一周目 48
天使が頭をポリポリと掻きながら歩いてくる。
「おいそこのアホハーピー、配下のハーピーを10匹連れて太郎の下について指示をあおげ。」
アオハーピーはぷ~~~っと頬っぺたを膨らませ俺に抗議する。
「マスタ~、わたしはアホハーピーではないのですぅ。ハイ・ハーピーですぅ。そして、わたしにも名前が欲しいのですぅ。」
俺はあきれ顔で頭を軽く横に振る。
「四の五の言わずに、言うことを聞け。」
アホハーピーはイヤイヤしながら俺に食い下がる。
「だって、だってぇ~、わたしだけなんですぅ~~ハイのクラスに進化しても名前をもらってないのぉ~~~。ほしい、ほしいぃぃぃぃぃぃなまえがほしいぃぃぃぃぃ!!」
『マスター、なんか話し方が嫌ですから絶対に名前つけないでくださいよぉ。ホント、感に触る話し方ですねぇ。』
ファラスが俺に話しかけてくる。
お前が言うなだよ。
あっ、そうだ。。。
「オイ、アホハーピーの喋り方やめたら。名前つけてやるよ、できないだろ!」
アホハーピーははっとした顔になり。
「マスター、できますよ。そんな簡単なことでいいんですか?」
「できるんか~~い!」
俺はアホハーピーに軽く突っ込む!
アホハーピーはてへへと頭をかく。
かわいいは正義とはよく言ったものだ。
「負けました、付けてやるよ。。。名前!」
「やった!」
アホハーピーはジャンプして喜ぶ。
『ほんとにその子に名前つけるんですかぁ?』
ファラスさん、お前さんがその喋り方辞めればこのハーピーに名前付けるのやめるけど、どうする?
『やめるわけないじゃないですかぁ~、いいですよつければ、そうせ花子とかでしょぉ。』
お前、全花子さんに謝れ!!
しかし、これで花子って名前は封じられてしまった・・・
ハーピーがこっちを見ている。
ああ、ワクワクがたまらないって感じだ。
さて、如何したものか。
「よし、決めた!」
ハーピーは俺をじっと見る。
「お前の名前は【ブリュンヒルデ】にする。いいな!」
ハーピーは胸をなでおろし、ボソッと一言ごちる。
「花子じゃなくてよかった」
『なっ、ブリュンヒルデって由緒正しい戦乙女の名前じゃないですか。。。なんでこのアホなんかに。』
だってよ、槍をもった白い衣を纏った可憐な少女が舞うんだぜ。そらもう、バルキリーの名前でいいじゃないのか?それに何か白いものが空を富んでるとブリュンヒルデって名前付けたくなるだろ。銀河の歴史がまた一ページ的な何かで。。。
俺はブリュンヒルデのほうを見る。
「とにかくお前は今から【ブリュンヒルデ】を名乗れ、名前が長いから俺は【ヒルダ】と呼ぶがな。いいなヒルダ。」
ヒルダは小さな胸を目一杯突き出し、鼻がパンパンの表情で俺を見る。
「マスターの為にこの身を捧げます。なんなりとお申し付けくださいませ。」
喋り方と姿かたちがあってないや。。。
「おい、ヒルダ、喋り方前のままでよいよ。その容姿でそんな堅苦しくしゃべられたら違和感感じるから。それにその姿ならまだ許せる気がするし。」
「そうですぅ、わたしもなにかへんなかんじだったんですぅ、このしゃべり方だとどうしてもイタイ子になちゃうんですぅ。」
「実はお前、そこそこ頭いいの?」
「実はマスターの言うことちゃんと理解できていますぅ。多分、太郎ちゃんよりは知能はたかいとおもいますぅ。」
ほんとかファラスさん。
『本当ですよ。ステータスを見ると地頭は太郎よりヒルダのほうがだいぶ頭がよいです。見掛けや話し方だけで判断してはいけないってことなのでしょう。考査するとハイのクラスに進化するにはある程度の知能が必要とされるようです。少なくとも人と同じぐらいの知能は最低限持ち合わせているようですね。』
だったら、話は変わってくる。
「ヒルダ、お前は空から全体を見て太郎に助言をしろ、そして何かやばそうなことがあれば俺に連絡をよこせ、いいな。そしてあくまでお前はサポートに徹して戦闘は太郎に任せろ。」
「は~~い♡」
かわいい返事が返ってくる。
そして、俺は太郎のほうを見て話し出す。
「太郎、お前はヒルダとよく相談して敵の本拠地を攻める最終局面までお膳立てしろ、目標値は相手が1000になるまでがんばれよ。残りが1000を切った状態になればこちらから全勢力を用いて敵を征圧する。それまで少しづつ削っていけ。敵の部隊が増えてきたときにはこちらも増員するから俺に連絡をよこせ、そして、必ず相手の倍以上の戦力になるように誘導して戦えよやり方は分かっているな?」
「真幸様、任して下さい必ずご期待に沿う活躍をご覧に入れましょう。」
「良しまかしたぞ。」
俺は太郎の肩をポンポンとたたく。
そうして、2ヵ月後、敵の本拠地に攻め入る準備がすべて整った。
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