17「魔女様とお話し!」
魔術の訓練終了。
それじゃあ昼飯休憩かな。
てか魔術って、想像とは言っても一度コツを掴んだら想像も感覚で出来てしまうんだなぁ。
まぁ…初歩の魔術だけだけど。
と、俺がそんな事を考えながら、奥の部屋に向かっていると、その途中の客間に、エリエルさんの姿があった。
おぉ…紅茶を飲む姿もお美しい。
これぞ、大人の女性と言うことか、これは目を奪われるな。
廻がじ~っとエリエルに視線を向けていると、紅茶に口をつけようとしたエリエルが廻に気づく。
「あ、廻さん、こんにちわ」
うっ…この笑顔は眩しすぎる。
俺は、その神々しい笑顔に負けずと、挨拶を返す。
「こんにちわエリエルさん!
後、さんはいらないですよ?」
「そう?じゃあ廻くん。
廻くんも、敬語はいらないよ?」
と、優しい言葉を俺にかけてくれるエリエルさん。
「いや流石にそれは!
それにこっちの方が接しやすいですし」
「廻くんがいいならいいけど…。
ねぇ、廻くん、少しお話し、しない?」
「お話し?」
「そう、お話し!」
廻はエリエルに言われるがまま、席に座る。
そして、エリエルが注いだ紅茶を廻は飲む。
「それで話って?」
俺は紅茶を置き、本題へと。
「えっと、改めてお礼を言わせて欲しいの…昨日は、本当にありがとう。
廻くんのお陰で私とガブリエルはここに住む事を許可して貰えた」
エリエルは持った紅茶を見詰めながら、その紅茶を軽く回す。
その笑顔は、とても穏やかだった。
そんな、エリエルの言葉を聞いて、廻は頬を染め、頭をかく。
「えっと…あれはただ俺がカッとなってやっちゃった事なんでそんな感謝されるような事じゃ…」
「うんうん」
エリエルは首を横にふり、紅茶を置いて胸に手を置き、言葉を続ける。
「それでも、私は、廻くんに感謝してる。
廻くんのあの言葉に、行動に、私は勇気が貰えた。
この世界にはまだ私の存在を許してくれる人がいる。
こんなにも優しい人がいる。
それを知った瞬間、私は涙が止まらなかった。
そんな廻くんに、私は感謝しかないの」
その言葉に、俺は何も返せなかった。
ただただ、俺はエリエルさんと目を合わせてた。
俺はなんて、答えればいいのだろう。
ありがとう、感激、どれも違うと思う。
今並べるべき言葉は謙遜でもない。
なら、俺が言える事は一つじゃないか。
廻は、息を飲んで答える。
「…俺は…エリエルさんの事が好きですよ?」
「へ!?」
エリエルの顔が一気に真っ赤になる。
「最初見たとき、俺は死ぬかと思ったけど、その後のエリエルさんの言葉を聞いて俺は思ったんです。
あぁ、この人は優しい人なんだな…って。
自分の為にじゃない、自分の子供の為に…
何て言うか優しいお姉さん、って感じがして好きですよ、俺は!」
「あ、あぁ……ありがと」
エリエルは何かホッとしたかのように息をついた。
「そろそろお昼御飯が出来上がる頃ですね、行きましょう」
「そうだね」
エリエルと廻は飲み干しは紅茶を片付けて、そのまま奥の部屋へと向かった。