一周目 15
俺は眠りにつこうと目をとじるが、、、、眠れなかった。
結構、疲れてるのに眠れない。
う~~ん、まだ明るいし寝るには早いけどすることないし、俺は作り置きのどんぐりクッキーを口にしながら書籍に手をかける。
いままで、生きていくのに精一杯で本まで目が届かなかったけど時間を見て本たちも目を通していかないといけないな。
魔法関連の本を読んでいると時間が勝手に過ぎていく、日が傾き夜の帳がおりる。焚きビ火の炎がやさしく俺を照らし洞窟には俺の陰が揺らめき踊っている。
炎の温かさとやさしい揺らめきが俺を心地よい眠りに誘っていく、なんだか心が穏やかだ。
明日からは新しくできた仲間と狩りだ今までより安全に狩りやレベルアップが出来るようになるだろう。そんなことを考えながら今度こそ俺は深い眠りにつく。
久しぶりに深く眠れた気がする、ここ最近色々あったから緊張の糸が切れたのだろう。
さあ、今日から新たなステージに移行だ。
俺は朝食を終え洞窟の外に出る。そこにはもうシリウスが待機していた準備はいいのかな?
俺はシリウスに『おはよう!』と声を掛ける。すると「ワウ!」と返事が返ってくる。
ああ、久しぶりにおはようの挨拶をした。なんだか泣けてくる。独身で寂しい人間がペットを飼う気持ちが今なら良く判る。そら、かわいいいワンコ飼うわな。。。
『シリウス、朝飯は食ったか?』
「ワウワウッ」
どうやらまだな様だ、マジックポーチからホーンラビットの肉を取り出しシリウスに食わす。シリウスは「ワウッ」と一声なき嬉しそうに尻尾を振り食べ始める。それを俺は嬉しそうに眺める。
『よし、これから俺とお前はバディだ、よろしく頼むぞ!!』
「ワオォ~~~ン!!」
シリウスは大きく遠吠えし俺にこたえる。
よしよし、シリウスさんよ、これからは長生きして俺を長生きしてくれよ。
『マスター、「長生きしてな」とか考えると死亡フラグが立ちますよ。』
ファラスさんよ、なんちゅう突っ込みを入れてくるんだ、放っておけばこれぐらいではフラグにならないのにこれは完全にフラグがたったよ。もし、すぐシリウス死んじゃったらお前のせいだからな!
『・・・・・・』
おい、無音で俺のMPを消費すんな!なんか喋れ!!
まあいいや、さあ、お仕事しましょうか。
『シリウス、ホーンラビットのいそうな場所とかわかるか?』
シリウスはワウッと鳴き歩き始める、そして、少し歩き立ち止まると振り返りもう一度ワウッとなく、どうやら付いて来いということだろう。シリウスの後をついて歩くと泉に出てきた、俺は沢でビットスナイプようにビー玉ぐらいの小石をいくつか拾っておくことにした。銭貨でもいいのだがなくなれば終わりだからなるべくそこにあるものにしようと考えたのである。それに銭形平〇よりビー玉の〇京だろう。そんなことを考えていると、シリウスが森の中に走っていく。
しばらくすると、遠くの方でガオガオギャオギャオと獣の騒ぐ声がする。鳴き声のする方を索敵してみるとシリウスともう一匹、ホーンラビットと思われる気配がこちらに向かってくるのがわかる。シリウスがホーンラビットをこちらに追い立てているようだ。
どんどんと気配がこちらに近づいてくる。俺は恥ずかしげもなくビー玉大の大きさの小石を右手の人差し指と中指の間に挟み右手を左肩の肩のあたりに手の甲を正面に向けて構える。まさにビー玉の〇京だ。もう二度とすることもないだろうが折れたりの年代にはたまらないだろう。あと座布団みたいなのを飛ばしてみたりするのもあったりなかったり。。。まぁ、いいだろう、そうしているうちにホーンラビットが泉の反対側から出てくるそこを俺が【狙い撃つぜ】って、感じでロックオン!!
ビットスナイプ
小石はすごい勢いで俺の指を離れホーンラビットの頭を打ちぬく、初めて出会ったときにはあんなに苦労したのにあっさりしたものだ。
シリウスはホーンラビットの前でハアハアと息を切らして立っている。
この狩りは安全で楽だが、レベルは上がらないな、いつまでたってもこれじゃ街に向かうことが出来ないだろう。やはりある程度リスクを取らないとダメだろう。
俺はホーンラビットを角をとり皮を剥ぎ解体していくスキルを取ってからは大分スムーズにさばけるようになった。解体途中の内臓やらをシリウスの方に放っておくとシリウスはおいしそうに食べだす。
ファラスさん、シリウスってスキルとかスペシャルテクテクニックとかアビリティとかないの?
