一周目 22
あ~~~、良く寝た!
俺は洞窟を出てシリウスを呼ぶ。
「シリウ~~ス」
暫らくするとシリウスが息を切らしてやってくる。尻尾を振り俺の前でお座りをする。俺はシリウスの頭を撫で愛でる。
ああ。。。ワンコって癒される。新しく加わった朝のルーティンを終えシリウスに話しかける。
『シリウス、食い物はあるか?』
「わうっ」
シリウスは返事をする。どうやらご飯は足りているようだ。あの熊さんを食べているのだろうか?
『シリウス、今日も狩りには出かけないから自由にしていていいぞ。』
シリウスは俺を見てずっと尻尾を振っている。俺と遊びたいのだろうか?
でもなぁ、、、散歩するにしてもなんにしてもこの世界この場所は危険だから難しいな、、、そう思いながらシリウスに抱き付きスキンシップを取りシリウスと転げまわるシリウスも嬉しいのか俺の顔をペロペロ舐めてくる。顔がネチョネチョだ、、、、、
『ちょっと待て、顔がネチョネチョだ。やめれシリウス!!』
そして、シリウスは満足したのか一通り俺の顔をなめ終えた後、俺のそばでお座りをしてハアハアとしている。
『ちっとは、満足しただろう俺は満足だ!今日はやることがあるのでいってよし。』
そう言って、シリウスを開放する。
シリウスは何度も振り返りながら森の中に消えていく。そう何度も振り返るなよなんだか俺が悪いことをしているみたいじゃないか。でも、何かと触れ合うっていうのは精神の安定にはいいのかもしれないな熊と戦って大怪我をしたけでもそれほどこの世界に対する恐怖を感じない、アニマルセラピーってすごいな。
『それはマスターが精神耐性を取得したからですよ。』
ファラスが俺に話しかけてくる。
ファラスさんよ折角俺がいい気になって結論付けたのにいらない突込みを入れなさんなよ。
『そんなことよりマスター、今日はポーションを製作するのでしょ、早くやりましょうよぉ。』
そんなことよりって、ファラスさんあなた。。。。
俺は洞窟に戻り顔を洗い身支度、朝食を済ませる。
ある程度、落ち着いたところでファラスに話しかける。
さあ始めるとしよう、ファラスさん何をどうすればいいんだ?
『では、簡単にポーションの作り方について説明いたします。一番簡単なのは錬金術のスキルで製作することです草すれば自動的にレシピがあり一度製作したことがあれば作ることが出来ますがいきなりそのスキルを持っている人はいません、ではどうすればいいのか問いますとその物体の構造、製造過程を理解して造ることです。まず、私がその方法をお教えしますので理解して作ってみてください。いきなりはできたりしないと思いますのであきらめずに何度もトライしてください。』
何回も作っていれば錬金術のスキルって手に入れることできる?
『できますよ。あとはマスターならSPでスキル取得っててもありますが。。。SP50掛かりますのでそれまで待ちませんよね。』
ああ、そうだなSP50もあれば魔法属性をとるよ。
『そだねぇ~』
イラッ・・・・・
『おっと、マスターイライラしちゃだめですよ。』
誰のせいだよ!さっさと説明はじめろ!!
『分りましたよ、せっかちですねぇ。まず、ポーションですがある性質のものに魔力を与えその性質を強調させることによって効力を実行させたものです。例えば、ヒールポーションの場合は主成分である「ピポポ草」の回復を増進させる成分を魔石の魔力によってその成分を運用し、尚且つ、それを水と融合させることによって効果を実現させるようにさせたものです。ですので、ピポポ草以外のものでポーションを造ればいろんな効果のあるポーションが作ることが出来ます。ちなみにピポポ草は磨り潰して傷口に塗るだけでも効果がありますので傷薬として使われることがあります。』
う~~ん、よく理屈はわからないが魔石と何かと合わせて水で混ぜればポーションが出来るんだな。
『簡単に言えばそうですね、でも、技術的な問題があるので誰にでもって訳には行けませんけどね。では、続けてその技術的って言う部分を説明していきますね。ところでマスターは無魔法を使うとき何か意識してますか?』
いや、特段意識しているわけではないな、ただ念じるだけで自動的に使っているな。
『それがスキルの効果ですねぇ、それを手動で行うことが今回の作業です。』
「なるほどね。。。」俺は小さくつぶやく
『まず、ご自身の魔力を感じてください。』
俺は身体の中にある何かを必死に感じようとする。だが、いくらからだの中の何かを感じようとしてもウンともスンともでてんでさっぱりですがな。
ファラスさん、何も感じませんがなにか?
『おかしいですねぇ、、、、、、、、普通、魔法を初めて使うとき自分自身の魔力を言霊に乗せて放出することによって魔法を発動するのです。そのときに、自身の魔力を操作しないと当然、魔力を言霊に乗せることも出来ません、でも、マスターはいきなりスキルで魔法を使ってしまっているのでその過程がないのですねぇ。だから、魔法は使えるが自身の魔力は感知できないということですか。。。。う~~ん、実に興味深い。。。』
なんか最後聞いたことあるような台詞だがそこはスルーで、、、っで、一体どうしたらいいんだ?
『ではですねぇ、一度、サイコキネシスで小石か何かを動かしてみてください。すると、いつもと違う感じのするところがあるはずです。それはマスターの中で魔力が移動して魔法を発動させている証拠ですのでその感じた魔力をまずは意識してみてください。』
分かった、やってみるよ。
俺は足元に落ちている小石を見つめ『動け!』と念じる。
すると小石は地面の上をコロコロと転がっていく、と同時に俺の身体の中を何かが循環するというか熱くなったというか不思議な感じがした。もう一度、小石を動かしてみることにした。今度は【思考加速】も使い意識を敏感にし身体の中を熱くさせた何かをさらに感じやすくしてみて見よう。
『動け』
今度は意識していたので分かりやすかった。一瞬の出来事だが体中の血管の中の血液が早く流れるような感じがして眉間の辺りに集まりイメージがはじける感じがしたような気がした。でもこれ、無意識で使ってたら分からないな。
『流石ですねマスター、こんなに簡単に魔力を感知してしまう何て素晴らしいです。』
そうか。。。なんか初めてファラスに褒められた気がするが気のせいかな??
『気のせいですよマスター、で次ですが。。。』
話を変えやがったなこいつ、で如何するんだ。
『今度はスキルを使わないで魔法を発動して見ましょう。まずは先ほど感じた魔力の動きを魔法を発動させずにイメージをしてみてください。たぶんまた【思考加速】で意識を過敏にさせれば出来ると思います。』
こんなやり取りをしばらく続けていると何とか俺の身体の中の魔力を操作できるようになってきた。
『何とか自身の魔力は自身で操作できるようになりましたねぇ、思ったよりはやかったですぅ~♪』
そうか。。。。その喋り方つかれる。
『そんなこと気にしない気にしない、さあ、次に進みますよ。』
こいつ直す気ゼロだな。
『ゼェロォ~♪』
・・・・・・・・
・・・・・・
『それでですねぇ~』
こいつ今の発言なかったことにして次に進める気だな、その言葉を聞いて俺の身体を魔力ではなく脱力感が駆け巡った。。。。
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