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一周目 57

よし、人間の街に行く準備をしよう。

まずは、銭だよ銭!

マジックポーチに残っていた硬貨を確認する。

金貨、銀貨、銅貨、銭貨。。。結構あるな。

俺の感覚ではどうか一枚で千円ぐらいの感覚だがどう?


『私には千円がどの程度の価値を持つか判りませんが、少し豪華目のランチぐらいの感覚だと思います。』


じゃ、あってるな。

まあ、でも、、、金はあっても困らないマジックポーチに全部入れておこう、後は、食べ物と着るもの、魔石を売りたいから魔石と、薬草とかも売れるかな?


『多分売れますよ。』


そうか、じゃあ今後そいつ等を街で売って、人間の物や技術を買って俺の街に役立てよう。

そして、これがうまくいったら少しずつ少しずつもっともっと、、、俺の街を豊かにしていけるだろう。ただ、人間に俺の街がばれないようにしないといけないけどな。。。


まあ、準備もそこそこでいいだろ2日ぐらいで着くところだし、そんなに心配することはないか。

よし、明日、朝一番に出発するか。

俺はシリウスを呼びその旨を伝える。


翌朝、俺は人間の街に出かける。

次郎が心配そうに俺を見ている。相変わらずの忠臣ぶりだ。


「真幸様、やはり心配です。私も一緒に随伴さしていただけないでしょうか。」


「心配しなさんな、シリウスもいるしファラスもいる。ほとんどの人間は俺を害することはできないだろうよ。それに、お互い人間同士だ話せばわかるはずだよ。。。たぶん?」

言ってて自分で不思議に思った。

人間こそが人間の天敵なのではないだろうか?

民族のちがい、宗教、思想の違い、国の違い、貧富の差、さまざまな違いで人はヒトを傷つける。だが俺の街の住人たちはどうだ、俺の元に少なくとも差別はないイザコザはあるが争いはない。

この規模だからできているのか?

う~~ん、考えてしまうねぇ。。。

でも、人は争うことで文化が交わり、戦争することで技術が発展したりしている。

争いや差別が人間世界を発展させてきたのだとすれば、それを否定すれば人間の存在を否定することにはならないだろうか・・・・


「真幸様。。真幸様。。。どうされたのですか?」


おっと、少し考えすぎたようだ。

「何でもないよ、少し考え事をしていただけだ。なんにしても10日ぐらいしたら戻ってくるから心配するな。」


俺を見送りしに来ている幹部たちにも声を掛ける。

「お前ら、俺の留守の間頼んだぞ!」


幹部たちは一斉に跪く。

そして、太郎が俺に声を掛ける。

「真幸様の旅路の無事を祈ってお有ります。真幸様がお留守の間も恙なく街を運営してまいります。心置きなく楽しんでいってらっしゃいませ。」


太郎さん、何をかっこつけているんだよ。まあ、いいけど、、、、

「じゃ、あとたのんだぞ。」

俺は、シリウスの背中に乗り街をあとにする。


一日目の道中は何度か魔物と遭遇したがシリウスに恐れて襲ってはこなかった。

しかし、乗り心地が悪い。シリウスの背中につかまるようにしてのっているけどかなりシンドイ。狼の背中に乗っているゴブリンライダー達はスキルいるんだよな。

騎乗だとか乗馬だとかのスキルを取れば楽に乗れるようになるのだろうか。


『ゴウブリンライダーのスキルにはウルフライドというスキルがありますよ。というより、ウルフライドのスキルがなければゴブリンライダーにはなれないんですけどねぇ。』


そうか、俺もそれ取れる?


『魔物専用のスキルですけど、マスターなら取得は可能ですよ。でも、必要無いでしょう。』


今、俺SP10ぐらいしかないけどとれるの?


『取れますよ。乗馬のスキルもSP10ですから同じようなものなのでしょう。でも、必要ないでしょ、遠出もそんなにするわけでもないし、マスターはそんなに戦闘しないのですからこれからLVアップも見込めません。それに取るにしても今じゃないでしょ、少しでもSP取っておいた方がよいと愚考いたしますが。』


だって、シンドイの嫌なんだもん、それにもう俺戦わなくてよいならSPもいらないし、シンドイの嫌だしとっても良いよね。


『子供かっ!』


子供じゃ!年取ってくると人間は子供に帰るんじゃ!!文句あるんか!!!


『ほんと、計画性がないですね。私は止めておいた方がよいといいましたからね。』


いいよ、自己責任で取るから気にしないでください。


では、頭の中でウルフライドのスキルを選択しポチっとな!!

