一周目 56
さあ、街づくりだ!!
とか、考えてから早10年。。。。
色々あって、何とか俺の街は何とか形になった。
小さな泉あった場所を中心に広がり外壁の外には畑が広がっており住人たちの食料を賄っている。食料はまだまだ、余剰があり更に人口は増えていくだろう。
今、中枢部ではリスク分散するために新たな街の建設の計画が立っている。
現状、街の治安は極めてよく、基本魔物なので小競り合いは常にあるが力が正義のこの街ではトップの判断は絶対である。街を作るときに明文化した法に従い町は運営されている。
明文化したといっても魔物にもわかる簡単なものだ。
罪には公平な罰を。
種族による差別はしない。
行動には適正な対価を。
権利には義務を。
この四つだけだ
この四つのことを基本にトップの魔物たちが合議でこの街を運営している。
街の防御についても強固な外壁に囲まれ子供たちが安全に暮らせるようになった。
近くの外敵もおおむね駆逐した。
最近になって子供たちの教育にも力を入れだした。
それに伴い知識を持つ個体が増えより高度な生態系を築きつつある。
そうして手に入れた安全だがデメリットもある。
外敵を駆逐したせいで個体のレベルが上がらず進化の具合が緩やかになった。
強いものは単独でも外に出て行き、より強くなり、弱い個体はあるところで頭落ちになり成長が止まる。
初期のメンバー以外は一段階進化した状態で大体進化は終わってしまう。更に進化を促すにはどうすればよいのかが今後の課題である。
ハイクラスのものは他の種族との交配が可能になり、次郎とヒルダがつがいになり子供をもうけた。
次郎とヒルダの子供には【アマテラス】と言う名前がつけられ大切に育てられている。
アマテラは他の魔物とは異なり成長が遅い。他の魔物の子供達は平均一年で成体になるが生まれて5年たってもまだ子供のままだ。今は小学生の高学年にまで成長している。人間より少し成長が早い程度である。
見た目は完全に人間でイケメンと天使の子供は超絶美少女だった。
その超絶美少女が「マーくん、あ~~~そぼっ!」と俺にまとわりついてくる。
美女神を見慣れていなかったら、危ない世界に突入してしまいかねないほどの試練を俺は味わっている。
この世界には俺の子供はいないが日本にいる娘のことを思い出す。子供のころは俺にべったりでそれはもう愛らしかった、容姿も俺に似ず美奈子さんににてとてもかわいかった。
ここにきてもう十数年、結婚して子供もいるかもしれないな。
『マスターが無事日本に戻れるとしたら、手術後になりますから時間はほとんどたってないはずですよ。』
相変わらず冷たい突っ込みをいれてくる。
そうそう、変わったことが一つある。
何時のころだったか、ファラスさんが変な話し方をやめたことだ。「・・・ですぅ。」とかいうイラつく話し方をやめてしまった。どうしてやめたのか聞いたら飽きたからだそうだ、でも、
たまに思い出したかのように話し方を戻したりして俺をイラつかせる。
そう、もうこの世界にきて十数年になるのだ。
俺の生活は安定し、魔物の王の様な存在になった。魔物たちはまだまだ未熟ではあるが文化的な生活を始めている。下手な人間世界の僻地より幸福で過ごしやすい環境にあるのは確かだ。これを世界の革新の一歩と言わずにどうしようか。
ねぇ、ファラスさん!
『私に言っても無駄ですよ。それを判断するのはウルド様ですので直接ウルド様に聞いてください。』
結構な改革だとおもうんだけどなぁ~。
俺はごちる。。。
もう、俺がここにいてもすることがないので人の住む街に行ってみようと思うんだがどうおもう?
『良いんじゃないですか、ただ、人の住む街はいつも魔物に守ってもらっているここより危険ですよ。』
大丈夫だよ、そんなに人間って悪い人ばかりいないから・・・
『おっと!今、超巨大フラグが立ちましたよ!!』
なんちゅうこと言うんだ。本当になったらどうするんだよ。
『大体マスターは、十年前からレベルが全然上がっていなくて弱いままなんですから少し注意を払った方がよいですよ。』
良いジャン別に、もう、戦う必要なんてないんだし何もしたくなんだよ。楽したいんだよ俺は!!
『楽して何かを得ようなんて甘いんですよ。どこかの名伯楽がいっていましたよ。「努力した者が全て報われるとは限らん。 しかし! 成功した者は皆 すべからく努力しておる」って、なのに努力もしなくて何かを得ようなってチャンチャラおかしいですよ。』
ファラスさん、ところでチャンチャラってなに?
『そこですか?』
知識の魔神なんでしょ教えてくれよぉ~
『ググれ、カス!!』
貴方が今、グー〇ル見たいなものじゃないですかぁ、だからぁ、教えておくれよぉ~知識の魔神の癖に知らないのぉ~~。
『その喋り方、むかつくからやめろ。』
オマユウだよ、ファラスさん。
なんにしても、俺は人の街に行く。これは決定事項だ!
『ああ、そうですか。勝手にすればいいですよ。ここでこのまま頑張っていれば良い結果になるかもしれないのに残念です。』
おいおい、俺が人の街に行ったら死んじゃうような話しぶりだな、何か知ってるのか?
『ここから東に約100キロ更に南に10キロ言ったところに、魔の大陸の唯一の人間の街【ベル】なんですが、辺境の街にしてはそこそこ規模が大きい街ですが、治安が最悪です。人の大陸から逃げてきた犯罪者や一攫千金を狙った冒険者、そこで生まれた食うや食わずの子供たちその中に、60を超えた老人が迷い込めばどうなるかわかりますよね。』
老人いうな!まだまだ、元気なままじゃ!!
『はいはい、そうですね。ずっと死にたくないって言ってたじゃないですか、わざわざ危険を冒す必要ないんじゃないですか?』
だって、あらかた出来ることやってしまって、暇なんだもん。
『マスター何もしてないじゃないですか、次郎たちに丸投げで。』
いや、結果を聞いたり指示を出したりしてるよ。
『いやいや、殆ど何もしてないのと同じですよ。指示だって「適当にやっておいて」っていってるだけじゃないですか。』
まあ、良しとしよう!
『良しとしようじゃないで。。。』
もう決めたことだから、、、俺はファラスの話を遮る。
『そうですか、なら仕方がないです。ではどうやって【ベル】に行くおつもりですか。』
ああ、それならシリウスの背中に乗っていくつもりだよ。どれくらいで着きそう??
『シリウスがマスターを乗せて走るとして、二日程度で着くと思いますよ。』
そんなに早く着くのか。
『あくまで何もなければの話ですが。』
なにかおこりそう?
『高レベルに達したシリウスにはこの辺には敵はいないですから多分何も起こらないでしょう。』
よしよし、いけるじゃんよ!
早速、人の街に行く準備を始めよう。
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