『有りますよ、大体、ウルフ系の魔物は【嗅覚】のアビリティを持っていますし、スキル、スペシャルテクニックはシリウスは今現状では取得していませんが取得は可能です。』
どんなスキルとか??
『それはマスターの訓練次第だと思いますし、勝手に何か覚えたりしますし色々ですよ。』
そうか、、狼といえばやはしあのあわざだろ。正確にはワンコだけどもシリウスは俺のワンコだし良いよね♪
『よし、シリウスこっち来い、今からやってもらいたい事がある。俺の居た世界では犬でも出来ていた技だ。狼の魔物であるシリウスなら出来るよね。』
俺はどんな技かもシリウスに伝えずに犬にできるから出来て当然かのようにシリウスに語りかける。シリウスは当然のように「ワウッ」と答える。
『じゃ、教えるぞ良く効けよ。まず、勢いを付け敵に向かってジャンプして尚且つ体は円盤のように横に回転しながら敵に向かって飛び敵と激突する瞬間に牙を剥き出し敵を噛み千切る技だけどできるよね!』
シリウスは「クゥ~ン」と鳴き困った顔でこちらを見ている。
そうか、円盤のようにが解らなかったんだな、俺は円く平たい意思を拾いその石を回転させながら投げシリウスに見せるこんな感じで回転して敵に向かって飛んでいってくれ。もしかしたら横回転じゃなく縦回転だったかもしてないけど記憶があいまいでよく覚えていなかった。横でも縦でも一緒だよね。そして俺は説明を終えシリウスを見るシリウスは怯え尻尾を巻いて伏せて上目遣いで俺を見て一所懸命首を振る。
無理無理無理と言葉に出さずともわかるほどに。。。
『まあまあ、出来るって、まずはやって見ようよ!』
ティムされているシリウスは俺に逆らいようもなくシブシブ挑戦してみる事にしたようだ。
シリウスは森の木に向かって走っていき勢いよくジャンプする。そして木を蹴り少しは離れた木に更にジャンプする。そしてその離れた木を蹴り反動で身体を円盤のように回転させ落下のスピードも加え加速し三回ほど横に回転し目標の木に牙を立てる。シリウスの目標にされた木はシリウスの牙によって大きく削り取られており攻撃力の高さを物語っていた。
シリウスはスタッと地面に降り立ち得意げにこちらを見る。あの怯えた子犬のような目が嘘のようだ。
『マスター良かったですねぇ、シリウスにスペシャルテクニック【満月画】を取得したようですよ。』
俺は微妙な顔でシリウスを見る。シリウスは何が不満なのかわからないようだ。
違うんだよな、、、俺のイメージする技はそんな二、三回回転したようなものじゃなくもっと勢いよく回り的に向かっていくもんなんだがちょっと違うような気がする。
『シリウスよくやってくれた、でも、思っているものと少し違うからもう一度やってみてくれないか。』
シリウスは頷き、木をステップし勢いをつけ身体を横に回転させ満月牙を発動させる。
それと同時に、俺は念動力を使いシリウスの回転と進むスピードを上げた。
シリウスは聞こえないほど小さな声で「キャイン」と鳴き、すごい勢いで回転し木々をなぎ倒して進んで行く。やった、出来たじゃないかシリウスよ、これが俺が漫画で見た熊に向かって使っていた技、絶・天狼抜〇牙のはずだけど、、どうだろ??
ファラスさん、シリウスに何か技増えた??
『増えてませんよ、それよりシリウス大丈夫ですか?なんかフラフラなようですが・・・』
あわてて俺はシリウスを見る。シリウスはぼろぼろになりながらよろけて誇らしげにこちらを見る。そして、バタッと倒れる。やばいやばい、俺は急いでシリウスの元に駆け寄りヒールとリペアを掛ける。ヒールとリペアのレベルが上がるほど一所懸命に、そのおかげかシリウスはその場で何とか全快したようだ。
『ごめんよ、シリウスすごい威力だけど危険だからもうしないよ。。。たぶん』
シリウスはホント頼むよという顔で俺を見て小さな溜息を吐く。
でも、絶・天狼抜〇牙の取得は無理だったか、惜しいとこまでいったんだがなぁ~
そのとき、俺の頭の中にアナウンスが流れる。
スペシャルテクニック【絶・天狼抜〇牙】を取得しましたと。。。
「俺が取るんか~~い!!」
思わず仰け反り一人突っ込みを入れてしまった。
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