プロローグ
俺の名前は、小野寺 真幸
51歳のしがない会社員、今日も、部下と上司に挟まれ胃が痛い。
しかし、部長もアレやれコレやれって、そんなに簡単にできるかっ、ちゅ~の!!
金も出さないのにできるか!遊んでるわけちゃうんやから、なんかやったらなんかできんくなる。ちょっと考えたらわかるやろに、人か予算を着けろって、部長にいえたらいいな~ってことを考えながら昼食をとる。
「小野寺課長、ちょっといいですか?」
入社3年目の園田が話しかけてきた。
「あの物件って、こういう風に運用してもいいですか??」
俺のお腹の奥の方、胃か??何かが嫌な感じで動いたような気がする。
園田の話を聞いて、すこし気分が悪くなったが飲み込んだ、これでも人当たりのいい良い上司のはずだ(ヘタレで強く言えないのは自分で判っているのだよ)。
しかし、近頃の若い者は何も考えない、ちょっと考えればわかることなのに、どうすればどうなる。。。因果関係が全然わかっていない。
園田のもってきた書類をみてさらに気分が悪くなる。なんで3年目にもなってこんなこと。。。。
。。。。。。
。。。。。
。。。。
あれ。。。。どうした。。。
胃が痛い??
いや、鳩尾??背中???
うっ、、、やばい、すごい痛い・・・
いや、園田よ、痛いのは俺だ狼狽えていないで救急車よんでくれ。
結局、園田は役立たず、営業事務の女の子が救急車を呼んでくれた。
そして、俺は救急車に乗せられ運ばれていく。
ううううううう
い・・・た・・・・い・・・・
なんじゃこの痛みは、
救急病院につき診察を受ける。
なんでもいいから、痛みを何とかしてくれ。
痛み止めを撃ってもらい少し落ち着く。
検査の結果、急性膵炎だった。
そのまま、2週間ぐらいの入院だそうだ。
うちの愛妻が、病室にやってきた。
「あなた、大丈夫??急性膵炎ってすごく痛いんでしょ。」
愛妻の美奈子が心配そうな顔で俺を見る。
「美奈子、急性膵炎だって迷惑かけるけど、、ごめんな」
「いいのよ、気にしないで。」
それから、2週間後、俺は退院もせずに病室にいる。
再検査の結果、膵臓がんだった。
俺は死を意識する。
死にたくない。
美奈子は毎日病院にやってくる。
俺は彼女に何をしてあげれるだろうか。何を残せるだろうか。
体が衰弱していく、お腹、胃や背中が痛い。。。死にたくなる。
でも、死にたくない。
「うっ、、、、美奈子、すまない、君より先に死なないと約束していたのに。。。」
美奈子が涙目で怒る。
「あなた、手術をすれば治るって先生おっしゃってるから、そんなこと言わないで!」
そして、手術の日になる。
奈美子の為に、俺は、絶対生きる、どんなことをしても生きる。
神様、俺にチャンスをください。
手術台の乗せられ神に祈る。
美奈子。。。。
麻酔をかけられる。
真っ白な空間に、一人立つ俺、あれ、手術終わったの??
夢??
もしかして、死んじゃった???
しばらくすると、何もない空間から知らない女の子が出てくる。
????
どっから出てきたんだ??誰なんだ????
女の子は、身長が150cmぐらいの小柄な体格で、出ていないといけないところはそんなに出ていない。。。いや、微妙にでている、、が、寸胴な体形だ。ルックスも微妙だ不細工ではないのだが、、、若そうだし、これはこれで需要はあるだろう。そんなことを考えていると。
「おい、おまえ、今、目茶目茶失礼なこと考えていただろ。」
「お嬢ちゃん、目上の人に対して、お前って言ってはいけないよ。」
俺は、女の子を軽くたしなめる。
「いやいや、私のほうが、はるかに年上だし、もう、2万年とか存在してるしぃ~」
なんちゅうアホそうな喋り方や、品位のかけらもない。
「あっ、おまえ、また、失礼の事、考えた。」
今度は片言になってるし。
「まぁいいや、とにかく話を聞いて、私はあなたの願いに求め応じて現れた存在よ。」
?????
「あなた、神様お願いって祈ったでしょ。」
え?え?え? 神様に願いが通じたんか?
「そうよ、あなたはこのままいけば手術失敗して死ぬわ。」
いやだ、奈美子のためにまだ死ぬわけにはいかない。
「生き残りたいなら、私と契約しなさい。」
神様と契約すれば生き残れるのだろうか。。。
「そうよ、私と契約し契約を遂行してくれれば、あなたの生は約束しましょう。」
契約する、俺はどうしても生き延びたい。
「そう、契約成立ね、では、あなたの魂は私たちが管理する世界に来てもらうわ。そこで世界の発展に貢献してもらう事になるの、そこで、あなたが《アースガルド》の発展に貢献できたと確認できたらもとの世界に戻すことにするわ、勿論、健康な状態にしてね!」
これって、ライトなノベルによくある異世界転生ってやつか。
「そうよ、話が早くていいわね」
心読まれてるし、では、《アースガルド》を発展させれば元の世界に戻れるのですね。
「二言はありません。」
俺は美奈子のためなら頑張れる。
「そう、じゃ頑張って。今から、あなたの中に普通に50年生活していれば知りうる《アースガルド》の世界の情報を送るから確認して、それと、何かほしい能力があれば一つギフトとして送るから考えておいて。」
俺の頭の中にアースガルドの情報が流れ込んでくる。言語、文字、地理、など、普通に50年生きていれば知りうる情報が理解できた。でも、情報すくな!!
いくつかの王国の名前と食べ物、少しのモンスター、文字、簡単なスキルぐらいだった。この世界では50年生きてもこんなものなのだろうか?簡単に言うとアースガルドの世界は中世ヨーロッパの文明レベルで剣と魔法、モンスターの世界であった。よくあるファンタジー世界だった。
ここで何をすれば無事、日本に戻れるのだろうか??
「あなたは、アースガルドの世界において文明開化の切っ掛けになってほしいの、そして、あなた方の世界のように反映させてほしいの、それが、私たち管理者のステータスアップにつながるから。」
つまりは、自分の出世の為に俺を日本からこの世界に連れてきたと。
「言ってみればそういうことね。あなた方の世界はかなり先進的な文明を築いているから、アースガルドに貴方というエッセンスを加えることによって繁栄の切っ掛けになればいいと考えたの。」
じゃ、俺じゃなくてもいいんでないですか?
「そうよ、貴方でなくても良かったわ、偶然よ。あなたの世界の知り合いの管理者に頼んだら、『今死にかけで条件出せば言うことききそうなのがいるから』って、言われたのが、あ・な・た。」
そう言って、俺にニッコリ微笑むがそんなに可愛くならなかった。女の子って、笑えば普通可愛くなるものだが。。。。。ああ、美奈子の笑顔がみたい。
ハッと、我に返り女神を見ると鬼の形相である。
「あなた、異世界の魂じゃなければ、もう消滅しているわよ。」
ワナワナと女神が震えている。
察するに、異世界の魂である俺はかなり貴重なのであろう。そうでなければこんな失礼俺なら許さないね。
「解っているなら、さっさとスキル選んでアースガルドを反映させてきなさい。」
では、アースガルドの世界を知りうるすべての知識をください。
「わかったわ。ユニークスキル【フォラス】を授けましょう。」
授けましょうって、どうやってつかえば。。。。
「では、アースガルドを繁栄させるのですよ。」
まって、ちょ、、
急に俺の周りが鬱蒼としたジャングルジャングルになった。