5歳だし、どう言い訳かまそうか。。。
俺が返答に困り黙っていると親父殿が話し出す。
「本当のことを話しなさい、お前には知らない人間の記憶があるのではないか?」
??????
親父殿は知っているのか?
俺がよほど驚いた顔をしていたのだろう。
「もう顔に出ているぞ」
間髪入れずに突っ込んでくる。
「本当に隠さなくてもいいんだぞ、どんな記憶を持って生まれてもお前は、俺とマーガレットの息子なのだから、、、、、」
親父殿の目を見ると、怒りや悲しみなど負の感情は一切感じられなかった。
あっ、これ俺が日本にいる娘を見ている時の目と一緒だ、親の無償の愛の目だ。
だからといって、これに乗っかって全部話してしまうのは危険なような気がする。
さて、どうするべえか・・・・
おふくろ様が話し出す。
「ジュード、貴方もしかして神の子ではなくて?」
「神の子ですか?」
「知りませんか?」
「はい、お母様」
おふくろ様が神の子について説明してくれた。
神の子とは生まれながらにして、色々なスキル、アビリティ、知識、神の加護、そして、、、前世の記憶などをもって生まれてくる子供のことで、神の子はこの世の中に恩恵を与えるために神が使わした子供のことだそうだ。そして、神の子は百年に一人か二人世界のどこかで生まれ偉業を成し遂げているそうである。
それを聞いて、俺はそれ転生者だなと直感する。
多分だけど、トラックに轢かれそうな女の子助けて身代わりに轢かれて死んだり、後輩が彼女自慢しているのを聞いているときに通り魔に刺されて死んだり、エロ本かゲームを買って自転車で帰宅しているときにトラックに轢かれて死んだり、、、とにかく、トラックに轢かれて死んだ人が神様にいろいろなチートをもらってこの世界に転生してきたやつだな。
たしかあの女神ほかの女神様と競争しているみたいな口ぶりだったしありうるな。
でも、俺、この世界に来た時の特典なにもないんだよな、ステータス開けないからわからないけどファラスさんも出てこないし、習得したはずのスキルやアビリティが一切使えないんだよな。俺にあるのは小野寺 真幸の記憶というか自我?とこの世界に送りこまれて時にもらったこの世界の一般的な知識ぐらい名物だから、神の子としたら微妙な感じなんだろうな。
「お母様、その神の子とは一般的に知られているのですか?」
「まあ、一般的ではないけど、貴族の間では割と知られている話ではあるわね。神の子は大抵、偉業を成し遂げて貴族になったり、王になったりしていますからね。」
もしかして、俺に偉業を期待しているのか?
「お父様、お母様、話を聞いても私のことを見放したりしませんか?」
「「もちろん(ですわ)。」」
俺は意を決する。
俺は、息を大きく吸い話し始めた。。。。
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