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規格外な魔力量で異世界成り上がり!  作者: あだち りる
第二章「滅びの魔女さんと!」
20/31

20「最高の朝って奴!」

そんな俺の勘違いは置いといて、と。

俺は、ガブに近付きガブの頭の上に左手をポン、と乗せる。


「なぁガブ」


「はい…」


廻が優しく微笑むと、ガブリエルは小さく返事をした。


「確かに、ネスはエリエルさんに酷いことを言った、けどそれはネスも反省してる。

だから許せとは言わない、けどこれから一緒に暮らすんだ。

ずっとその態度で接する訳にもいかないだろ?」


廻は優しくガブリエルに語りかけた。

そしてガブリエルから手をどけて、背中を軽く叩き、さっ!、と廻は一言かける。


「ッ~…ごめん…なさい…」


ガブは下を見詰めながら謝る。

はい、よく出来ました。


「いやその、僕の方こそ本当にごめん」


ネスは頭を下げて謝る。

そんな二人を見て、廻は、パン!、両の手の平を叩く。


「はい!これで過去の事は水に流して、これからは仲良く、だな?」


と、廻が言うと、二人は微笑みながら返事をした。


この日の授業は、色々為になる授業をした。

それは、魔術術師には階級がある。

分けられる階級は五つ。


下級魔術師。

中級魔術師。

上級魔術師。

国級魔術師。

神級魔術師。


この五つだ。

下級と中級に関してはこの世に何千万と越える人数がいる。

そして上級からは、へぇすごいなぁ、程度、数万人くらいはいる。


そしてここから、国級魔術師。

国級魔術師は、この世にいるのは、二桁くらい。

この世にこれだけ魔術師がいてそんだけ。

それ程に国級魔術は覚えるのには困難なのだろう。

固有魔術オリジナルを使える者は、国級魔術師として認められる。

他には国級魔術を使えれば認められる。

だが、国級魔術を習得するのに必要な時間は、数十年と言われている。

ちなみにネスは国級魔術師に当たるらしい。

いや本当にすごいな家の先生は。


そして神級魔術師。

これは世界にたった四人しか存在しない。

これを『四代神』と呼ぶらしい。

この四人はもはや神の領域に足を踏み入れた者達として、称えられている。

だが、この四人が実際に存在するのかはネスも知らないらしい。

もしかしたらおとぎ話なのではないか?とまで言われている。


ん~…一度お目にかかりたい物だ。

ちなみに俺はまだ下級未満らしい…何て遠い道程なんだよ。

まぁだからって諦めて、努力をしない理由にはならないけどな。


そして、そんなこんなで今日の授業は終了。


「今日も一日お疲れ様ー!!俺!」


と言いながら俺はベッドにダイブ。

いや本当に疲れましたよ…インドア系の俺にはキツすぎ…まぁすんげぇ楽しいんだけどさ。

異世界召喚された主人公は元の世界に戻りたがるけど、こんなに楽しいのによくそんな事を思うよな。

俺なんて、微塵も思いやしねぇや。


「く~!異世界最高ー!」


その言葉を最後に俺は寝たのだった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

朝、廻の部屋にて。


「め…り…くん」


廻は微かに響く声に少し意識が戻る。


「…ぐりくん」


引っ付いていた目を細く開けると、ボンヤリと黒い髪をした女性の姿が見える。


「だ…れ…?」


「廻くん!もう何寝惚けてるの!

朝だよー!ほら、早く起きて!」


俺はその声と共に、歪んでいた視界がはっきりと写る。

そこにいたのは「なっ!?」メイド服を着たエリエルさんだった。


「今日も一日頑張る時間だよ?廻君!」


エリエルは廻に満面の笑みを向けた。

あぁ…この素晴らしい異世界と笑顔に…いや、何でもない。

さぁ!今日も異世界楽しむぞー!


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

ネスは朝から一人、部屋で考え事をしていた。

一枚の紙を、じーっと見詰める。


「二人をここに…いや、やっぱりまだ早いかな」


ネスは一枚の白い紙を引き出しに閉まったのだった。

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