一周目 31
次の朝、俺は拠点の洞穴の前でビットスナイプの検証を始めた。
大きい石を持ったり、個数を増やしたり、目標の距離を変えたり、動き回りながらだったり、集中したりしたりした。結果として三つ同時発動はしなかった。集中したときだけ微妙にビットスナイプが発動しかけたけれども目標には命中しなかった。
集中しただけで発動回数が増えるのなら、まだ使い道があるんだけどなあ・・・・・
なあ、ファラスさん目一杯集中すれば三つ同時発動できるかなぁ?
『たぶん出来ますよぉ~』
まじでか
『本気とかいでマジです。』
昔の漫画のタイトル!!
俺は右ひじを曲げ右手の平を上に向けかるく指を曲げた状態で突っ込む。
『マスターは、なんでも知ってるわね。』
「何でもは知らないよ、知っていることだけ、、、、」
・・・・・
・・・・
・・
『もう一度、よ~く、よ~~く集中してビットスナイプしてみてください。たぶん出来ますよぉ。』
ファラスさんは何事もなかったようにビットスナイプを促してくる。
俺は深呼吸をひとつしてから、三個の小石が目標に命中するイメージを脳に焼付ける。そして、目標に集中する。
ビットスナイプ
三つの小石がグングンスピード上げ目標に向かって飛んでいく、そして、カーンと小気味良い音とともに目標に命中する。
あ、成功した。
これでゴブリンを奇襲するときに3匹は何とかできる。そして、昨日の感じだと第二弾で2匹はいけそうだから、俺に向かってくる前に五匹片付くとして、あと太郎が3匹で計8匹は奇襲で何とかできる。俺とシリウス、太郎で普通に10ぐらい相手できそうだから、明日、うまいこといったら今度は20匹ぐらい太郎につれてきてもらおう。
そして、ある程度集落のゴブリンの数が減ったら今後の安全のために滅ぼしてしまおう。
ファラスさん太郎のゴブリンの集落ってどれくらいの規模だかわかる?
『はっきりとは分かりませんが、普通にゴブリンソードマン、アーチャー、シャーマン、ホブゴブなんかが偵察にチームを組んででてくると言う事は1000規模の大きな群れだと考えられます。200~300ぐらいの普通の群れならマスターの友釣り作戦で滅ぼしてしまえそうですが1000規模になりますとジェネラル、キングといた上位種もきっといる筈ですので今のマスターのレベルではたぶん厳しいですよ。』
1000規模って、ちょっとした街じゃないですか、それにキングとかジェネラルとか強そう。太郎の群れにちょっかい出すの止めたほうがよいかも知れんな。ちょっとづつ削っていってもその内大規模攻勢に遭ってこっちがやられてしまうかも知れないな。
よし、後二、三回やって止めるか。
『まだ少しはするんですねぇ。』
ちょっと、このまま止めるには惜しいような気がしてね、もう、少しレベルが上がれば魔法属性が取れるくらいSPがたまりそうだしね。
それにしてもレベルが上がりにくいなぁ後どれくらいゴブリンを狩ればレベル2ほど上がりそう?
『そうですねぇ、普通のゴブリンで100程度ですかねぇ、ホブゴブや職業持ちのゴブリンが混ざればもう少しすくなくてもすみますけどねぇ。』
あと、100もあるんかい!!
これは無理かも、群れの1割も消えればいくらなんでも気づかれそうだし、太郎の群れはもう次で終わりにしよう。
ほかにゴブリンの群れとかないですかファラスさん。
『たぶんあると思いますよ。このあたりは割りと弱いモンスターが多いのでゴブリンの群れやコボルトの洞窟、オークの群れとか定番の経験値モンスターが結構あります。基本、彼らは弱いので群れています。』
そうか、じゃ太郎の群れはしばらく寝かておいて他の手ごろな群れから狩って行く事にしよう。
よし、方針は決まったし今日はどんぐりクッキーでも作って明日に備えよう。
そして、今日も終わっていく・・・・
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