14「お師匠様!」
「ここに姫様が?」
と、エリエルが俺等に訪ねる。
「えぇ」
ネスは額に汗をたらしながら答える。
今の状況を説明しよう、俺等は結局戦わなかった。
そして、俺達が剣を構えて待っていた理由を滅びの魔女ことエリエルに説明すると「とほほ…本当にこの名前にいいことってありませんね…まぁ自業自得ではあるのですが」と、苦笑いを浮かべる。
やはり、ただのいい人であった。
俺はエリエルの人柄を見ている内に既に硬直はとけ、穏やかに気持ちになっていた。
それに加え、隣にいる超絶美少女ガブリエルちゃんもいる事で俺の頬は緩みきっていた。
そして、ネスとルナも、事情を理解したのか、エリエルとガブリエルを城へと案内した。
だが、二人の緊張と警戒は未だにとけていない様に見える。
まぁ、世界を一度滅ぼした魔女が目の前にいればこうなるか。
むしろ俺がおかしいのか。
んでまぁ、姫様の所まで案内したと言う訳だ。
「これは、結界が貼られてますね」
「やはり…」
エリエルは、扉をじっと見て答える。
ネスは顎に手を持ってくる。
やはり、と言う事はネスは気付いていたらしい。
さすが大魔術師ネス先生だな、感心するばっかりですわ。
ん…?てかなら何で…?
「なぁ、結界が貼られてるってわかるなら何でその結界を壊さないんだ?
ネス程の魔術師なら簡単だろ」
廻は思った疑問をそのまま言葉にする。
そんな、廻の言葉を受け取り、苦笑いを浮かべてネスは答える。
「そうしたいのは山々何だけどね…。
この結界、かなり高度な詠唱を組まれている。
何重にもね、ここまで来ると、流石にお手上げだよ」
「ネスでも無理なのか…」
廻は驚愕を隠せない。
となると、残された可能性はエリエルのみ。
滅びの魔女、と言う異名が付いた程の人物だ。
きっとこの結界も壊せるであろう。
「姫様も腕を上げたものですね」
エリエルは、フフ、っと笑みを浮かべる。
「どういう事ですか?」
その台詞に疑問を持ったのかネスはエリエルに尋ねる。
「あぁ…えっと、そもそも姫様に魔術を教えたのは私なんですよ」
「「ッ!?」」
ネスとルナは面食らっている。
なるほど、それならネスが壊せない理由も納得出来る。
つまりこの姫様はただのヒキコモリ何かではなく、滅びの魔女事エリエル、恐らくは、この世で最も優れている魔術師の一番弟子、と言う訳だ。
「たぶん、この結界は私を試す為の物でしょう。
久し振りの再会ですからね、こう言ったサプライズは姫様らしいです」
懐かしそうにエリエルは語る。
だが、俺ら三人の疑問はまだ消えない。
そもそも、姫様と魔女様は一体何処で知り合ったのだ?
だが、そんな疑問はおいてけぼりをくらい、エリエルが詠唱を始める。
「《我、この身に宿し精霊に告ぐ、我は望み訴える、この聖なる守り手を崩し、さすれば新なる道が開かれん、その守り手を一とする、二とする、三とする、幾たびへと守り続けていたその盾を、この光の矢で崩す》」
エリエルがそう唱えると、その開かずの間の扉から、いくつもの魔方陣が解き放たれ、パリン!、と音を鳴らして崩れた。
すると、扉が、ギギ…と言う擬音と共にゆっくりと開かれた。
その瞬間だった。
「お師匠様ー!!!!」
扉の向こうからいきなり表れたその少女は、エリエルに飛び付いた。
「ひ、姫様!?」
エリエルはあたふたと慌てている。
「その呼び方はやめてよー!
私の名前は、アイリス、何度も言ってるのに!」
「す、すみません…もう昔の事だったので」
「敬語も禁止ー!」
アイリスと名乗る少女はエリエルに抱き付き、エリエルの胸に顔をすりすりと押し付ける。
その度に何度も揺れるエリエルの胸はなんとも…その、最高です。
そして…とうとう見れた…姫様のその姿を!
素晴らしい!素晴らしすぎる!
ゆるふわな金色の髪の毛!
そしてその身に纏った輝かしい白いドレス!
フリルとそのリボンの多さが更に可愛いさを、アップしている!
年は見た目で言えば中学一年生くらいって所か!
ロリッ子姫様…可愛くて神々しくて、もう見てられないぜ。
廻は止まらなくなっていた。
読んでくださりありがとうございます!
姫様やっと出せたぁ…なんか長かったぁ…。
いやまぁ、これからの事を考えると、書きたい所や進ませたい展開があるのですが…長くなりそうですw
ではまたお会いしましょう!