【ウルフライドを取得しました。】というアナウンスが頭の中に流れてきた。

よし、取得完了だ。

じゃ、今日はここまででここ野営しよう。


『えっ、シリウスにのって確認してみたりしないのですか?』


いいよ、どうせ明日まだ50Kmぐらい乗るんだし、その時でいいでしょ。


『まあ、そうなんだけど、、、、なんか、釈然としませんね。。。』


「シリウス、そろそろやすみたいよな?」


「オン!!」

シリウスは元気に返事する。


シリウスも休みたがっているし今日はここで一休み一休み。。。それに、慣れないことして限界なんだよ。


『はじめから、疲れたから休むって言えばいいのにホントにこの人は、』


ファラスさんは何かぼやいているが、気にせずに野営の準備をする。準備と言っても火をおこし、マジックポーチから食料を取り出しあっためるだけだけど、シリウスにもホーンラビットの肉を焼いて渡す最近ではシリウスも生肉より料理した方が好みの様だ。

俺は食事を終えると丸まって休んでいるシリウスに寄りかかり目を閉じるとすぐに眠りに落ちた。


翌朝、、、、

「あー、よく寝た。」


『マスター、よくこんなところで熟睡できますね。』


こんなところでっていうけど、この世界に来た初日に比べればすごい安心して寝れるよ。何もわからず周りに怯えて状態で木のくぼみに身を潜めて恐怖に身を震えさせて眠る。それに比べたら温かく柔らかいシリウスに身を寄せて眠る安心感たらないね。シリウスのおかげで大抵の魔物は寄ってこないしね。

そんなことより、出発しよう。

軽く朝食を済ませ俺は出発する。


ウルフライドはなかなかよろしかった、俺は安定してシリウスの背中に乗ることが出来るようになり、一日目の倍のスピードで人の街にに向かっている。これでスキルレベルが上がれば一日で俺の街から人の街にイケるようになるかもしれないな。それを考えればファラスさんがあんなこと言っていてけど取ってよかったよ。


『今、取る必要がないといっただけで取るなとはと入っていませんよ。』

ファラスさんが抗議の声を上げる。

ファラスさんとたわいのない会話をしながらにシリウスの背中に乗ること数時間、俺の目の前がパッと広がる、森が切れたようだ。そして、その向こうには高い壁に囲まれた街が見える。

俺は隠れるところを探し身を隠し街を観察する。シリウスは目立つので森に置いてきた。


街壁には大きな門があり門番が二人たっている。壁は石だかレンガだかでできているようで見た感じ身長の三倍ぐらいの高さがありそうだ、そして、壁の上にもパトロールする衛兵らしき人影がちらほら見える。これぐらい警戒しないと魔の森にのそばにはすめないのどろうな。


さて、どうしようか。

多分だけど、街に入るときに身分証明書の提示を要求されると思うんだが、そんなのないしな。このマジックポーチを持っていた人の持ち物にもこの人を証明するものは入っていなかった。有ればそれを流用しようと思ったんだけどな。。。。。お金で何とかなるかな?


『多分、何とかなると思いますけど、私が街の中に入って身分書みたいなものとってきましょうか?』


えっ、そんなことできるの?


『どっかのギルドに所属すればそれが身分書になりますから、それでは入れると思いますよ。』


名前とかどうするんだよ。


『そんなの偽名でいいじゃないですか、頭硬いですよ。』


おっ、ファラスさん頭良いですねえ~


『ふっ、ふ~~~ん!!』

褒めるとファラスさんの鼻息が荒くなった。


でも、本当に大丈夫?それで行けるのか???


『へのつっぱりはいらんですよ!』


「おお! 言葉の意味はわからんがとにかくすごい自信だ!」

俺は軽く突っ込みを入れる。


『では、いってきますね。』

今回はあの美少女戦士の恰好ではなく、如何にも女冒険者と言ういでたちで実体化した。ファラスさんは街に走っていき。壁の前で少しジャンプすると軽いステップで壁を駆け上る。

すげえな、壁を二、三回蹴っただけで5メートルぐらいある壁を越えてしまった。

ファラスさんは壁の上に立つとこっちに向かって手を振ってくる。可愛いんだけど、ここに誰かいることがばれてしまうじゃないか、それにMPの消費が激しいから早くいってほしい。と思いながらも思わず手を振り返してしまう。年をとってもかわいい女の子には抗えない何かがある。。。。


