一周目 45
進化した次郎は肌の色を除けばほとんど人間のように見えた。
身長は大体180ぐらいで、細マッチョ体型で顔の作りは目は切れ長で鼻筋は通っており、髪は金髪、まあ美男子といっていいだろう。顔の色は宇宙戦艦のアニメに出てくる総統をイメージすればいいだろう。
正直言って容姿的に俺負けてるかも、若い人間の女の子だったら、人間の俺とゴブリンの次郎くらべても次郎を選ぶ子が居ても不思議じゃないかも、、、、、悔しい。。。
『ゴブリンに見た目負けてやんのぉ~~~ぷ~~~クスクスクス。。』
俺の心の声にこたえてファラスがすぐさま突っ込んでくる。
黙れブサイク!
『きぃ~~~~~~~!!私のこと見たことも無いのにぃ~~~~、いつか惚れさしてみせる。』
なにをしょうもない事を、俺には美奈子さんが居るからありえないですよ。そんなくだらないこと言ってないで次郎のステータスがどう変わったか教えてくれよ。
『ほんと実物の私を見れば意見が変わるとおもうんだけどなぁ。』
もういいですから早くお願いします。
『はいはい、次郎がどう変わったかですね。』
ファラスの説明によると、次郎は肉体的にはホブゴブリンより少し強力になった程度、知能については平均的な人間ぐらいで、魔力についても人間の魔術師ぐらいはあり、簡単にまとめれば武闘派の魔術師みたいな感じだそうだ。
武闘派の魔術師って判るようなわからないような表現だな。でも、人間の魔術師が仲間になったと思えば心強いな。俺がしていた細々したものを次郎に振れるのが嬉しい今の次郎なら俺の指示なしである程度のことが出来そうだ。
そこで俺は太郎と三平を呼び、次郎が進化したことを伝え俺が今までしていた仕事を次郎に振ったからこれからは雑用的なものはすべて次郎の指示を仰ぐように命じておいた。
「おい次郎、いまの聞いていたよな色々教えるから、暫くは俺について行動しろ。」
「仰せのままに。」
次郎は畏まり返事した。
それから約一月ぐらいたったころだろうか、ある程度次郎に仕事を振れるようになって俺にもだいぶ余裕が出来てきた。もう食料の問題とある程度の魔物の恐怖からは開放された。
危険が少なくなったおかげでゴブリン、コボルトたちの子供たちも順調に成長していきぼちぼちと戦力になるようになってきた。
しかし、子供が死なないとすごい勢いで増えていきそうだな。
このまま、200規模の群れになるまでがんばっていくか。。。
『え~~~、マスタ~~~、そろそろ人のいる街に行きましょうよぉ~~』
ファラスが俺に話しかけてくる。
もう、ここで生き延びていけそうだし、ここで魔物の一大勢力を作り上げてこの世界に変革をもたらすことにするよ。
『それじゃ、今までとあまり変わらないじゃないですかぁ~、いままでも何度か、魔物が勢力を拡大したことがありましたけど人間たちが結束して対抗してきて魔物はこの大陸に追いやられお仕舞いって結果になっていましたよ。この大陸は魔素が豊富だから魔物の成育が早く人間たちもこの大陸には勢力を拡大してはこれないですけどねぇ。』
でもこの大陸にも人の住む町あるよね?
『この大陸は魔物が豊富で次から次と増えるので、魔石や素材確保のために堅牢な城壁に囲まれた町が生まれたんですよ。そしてハンターたちがその町に住み着き日々魔物たちを狩って生活しています。』
そんな荒くれもの多そうな街にヨボヨボのおっさんが行って大丈夫か?いかにも辺境で治安が悪そうだけど。。。
『魔物を狩るのを生業としている人たちが多いですの確かに治安は悪いですけど、一応、法と秩序は存在しているので多分大丈夫です。』
ほんとかぁ~~?
『ほんとですよぉ~~~』
でも、やっぱり行かない。
『なんで?』
ここの村がだんだん大きくなっていくのが楽しくなってきたからですよ。
もう少し、戦力が増えれば次はオークの集団を配下に加えようと思っている。
それに次郎の成長も頼もしいしな、もうだいだいの文字も読み書きできるようになったしな。
あっ、そういえば次郎が文字の読み書きが出来るようになったとき違和感があったんでけど、また新たな進化の道が開けたりしないのか?
『判りません、次郎のような進化の例は初めてですのでこの先なにをトリガーにしてどのレベルで進化するのかまったくです。』
知識の魔神の癖に情けないなぁ~
『あくまで知識ですからね、知ってることしか知らないのですよ。』
その知識を生かして予測とかできないの?
『できないこともないですが、しませんよぉ』
なんで?
『なんででしょうねぇ~』
なんででしょうねぇ~って、自分のことでしょうにわかないの?
『なにかの制限が掛かってできないのですよ。もしかしらレベルが上がれれば出来るようになるかもしれませんよ。SP使ってレベル上げてみれば如何ですかぁ』
出来るようになる?
『保証はできません』
じゃ、やめた。。。これ以上面倒くさいのは嫌だしな。
『えぇ~~』
え~~じゃない。
そういえば、次郎みたいに何か特殊進化できそうな、コボルト、グレイダーウルフはいないか?
『この群れには、今のところいませんねぇ~。でも、子供の死亡率が低いのでそのうち出てきてもおかしくないですねぇ、知能の高い個体は得てして体力面が弱く早く脱落していきますが、ここはそういうのが少ないですので可能性は高いですぅ。』
そうか。。。
『どうしたんですか?』
いや、コボルトのメスが進化して人型によって来たら、ケモ耳美少女とかになってラノベ的には良いんじゃないかとおもってね。
『そんなことの為にですか?』
あきれた声が聞こえてくる。
そんなことってなんだよ、大切なことだと思うよ。何がきっかけで世の中が変わるきっかけになるかわからない。
「あらゆる布石を惜しまぬとおもっていただきたい。」
俺はそっと呟く。
『金銀妖瞳の青年提督ですか!!そんな嫌がらせの攻撃に使うよな、そんなセリフを。。。。』
ファラスが的確な突っ込みをいれてくる。
まっ、いいや、今は無理だって言うんだな。
それでは、勢力拡大の為に次はオークを配下に置くとしよう。
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