一周目19
昨日はよく休んだ。
やはし、休養は必要だ。
俺は身支度をして朝飯をさっと済ませ洞窟の外に出る。
今日は出来ればレベルを上げたい。生存率も上げたいしこのままでは年老いて死んでいってしまうだけだからな。
「シリウ~~ス!」
俺はシリウスを呼ぶ、少しするとシリウスは森の中から現れる。
『シリウス、今日はゴブリンを狩るまずは一番遭遇率の高かった岩塩のある場所に行くいいな』
ワウッ!
シリウスは一声なき、俺を先導して森の中に入って行く。
鬱蒼とした森の中を歩く俺たちは周りを警戒しながら進んでいく。シリウスは時々俺の方を振りかえるが順調に目的地に向かっていく、そして、ひらけた場所に出て目的地に着く。
着いたからと言って、、、どうってことないだが着いたら直ぐにゴブリンとエンカウントする気でいた。
そらそうか。この広い森でそんなに簡単に出会ってしまったら俺今頃しんでるわな。。
よし、
『シリウス、ゴブリン探してきてくれ、そう遠くないところに多分ゴブリンのコミュニティがあるはずだ見つけたら何もせずに戻ってきて俺に教えてくれ。』
シリウスは頷き森の中に消えていく、、、
。。。。。。
。。。。。
。。。
暇だ、することない。
暇つぶしに本でもよむか。
『マスター、危険ですよこんなところで警戒もしないで本に意識を移すなんて自殺行為ですよ。』
おっと、ファラスの癖に今いいこといった。
『マスター!のび〇の癖に的な扱いはやめてください!!』
仕方がない警戒しながらシリウスを待つか。。。。
んっ?
何か感じる?
だが、魔物じゃない?何かいる?
ガサガサと森の奥から音が聞こえてくる。音のする方を見るとがっしりとした頑丈な体格を誇り、頭骨が大きく肩も瘤のように盛り上がった大きなクマが見えた。
熊?
でも、魔物特有の何かを感じない。
『マスター、あれただのヒグマですよ魔物じゃありません。』
えっ、魔物じゃない。
魔物じゃない生き物なんてこの魔の森にいるんかいな。
『普通にいますよ、マスターがいつも食べている魚やら海老やらもそうです森の木々たちもそうですよ』
そらそうか、この森すべてが魔物だったらこの世界の人間はもう滅んで滅んでたっておかしくないか、ゴブリンが繁殖凄くてあふれ出るって言ったって人類の数にはかなわない、なんやかんや言ったって数こそ力だからこの世界を人類が席巻していてもおかしくないこの魔物の楽園の大陸も人の手が入り始めているその内この世界から魔物が居なくなるかもしれないな。
『マスター、なに思いにふけっているんですか、ヒグマが向けってきますよ。』
おっと、そうだった。
ビットスナイプ
俺は近づいてきた小石がすごい勢いで飛んでいく、小石はヒグマに命中するがヒグマは気にせずに俺に向かって突進してくる。
やべっ!
思考加速
俺はイノシシのように突進してくるヒグマをよく見る。寸でのところで俺は右手をヒグマの頭にそえ闘牛士のようにサッとかわし避ける。
あぶねぇ~!!
『小石じゃ、ヒグマの毛皮は貫通できないようですね。小石が命中しても砕けてますねぇ。』
何とかならないのかよ、俺は突っ込んでくるヒグマをかわしながら対処を考える。ヒグマの弱点とかないか?
『一応、ヒグマの弱点は額とされてていますが、小石ではきついと思いますよ。』
仕方がない銭貨で額を狙うか。
ビットスナイプ!
俺はヒグマの額を狙い銭貨を投げる。しかし、ヒグマは見えているのか首を少し振り被弾場所を額から少しずらす。少し目をしかめたが構わずに突っ込んでくる。
ダメだ、遠くからだと避けられる。もっと接近してからか止まっていないと命中させるのは厳しいだろう。仕方がない必殺技で止めるか。そう、俺な必殺技『シム〇後ろ!』を・・・
ヒグマをやり過ごした俺は再びヒグマを見る。
ヒグマは威嚇のためか直立し大きく手を広げグオゥゥゥ!と大きな鳴き声を上げる。
おっ、チャ~~ンス、額丸見え!!
