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一周目 44

一度書いたものが消えてしまった。

一度目に書いたものとなんか違うのだけどどうして話ってぶれるんだろう・・・・

確か人間が文明を築き上げた切っ掛けになったのが火を使い始めたからって言うのを聞いたことある。

ギリシャ神話でもプロメテウスが人間に火の使い方を教えて、寒さを和らげたり料理をすることを覚えたりして生活レベルが向上して文明が起こっていったという話も聴いたことがある。また、火を使うことによって武器を作ることを可能にして人同士の争いの発端になったとも言われていたような気がする。

まあ、戦争こそ科学を飛躍的に進化させてきたものみたいだし、次郎に火の扱い方を教えれば進化に可能性は大いにある、、、、、と思う。


『なるほど、マスターの世界の考古学や神話を元にして次郎の進化の要件を推測してみたのですねぇ。』


そのとおり、俺の推測が正しければ進化するはず!!


「次郎お前に火の使い方を教えるからよく聞いていろよ。」


「わかりました。」

次郎は軽く頷く。


俺はまず火をつけて見せようと用意をする。

まずは乾燥した細い草を集める。そして、石同士をぶつけ火花を散らす。その火花を乾燥した草にぶつける。そうすると種火が草につくので、その草を振って中に酸素を送りつけ着火させる。そして、着火したらそのうえにさらに枯れ草をくべて大きな火をおこす。そこに薪をくべて終了だ。

我ながらうまく火をおこすことが出来た。

「次郎、今の見てただろ。お前もこの薪に火をつけてみ。」


「わかりました。」

次郎は俺の用意したまきの前に立つと、なにかブツブツ言い始める。そして、手を巻きの前にかざす。


「ファイアアロー」

次郎の側から炎の矢が現れたかと思うとすぐに薪に向かって飛んでいく、ファイアアローは見事薪に命中し薪に火が点いた。


何か違う。

火は点いているが、次郎よ何かが違うんだよ!

まず、道具を使って火を点ける。そして道具を使ったり料理をしたりして火の扱い方を覚え、さらに考え工夫して欲しかったのに、第一歩から間違えるなんて俺の説明の仕方悪かったですかねぇファラスさん?


『それはそうですよ、いくら頭が良いといってもゴブリンですからねぇ~。人間じゃないですから言われたことは出来ても言葉を理解して論理的に行動なんか出来ませんよ。。。。ぷ~~~クスクスクス。。。』


お前、そんなに俺の失敗がおかしいのか?

ひどい目にあわせるぞ!!


『そんなわけあるわけ無いじゃないですかぁ~、ますたぁ~。。。。』

あっ、取り繕った。それに最後、半笑いの声じゃないか、ブサイクなお前さんのにニヤけた顔が目に浮かぶよ。


『マスター、マスターは私の姿見たこと無いですよね?』


ああ


『申し訳ありませんが、私、スーパー美少女なのですよ。』


嘘だ!


『なんでそんなに言い切れるんですか?』


だって、お前さん、ウルドちゃんの部下だろ?


『そですよぉ。』


じゃあ、ウルドちゃんよりブサイクでいいよな?


『それとこれとは話が違いますよぉ。』


それってウルドちゃんのことブサイクって言ってるでいい?


『うっ、、、、』


もう一度聞くよ、ウルドちゃんの部下でいいよね?


『くっ、、、、なんか納得いかない。』


俺は悪い顔になり、さらに追い込む。

ウルドちゃんの部下だよね?


『はい。。。』


じゃあ、そういうことでいいよね?


『はい。。。』

やった、認めさせた!


『うぅ~~、人間のこういうところが嫌いだよ。すぐに屁理屈で言い負かしたり、議論に持ち込んで自分の意見を通そうとする。その点、魔物たちはかわいいよ本能で生きればいいし、そういう面倒くさい理屈通そうとしないし。』


ファラスを言い負かしたところで次郎のほうに目をやると、次郎は鼻パンパンでこちらを見ている。

次郎はうまく火を点ける事が出来て俺から褒めてもらえると思ってニコニコでこちらの様子を伺っている。


「次郎よ、俺は俺を良く見て火を点けろって言ったよな?魔法を使って結果的に火が点けばいいのじゃなく、道具を使って火を起こし、料理をしたり暖をとったりして欲しいのだよ。それを通して文化レベルを向上させお前さんの進化を促したいと思っている。ただ肉を焼いたり道具つかって狩をしたり食料を保存したりすればいいてものじゃない、判っているのか?」

さっきまで笑顔だった次郎はなにを怒られているのかわからずにシュンとなっている。


「まったく、ただ肉を焼いたり道具つかって狩をしたり食料を保存したりするのは今でも言われれば出来てるじゃないかちゃんと考えて。。。。」


ん?

何かおかしいぞ?

何か引っかかる。。。。

肉を焼いたり道具つかって狩をしたり食料を保存したりすることがいわれたからって出来ているって事は結構文化レベル高いのではないか?簡単ではあるけど芋の栽培とかも出来ているし何で進化しないんだ?俺の考えが間違っているのか?


人と魔物の違いはなんだ?

火を扱うことが出来ることか?道具を使うことか?違うのか???

今、もう既に出来ているような気がする。


何か引っかかる。。


モヤモヤする。


そのとき、俺の頭の中にさっきファラスが言った言葉が思い浮かんだ。『うぅ~~、人間のこういうところが嫌いだよ。すぐに屁理屈で言い負かしたり、議論に持ち込んで自分の意見を通そうとする。その点、魔物たちはかわいいよ本能で生きればいいし、そういう面倒くさい理屈通そうとしないし。』

そうだよ、理屈だよ理論立てて考えないことで、そのときそのときの事はできても未来につながる何かをつないでいけない。

そうだよ、次郎に論理的に考える思考を植え付けよう。原因があって結果があるそういうことを理解させ行動から結果を引き出させよう。

なぜ俺が注意したのかを理解してもらおう。


「次郎、まずは何で魔法で火を点けたか言い訳してみろ。」

まずは自分のした行動から口で説明してなにが原因で結果がどうなったか言い訳を通じて考えてもらうことにした。


そんなこんなで次郎と話し続けて一月ぐらいたった。

だんだん、誰の影響かしれないが嫌なやつになってきた。

俺のまいた種だが結構むかつく事がある。

因果が判っていなかったの俺も一緒だったみたいだがそんなある日。。。次郎が言った一言にイラっときた。

俺が「次郎、屁理屈を言うんじゃない」とたしなめたとき、次郎はこう返してきた。


「主よ、いつも論理的に考えろっていってるじゃないですか、屁理屈も理屈ですよぉ~~、ぷ~~クスクスクス。」

そして、俺がイラってきたそのとき。


次郎に変化が訪れた。

一瞬、何か光ったかと思うと、次郎の居たその魔所には顔色の悪い(青い顔をした)角の生えた青年が立っていた。


「真幸様、私はハイ・ゴブリンの【次郎】です今後ともヨロシク。」


ああ、これは絶対やるのね。


にこやかに次郎は答える。

「これは進化したとき新たに仲間になったときの様式美みたいなものですからね。」


まあ、なんにしても次郎は進化した。


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