6「巨乳メイドキタァ!」
「ん…?」朝…だよな?
俺はチラリと窓の外を確認。
うん、朝だ、時間がないと何か不安になるな、ま、まだ二日目の異世界だしな、その内慣れるか。
てことで!
「二日目の異世界こんにちわっと!」
俺はベッドから起き上がる。
すると隣に不思議な違和感。
いや、正確には右手に違和感かな、何かすごく柔らかいんだよなぁ…何だこれ…そして、俺はその右手に掴んでいるむにゅむにゅした物に視線を向けようとする。
そう、したんだ、だけど、俺はそちらに視線を向けなかった。
何故って…?これはラノベ王道だろ…?ならば!この掴んでいるのは確実に…確実に!!
おっぱいだ!!!!!!!!!!!!
だからこの幸せなラッキースケベを死ぬほど楽しむ事にするのだ!!
うおぉぉぉぉお!!
俺は高速で右腕に掴んでいるおっぱいを揉みしだく。
この感覚…間違いない!!おっぱいだ!!
ま、まぁ…触ったことないけど…。
「んん…」
「ッ…!!」
今の声は俺の右隣から…しかも可愛い声だった…いや…綺麗な声だった…これは…これは…Gカップの巨乳姉様キタァァァア!!!!
と…この右腕、どうしようかなぁ…離したくねぇ…ずっと掴んでいたい。
ん…?待てよ…手はある。
「ふふ…」俺は鼻で笑った後、ベッドに再び戻る。
そう、その手は…二度寝である。
うん、これなら掴んでても文句はあるまい。
さぁて最高の夢を見れそうだ。
おやすみ~。
と、俺が最高の眠りにつこうとした瞬間部屋の扉が勢いよくバン!!と音を鳴らす。
俺はベッドから起き上がり、慌ててその幸せな右手からサヨナラ。
そして扉の方へ視線を向けるとそこにはネスがいた。
「どどどどどうしたネス!?そんな息を切らして!?何か用か!?」
動揺しすぎだな、俺。
「いや…廻に用って言うか…その廻の隣に寝ている僕の、姉さん、に用があるんだ」
「え…?」
俺は恐れていた視線を隣に向ける。
そこには、赤毛のショートヘアーに予想してたGカップくらいありそうな胸。
まさに絵に描いたようなボッキュッボンだな。
そしてその美を更に引き立たせてるメイド服!!これはつまりあれだな…巨乳メイドキタァァァア!!!!!!
「って!姉さん!?この人ネスの姉さんか!?」
「そっ…僕の姉さん、名前は、ルナ=フォン、この家に雇われている、メイドだよ」
「んん…ネス…?」
眠そうに起き上がって来たのは俺の隣で寝ていたネスの姉だった。
「姉さん!!こんなとこで何やってんの!?廻に迷惑かけないでよ!!」
「いや~…ごめんごめん、可愛い坊やが寝てたもんだから、つい、ね!」
と、ネスの姉さんは、テヘペロ、とやる。
こっちの世界でも使う人いるんだな。
何か嬉しい。
俺、ネス、ネス姉、は共に客間へと行き、ふかふかなソファに腰を添えた。
そして、改めて自己紹介する。
「俺の名前は、加藤 廻、です、よろしくお願いします!お姉さん!」
「うん!よろしく~…私のことはルナって呼んで~廻くんは見た目からして私とは年が近そうだし、あ、後…下の息子さんにもよろしくしとこうかしらん…」
ルナのいやらしい視線は俺の下に向かっている。
おっと、俺の息子もよろしくと言っている。
だがお前はよろしくしなくていい、夜に挨拶を済ませてくれ。
俺は股を閉じる。
てかこの人もしかしなくても…ビッチだな!!!!ビッチメイドとは新しい…いやだが、悪くない。
でもまぁメインヒロイン候補には入りそうにないな…はは。
「ちなみに廻の事はもう既に姉さんに話してある、姫様を救ってくれる勇者様ってね」
「勇者様って…そんな大袈裟な…戦う訳じゃあるまいし…」
でもいつかバトル展開は欲しいよなぁ。
んまでも今の俺には必要ナッシング。
だってまだ何も覚えてねぇしな。
「あれ?ねぇネス、あの事は話してないの?」
「ちょ、姉さん!しー!!」
ネスは慌てて人差し指を口に当てる。
俺はその行動があまりにも気になり、どんな意図があるのか探る。
「えっと、あの事って?」
と、俺が聞くとルナは「はぁ…」と、大きな溜め息をつき腕と足を組む。
すると、ルナの目の色が変わった。
「ネス、あんたって本当にバカね、何の事情も説明せずに巻き込むなんて…昔からあんたは本当に…」
ルナはやれやれと言わんばかりの顔していた。
「ごめんなさい…」
「私に謝るんじゃなくて廻くんに謝るのが先でしょ」
「廻…ごめん…」
ネスはしょぼんとしながら謝る。
ん?んん??えっと…どゆこと?
何この状況?何か話重くね?気のせい?だってこれって姫様をただ脱ヒキコモリさせるだけの話だよな…?待ってね…俺の予想が正しければだけど…。
「えっと…どう言うことかな…?」
「たぶんネスは姫様がお部屋から出なくなった、姫様を部屋から出してほしい、この二つだけを伝えられてるんじゃない?」
「はい…」
頼む、頼む!!
俺の予想当たりませんように!!
「はぁ…違うの、姫様がお部屋から出なくなった理由は…」
「ゴクリ…」俺は唾を飲み込む。
「魔女が姫様を攫おうとしているからなの」
だよねえぇぇえ!!そう言う展開だよねえぇぇぇえ!!
姫様が誰かに狙われててその狙ってる奴が屋敷に忍び込み…そして休むまもなくのバトル展開突入…って…無理、無理に決まってんじゃん!!てか魔女って明らかに相手魔法使いじゃん!!勝てる訳ないじゃん!!魔法って言うか剣術も武術もろくに使えないただの童貞に何を求める!?
ねぇ…早いよ…まだ早すぎるよ…絶対この展開第三章辺りに持ってくるべきだって…今はやめようよ。
って…いくら言っても変わんねぇよな。
ゲームの批判とはちげぇんだ。
やるしか、展開を進める方法はねぇんだよな。
「廻…本当にごめん…話そうとは思ってたんだけど…」
ネスは涙目になりながら下を向く。
「ネス、言ったろ、そんな顔すんなって、俺は全力で協力させてもらうつもりだって、どんな事でもな」
「廻…本当に…ありがとう」
ネスの顔には既に笑顔が戻っていた。
「よかったわね、ネス、廻くんがいい人で!廻くん!私からも言っておくよ、ありがとう、君みたいな人がまだこの世の中にいるなんてね、世界は広いよ」
「そ、そうですか?」
はは、そこまで言われると照れるぜ。
「そりゃそうさ!だって世界を一度滅ぼした魔女相手に喧嘩をかってやるって言うんだからさ!」
「へ…?」
「僕もそれで断られるかと思ったんだけど心配なかった見たい!滅びの魔女相手に戦う勇気…本当に廻に助けを求めてよかったよ…」
「あ…あ…」
滅びの魔女…?随分物騒な名前ですねぇ…いやぁ本当に、この異世界召喚、初っぱなナイトメアモードとか。
俺…この世界で後何日生き残れるのでしょうか。
もう、心配しかありません。