ビットスナイプ
そして、そこからの『シム〇後ろ!!』
俺の必殺技が炸裂する。
勝ったな。。。シンジ君のお父さん並の『勝ったな』がでたとことで。。。。ヒグマをみる。
あっ、外れた。
俺の必殺技には掛かった。。。かかった故に、ヒグマは首を横に振り後ろに意識が行く、当然、額が横に向くので銭貨はヒグマの横っ面に当たる。
俺の最強コンボが通用しない。先に必殺技を使えば顔は横を向くし同時や後からだとしても額が動くので当たらない。
今度こそヤバいか。。
「シリウ~~ス!!」
俺は大声で叫びシリウスに助けを呼ぶ、、、、が、ゴブリンを探しに行ってるシリウスがそばにいるわけもなくシリウスはこない。
ヒグマは俺の攻撃手段が自身に通用しないのに気付いたのか今度は突進することなくジワジワと距離を詰める。俺はビットスナイプを諦めマジックポーチから剣を取り出し構える。
、、、が、剣のスキルもない俺に何の恐怖も感じないのかヒグマは構わず距離を詰める。
ヒグマは俺の前まで来ると立ち上がり右腕を振り上げ袈裟切りのように振り下ろす。
サイキックガード
俺はサイキックガードでヒグマの攻撃を防ぎその隙にヒグマの懐に潜り込み下からヒグマの頭を剣で習おうと思いサイキックガードを発動した。しかし。。
パリンと音が聞こえたような気した。
サイキックガードがヒグマの一撃に耐え切れず砕けたようだ。
思考加速でヒグマの動きは見えているが今の俺では対処できない、、、
アカ~~ン!直撃する!!!
動け動け動け避けろ避けろ避けろ・・・
その時、俺の動きが加速する。
俺の思い描いた通りの動きが出来る。
俺は頭を左斜め下に下げ少しかがむ、ヒグマの右手が俺の後頭部の髪の毛をかすり通り過ぎていく、すかさずヒグマの右側に周りこみ振り切った右腕の脇の下辺りを狙い剣を突き上げる。剣はヒグマの体に食い込んでいく。
ヒグマはギャオ~~ンと悲鳴を上げる。そして、俺をチラッとみて最後の力を振り絞り体を右に捻りながらその反動を利用して右腕を裏拳のようにしてぶつけてくる。
避けられないと思った俺は剣を放し両腕で防御する。
ヒグマの裏拳は俺の右腕に直撃し俺はその勢いで吹き飛ばされる。
吹き飛ばされた俺は風に飛ばされるビニール袋のように地面に転がり木に激突してとまる。
俺はヒグマを確認する。ヒグマはわき腹に剣が刺さったまま俺に止めを刺そうと近づいてくる。
逃げなきゃ。。。
あれ??体が動かない・・・・
俺の右腕が変な方向に向いているし、、、体全体が打撲で悲鳴を上げている。
ヒールヒールヒール!
リペアリペア!
俺は必死に体に回復魔法をかける。
ジワジワは効いているがとても間に合わない。
ヒグマは勝利を確信したのだろう剣が体に刺さった瀕死の状態でそろそろと近づいてくる。そして、俺のそばに来て止めを刺そうと左腕を振り上げる。
あっ、今度こそ俺死んだ!
黒い影が俺の側を通り抜けると、ヒグマの振り上げた左腕が落ちる。
黒い影が通り抜けた先を見るとそこにはシリウスがうなりを上げて立っている。ヒグマはシリウスを確認すると俺のことは放って置いてシリウスの方に向かうすでにヒグマは左腕はなく右わき腹には俺の突き立てた剣が突き刺さっている。このままシリウスと戦ても勝てそうにないだろうがそれでも本能がそうさせるのだろうかシリウスに向かっていく、それでもヒグマは力を振り絞り立ち上がりシリウスを威嚇しそのまま右腕をシリウスに向かって振り下ろす。
シリウスはそれをバックステップで躱す。そして、おもむろに体を左右にステップさせながら軽くジャンプする。シリウスの体はこうを描きそして円になる、シリウスの体は満月の様になりヒグマに向かっていき牙がヒグマの首を切断する。
シリウスは俺に近づいてきて尻尾フリフリで俺の側でお座りをする。
ああ、褒めろ、撫でろってことね。
『ありがと、よくやったぞシリウス』
俺は頭を撫でた後、シリウスにハグをする。
シリウスは満足げにワウッと返事をする。
「しかしなんだ、、、ボロボロだが何とか生き残ったな。」
俺はボロボロになった自分の身体を見ながらつぶやいた。。。。。
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