一周目 36
俺は芋を植え次郎の寝床を確保し、そして、ジャガイモ畑に魔石の砕いたものをまく。
収穫が楽しみだよ、ホント。
まだ日が高いから、まだなにできるだろう。時間があると何かしないといけないと思ってしまう貧乏性は異世界にきても直らないか。
まあ、次郎の分の食料も必要だしホーラビットでも狩りに行くか。
俺はシリウスと次郎を連れて狩りにでる。
ホーラビットを見つけるとシリウスがこちらに追い込み、俺が投石で牽制し次郎が攻撃して仕留めるという形が自然と出来た。やはし、次郎にも経験を積んで強くなってもらわないとこまるしねぇ。
そういえば、次郎に剣を持たしてもゴブリンソードマンにならなかったんだけどどうしてだろ?
『マスター、それはただ単に次郎には剣を扱う素養がたりていなかっただけですよ。ただ、次郎はあんまり剣の才能自体はなさそうですけどねぇ、、、訓練しだいではゴブリンソードマンになれますよ。』
まぁべつに次郎をどうしてもソードマンにしたいわけではないのでいいんだが簡単に強くなれないかと思っただけなんだよねぇ~。
次郎になんかいい素質とか備わってないの?
『まったくないですねぇ。。。普通のゴブリンそのものです。マスターに出会わなかったら簡単に死んでいたでしょうから次郎はマスターに出会えてラッキーだといえるんじゃないでしょうか。あっ、待ってください、素質的なものはまったくありませんが地頭が他のゴブリンよりかなり良さそうなので色々教えると良さそうですよ。』
地頭がいいのかそいつはいいねぇ、、でも、とりあえず次郎は生き残ってもらうために強くなってもらおうとりあえずホブゴブリンに進化してもらおう。
俺からしばらくの間俺たちはホーンラビットやゴブリン、そしてオークを狩っていた。オークを狩るときに次郎は死にかけたのだが、オークって強いな単体じゃなかったら勝てなかったかもねぇ。
そうして、ジャガイモが収穫の時期を迎えたころ次郎はホブゴブリンに進化した!!
「私はホブゴブリンの次郎、今後ともヨロシク!」
ファラスさんこれ毎回やらないとだめなのか?まぁ、嫌いではないが嫌いではないのだがなんだかなぁ~。
『駄目ではないですけど、そこはそれということで嫌いではないのならいいじゃないですか。』
う~~ん
「主よ、進化して私は今まで主が言っていたこのの意味をかなり理解できるようになりました。これからもご指導よろしくお願いします。」
「あ・・あぁ。。。。と頼むぞ。」
「畏まりました。」
と次郎はきめ顔でそういった。
ファラスさん次郎は本当にホブゴブリンか?なんか太郎の時とは全然違うんですけど。
『一応、ホブゴブリンですよ。ただ、マスターの影響なのかもともとの資質なのかはわかりませんが進化後の能力の伸び率が知能に極端に偏っています。体力的にはあんまり伸びていませんね普通のゴブリンより少し強い程度ですねぇ、ホントならかなり強くなるはずなんですけど』
俺の側にいるならちょうどいいな、魔の森でひとり生き抜くには力も必要だけど誰かと生きて行くなら知恵もあったほうがいいだろう。
『あと、、、なんか変なんですよねぇ・・何かの兆しが見えるというかなんと言うか・・・もう少しでさらに何か違う存在になれそうな感じがします。』
マジででか、、、どうやったらいいんだ?
『私にも良くわかりません。今までになかった系統の進化っぽいですけど要件がよくわかりません。経験値と何かきっかけがあれば進化しそうですがそれがなには今のところはっきりしません。』
ふ~~ん、知識の魔神なのに知らないことあるんだぁ~。
『それはねぇ、、私も万能ではありませんから新たに生まれるものまでは知りません。でもこれでまた一つ賢くなりそうです。ありがとうございますマスター。』
えらく素直だな、まだ進化すると決まったわけでもないし、進化の要件もわからないのに。
『いや、必ずします。マスターがこの地に降り立ったのはこの為だったのかもしれません。マスターが切欠となりモンスターの進化の変革がおこるかも、、、いや起こしてください。そして、この世界に変革をもたらしマスターのクエストも無事成功してマスターは美奈子さんの元に帰ることができる。なんか希望が見えてやる気がでてきましたねぇ~。』
いやいや、やる気が出たのはお前さんだけですよ。でも次郎の進化は目指してみるか。
『そうですその意気です!』
次郎は俺が頭の中でファラスと会話しているのがわからないのか不思議そうな顔で俺を見ている。一人でいろんな表情しているから不思議なんだろうな。
俺は次郎に話しかける。
「次郎、ホブゴブリンになったことだしお前さんにも従属する部下を探してつけよう。できそうか?」
「主よ、客観的見て私は太郎さんに比べてかなり弱いです。なので大勢の部下を腕力で従えるのは難しいです。今現状で精々2,3匹、もう少しレベルが上がっても4,5匹が限界だと思います。」
次郎は申し訳なさそうに俺に答えた。
「そうか、じゃあ無理をしないうをで少しづつレベルを上げていってそれから配下を増やしていくか、それにまだジャガイモ畑も始めたばっかりで養っていけるだけの食料もないしな。」
俺はまたしばらく次郎とレベル上げにいそしむことにした。
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