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二周目 44

俺はミヒャエルの顔を直視する。


ミヒャエルは俺の視線を受け微笑み返す。


少し胸が締め付けるような痛みがする。


冷静になれ、これは脳内での化学反応が体にきたす唯の症状だ。


あれ?


そうなると、美奈子さんとの出会いも唯の化学反応??


俺の眉間に皺が寄るのが判る。


「ジュード、どうしたの? どこかぐわいが悪いの? それとも僕のこと嫌い?」

畳みかけてくるなコイツ。


心地よい声が俺の脳をゆさぶる。


美奈子さんのことは後で考えよう、兎に角、今だ!


「いや、何でもないよ。そういば何で僕みたいな騎士爵家の子供をマイクの学友にってなったのかなぁ?」


ミヒャエルはすこし『んっ?』と言う表情をしてからはなしだす。

「今までにも、何人かいたよ。寄子の子爵、男爵の子供たちが僕の取り巻きとなるべくここに来ていたけど知らない間に居なくなってしまうんだよ。言っても同年代の貴族の子供なんてそこまでいないから君たちが呼ばれたというわけだよ。」


「なら、近隣の伯爵、侯爵家のご子息とかはどうなの?」


「ああ、お茶会なんかで出会って仲良くはなるけど同格、格上の家の子たちは無茶できないしねぇ。」

そういってニコリと笑う。


ああ、やっぱりわざとですか。

格下の寄子の子供たちは良いように出来るけど、同格、格上の子供たちはバックボーンが違うから無茶が出来ない、ちゃんと考えるてはいるんだな。格下の子供たちにしても危害を加えられている訳ではないのでどうすることもできないし使いようによっては中々良い能力をもっているな。


俺が少し黙っているとミヒャエルは俺に問いかけてくる。

「ねえねえ、ジュードォ~、そろそろ僕のことすきになったぁ~。」

ニヤリと笑う。


俺の背中がゾクリとする。

貴族らしい厭らしい笑い方だ、多分これが本性なんだろう。


「いや好きになってないよ。」

俺がわざとらしく首を傾げる。


「なんで?」


「なんでって、今あったばかりの人を簡単に好きになる方がおかしくない?」


「僕の目の前に現れる男の子は僕が望めば僕のことを好きになるはずなんですけど、、、おかしいなぁ。」


「まあ、いいじゃないですか。これから一緒に学んでいけば学友として好きになっていくとおもいますよ。共に過ごした時間がお互いの距離を縮めるっていうしね。」


「そう言うこと言ってるわけじゃないんだけど。」


判ってるよ。なんで自分の能力が利かないのかってことでしょ。でも、そこを俺が突っ込めるわけないじゃないか説明してくれるならいいけど。


「どちちらにしても、これからよろしくおねがいします。」


「そうだね。」


モヤモヤしている様子のミヒャエルを眺めて、ニヤリと笑う俺であった。







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