俺が大きな石の陰で街の方から隠れて座っていると突然、子供が現れ声を掛けてきた。


「おじさん、こんなところで何をしているの?」


お~~、びっくりした。

思わず声を上げそうになった。少しでもMPの消費を減らそうとして索敵も何もしていなかったんだっけ。

「ここで人をまっているんだよ。坊主こそ何でこんなところにいるんだ?」


「薬草を採取してお金をかせいでいるんだ。」

少年が言うには母親が病気で生活の為に兄貴と一緒に薬草を採取して何とか生活しているそうだ。母親の病気を治すには大金が必要だということだが今の状態ではどうしょうもないそうだ。それにヒポポ草とヒポポポ草の区別がうまくできないらしく生活もギリギリのようだった。


「じゃ、コレお前にやるよ。」

そう言ってマジックポーチから大量のヒポポ草を取り出し少年に渡した。

少年は目を丸くして、ヒポポ草とマジックポーチを見比べる。明らかにポーチに入らない量のヒポポ草が出てきたからだ。

「ありがとう、おじさんでも、、、そのポーチなに?」


「ああ、これかいマジックポーチといって物がたくさん入る魔道具だよ。」

少年はまじまじとマジックポーチを見つめると「高そうだね其れもちょうだいよ。」と言って手を伸ばす。


「だめだよ、これは上げられないよ」といって俺はマジックポーチを手で押さえる。。。。。。と、その瞬間、ドンと大きな衝撃とともに背中が燃え上がるように熱くなる。

俺は後ろを振り返ると後ろには目の前の少年によく似た少年がナイフを俺に突き刺さして立っていた。多分少年の兄貴なのだろう。そんなことを考えながら裏拳で兄貴の方を殴り飛ばす兄貴は勢いよく転げ飛んでいくがその瞬間。。。

お腹からも熱い何かが流れ出るのが感じ取れた。

目の前の少年が俺をナイフで刺したのだ。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、、、、、」そう言いながら、俺からマジックポーチを奪い走り去っていく。

母親の為に大金がいるのかもしれないが、それはないだろ。。。。

俺は急いでヒールとリペアを自身にかける。

がしかし、なかなか傷は癒えていかない背中かお腹どちらかなら何とかなったかなったかもしれないがなかなかうまくいかない。まずは、腹のナイフを抜き取りリペアで傷をふさぐ、背中からナイフが生えたまま血が流れ続けている。

腹の傷がなかなか塞がらない。

ヤバイ、ヤバイ。。。

こんなことならSP少しでも置いておいておけばよかった、そうすればリペアのレベル少しでも上げれて何とかなったかもしれないのにファラスさんのニヤリ顔が目に浮かぶ。。。こんな時んでもなんかむかつく。

そうこうしているうちにお腹の傷は何とか塞がった。

後は背中の傷だが意識が朦朧としてきた。

血を流しすぎだな。

そういえば刺されると痛いより熱いっていうのは本当だったんだな。

猛烈にあつい。

多分もうだめだな。こんな状態なのに集中して治療できない。って言うかこういう状態だからか。。。考えがまとまらない。。。

なんだか今度は体が寒くなってきた。

でも、何とか背中の傷も塞がってきた。

何とか行けるか?




あっ、だめだ。。。。


MPがなくなった。


ファラスさんを実体化させてMPの消費が激しかったんだ。。。。


ファラスさんが実体化できなくなって戻ってきた。

『いったいどうしてこんなことになっているんですか?』


子供にさされちゃった。てへっ!


『てへ、じゃないですよ。何とか世界の変革の方向が定まってきたところなのに。。。なんで、こんなことに』


シリウスも俺の異変に気付き俺のところにやってきた。


クゥ~~ン。

情けに声をあげる。


「シリウスさんよ、俺が死んでも人間を恨むなよ。そして、人間は怖い、人間と争いを起こさないようにみんなに言ってくれ。」

クゥ~~ン、

情けない声を再び上げ俺をペロペロと舐める。

シリウスさんや、もうそんなことでは俺は助からないよ。


ああ。。。駄目だこりゃ。。。


「あっ、俺、死んだ。。。」

そう呟くと、俺の意識がなくなった。


辺りにはシリウスの悲しい雄たけびがいつまでも響き渡っている・・・・・






一年以上、ちびちびと書き続けて第一章も終わりを迎えそうです。次回の1.5週目で第一章サバイバル編終了です。

次章のモチベーションアップの為にぜひぜひ評価よろしくお願いいたします。

また、ここまで読んでくださった皆様には感謝の気持ちで一杯です。これからも駄文ではございますがご愛読していただけると幸いです。

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