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規格外な魔力量で異世界成り上がり!  作者: あだち りる
第三章「固有魔術(オリジナル)!」
22/31

22「宝の持ち腐れ!」

「なにこれ…。

僕が何度も実験した時は一度もこんな文字…それに、この測定機は魔力量五万までは耐えられる…廻、もう一回試してみて!」


ネスは突然と語り出し、俺に言葉を投げる。


「わ、わかった…」


俺は咄嗟に言われて、手を再び翳す。

だが、何度も何度も試したが、測定不能としか出なかった。


「これってどゆこと?」


俺は苦笑いを浮かべて、ネスに訪ねる。

ネスは、額に汗を流して、驚愕の顔をする。


「考えられるのは一つだけだ。

廻の魔力量は…五万を越えてる」


「「ッ!?」」


俺とガブは驚きを隠せない。

え?マジで?何でそんなに魔力あんの?

確かに前々から、いくら魔術を放っても全然疲れないとは思ってたけど…もしかしてこれが俺の主人公補正!?


「ん…?」


俺はとある事に気づいた。

ロクに魔力のコントロールが出来ない俺にこの魔力量って…宝の持ち腐れじゃね?


「その顔、廻自分で気付いてる?」


ネスは苦笑いを浮かべてこちらに視線を向けた。

やめて、そんな可哀相な子を見る目で見ないで…。


「廻…」


ガブまでそんな哀れみの目を向けないで。

もう俺の体力はゼロよ。


俺はこの魔力測定器に、とてつもないメンタルブレイクをされた。

何で俺の異世界召喚ここまで報われないの…?え?何?いじめ?ちゃんと設定作り直した方がいいぞマジで。

だって、考えてみてくれ?

俺を召喚した美少女も、魔術も、最強設定も、無双展開も、ないだぜ!?

あぁマジでキツい…泣きたくなってきた。

そんな文句を垂れつつ、俺は剣術の稽古へと向かった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

「アハハハ!何それ!アハハハ!あぁやばい…お腹いたい…!プッ…!アハハハ!」


ルナにあの事を話したら大笑いされた。

クッソ…殴りてぇ…。

俺はとぼとぼと歩き、庭の木の下に体育座りをする。

ルナは一息ついた所で、俺がショボンと体育座りしてる横に座る。


「こんな惨めな穀潰しに何か用ですか?」


「な、なんでそんなに卑屈になってるのよ…まぁ魔力のコントロール何かその内出来るようになるって、あのネスでも魔力を完全にコントロール出来るようになるまでに一年かかってるんだから」


「え?ネスが?」


俺は驚き、つい顔を上げる。

すると、ルナは、空を仰いで、微笑みながら語る。


「そう、ネスは昔、まったく魔術が出来なかった。

けど、とある事を切っ掛けに、ネスは強くなろうと、努力したの。

その努力が実ってネスは今十二歳にして国級魔術師、私は凄いと思ったわ。

もう充分だとも思った、けどネスはまだ上を目指してる。

上を目指してるから、努力をしたから、今のネスが前を向いて歩ける。

だから廻もきっと、努力して、前を向けば、魔力コントロールなんかちょちょいのちょいだよ!」


ルナは、指を跳ねてジェスチャーする。

クッソ…メイド美少女の励ましはかなりキュンと来るなぁもう!けど!


俺は立ち上がる。


「ありがとうルナ!

めちゃくちゃ元気沸いてきた!

それじゃ剣術の稽古を始めよう!」


「どういたしまして!」


ルナは満面の笑みをこちらに向けた後、付け加えて「今日は手加減なして行こうかしら?」と、ニヤリと笑いながら呟いていた。


俺は木剣を腰の所にしまい、頭を深く下げる。


「勘弁してください」


結局、ボコボコにされた。

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