一周目 54
さあ、街づくりを始めよう。
って、その前に素朴な疑問をファラスにぶつけてみた。
ファラスさんや。
『なですかぁ、マスター』
一つ疑問に思うことがあるんですが質問良いでですか?
『もちろんですよぉ、私はそもそもの役割がそういうものですから。』
では、、、
ファラスさんが実体化したときの服装なんですが、どうして日本の女子学生の制服をきていたんですか?この世界の服装じゃないですよね?
『ああ、それですかぁ、それにはちゃんとした理由があります。マスターの世界の知識を少しウルド様から教えていただいた時と過去にこの世界に来た人間が話していたのを聞いたときに美少女戦士のユニフォームは日本の女子学生の制服だと聞きましたのでいろいろ調べてあの格好になりました。自分でいうのもなんですが私なかなかな美少女じゃないですかぁ~、なので服装もばっちり決めようと思いまして・・・。』
う~~ん、微妙に違うような気がするが、美少女戦士で制服と言えば多分セーラー服を着て怪人と戦うあのアニメだと思うが、ファラスさん制服違いですぜ!!
『なにぃ~、やっちまったなぁ!』
杵と臼が想像できる驚き方はやめてくださいよ、ファラスさん。
『じゃあ、今度はちゃんとした服装で登場しますので教えてくださいよ。』
やだよ、、、セーラー服の女の子を連れているオッさんって変態にしかみえないじゃないですか、絶対教えない。
『ふん!じゃあ、勝手に制服調べてきますからいいですよ!』
そう言ったとたんファラスは会話をやめる。
ファラスさ~~ん!
・・・・
・・・
・・
呼びかけても返答なし。
俺のスキルの癖に自由すぎるだろう、誰だよこんなスキルつけたのは。。。。。
ああ。。。。ウン娘だから仕方がないか。
『その言葉を言うとコロシマスヨ。折角、生かしておいてあげようと思って協力してあげているのにヘイトがたまって、また殺したくなりますよ。気を付けてください。』
ハイ!分かりました!!
『良い返事で大変よろしい。調べてきたのでみてもらえますかぁ~。』
いやいや、一緒にいるところを人に見られたら恥ずかしいから辞めてほしいのですか、世界の普通の服装だったり、女神様然とした格好でいいよ。
『そんなことより見てくださいよ。こんなかんじですかぁ~?』
そういって俺の目の前に実体化する。
俺の話、全然きいてねえな。。
俺の目前に現れたツインテールのファラスはまさしくあの美少女戦士の服を着ていた。足を広げ、手には変な形をしたムーンスティックのようなものを手にしておもむろにポーズを取り始める。そして、キメポーズと同時に決め言葉を発する。
「『うおおおおお!』に代わってお仕置きよ!」
俺は「月に代わって」の部分に大声を出して聞こえないようにする。
「ますたぁ、折角の決めポーズなのに邪魔しないでくださいよぉ~~」
ファラスは頬っぺたを膨らまして抗議してくる。
うっ、、、、反則だろ、可愛い女の子にそんな仕草されたらオヤジとしてはどうすることもできないよ。
「真幸様大丈夫ですか?何か雄たけびのようなものがきこえましたが。」
次郎がすごい勢いで駆けつける。
次郎の忠臣ぶりが半端ないな。
「大丈夫だ、ファラスがふざけていただけだから気にするな。持ち場に戻っても大丈夫だぞ。」
そういって次郎を追い払う。
「そうですか、ファラスさんとイチャついていただけなのですな。」
「「イチャついてねえよ(ないですぅ)。」」
ファラスと俺は抗議の声を上げる。
「仲の宜しいことでよかったです。では、私は持ち場に戻ります。」
そういって次郎は去っていく。
だが、去り際の次郎の目線が俺を傷つける。
セーラー服を着た痛そうな女の子を連れた初老の人間ってどうなん?って、顔に書いてありましたよ次郎さん、そんな残念そうな目で自分の主を見なさんな。。。
「ちょっと、イタそうなってなんですか。。。」
ファラスはまた抗議の声をあげる。
「そんなに人には。。。」
あっ、やばい、また例の決めポーズをするきだ。
「そんなにひとには。。。『わあああああ』わってお仕置ヨ!」
何とか俺は『月に代わって』の部分にかぶせることに成功した。
「ますたぁ、なんで決めポーズを防ぐのですかぁ・・・」
「それは俺な中の何かを失ってしまうような気がするからだよ」
あっ、また、次郎が走ってくるのが見える。
いちいち来なくてもいいのに、ホント、魔物の癖にちゃんとしてるな。少しはファラスも見習ってほしいものですなぁ。
「失礼な!知識の魔神である私をつかまえてゴブリン以下みたいな発言はおやめください。だいたい、マスターがいけないのですよ・・・・」
ファラスの小言を聞いているうちに気が遠くなってきた。
ファラスが実体化したせいでMPを大量消費し意識が保てなくなってきているのかもしれない。
崩れ落ちる俺を次郎が寸でのところでささえる。
「真幸様、大丈夫ですか。」
「駄目っぽい、気を失うから、また、あの部屋に寝かしておいてくれ。」
そういうと俺の意識はなくなっていく。。。。
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