1「突然異世界!」
なんで俺には何のイベントも降ってこないんだ。
ふとそう思うのはオタクの運命なのだろうか。
今俺がいるこの世界には正直言って何もない、てかなさすぎる。
もっとイベントがあっても良いのではないか?
「はぁ…」
一つ俺はため息をつく。
このなんもない世界で、ため息をつきながら生きている。
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皆には願い事とかはあるか?
いやてかあるか、ない人間なんていないよな。
ちなみに俺の願い事はというとだ。
それは、最高のイベント、だ。
何言ってんだこいつ?と思うかも知れないがまぁ聞いてくれ。
最高のイベント、すなわち最高の非日常だ。
例えば、超絶可愛い女の子が俺にベッタリとくっついてくる。
だがその子は実は宇宙人で地球に婿を探しに来ててその婿候補が俺で…
とか、急にモテモテになりラノベ主人公張りのハ-レム展開になったり。
とかな。
こう言うのが俺の求める、最高のイベント、と言ううやつだ。
おっと、俺の自己紹介が遅れたな。
俺の名前は、加藤 廻。
オタクな高校一年生の男子だ。
そして俺が今何をしてるかというと。
「……」
自家発電のためオカズ探し中である。
かなりオブラートに包めた気がする。
ひいてる…?正直ひいてますよね…ですよね。
仕方ないじゃん!!だって健全な男の子ですもん!!
と、廻は言い訳をする。
別に誰がいるわけでもないのに。
そして、廻は自家発電を終えてパソコンにベッタリだった。
「最近のアニメ制作会社たるんでるだろ…てか手抜いてんだろ…」
と、廻は何故か自分が作ってる訳でも、作れる訳でもないのに上から目線である。
いるよね、こう言う文句だけ偉そうに垂れ流す奴。
「ん?」
廻の目はパソコンの画面右下へと向かった。
「もう深夜の三時かよ…俺が自家発電始めたの十一時だぞ…」
ん?てか待てよ…てことは俺三時間以上エロ動画見てたってことか…?
「やべぇな、エロの力」
などといらん関心していた、そして明日は月曜日、あ、明日じゃなく今日か。
なので昨日見たいにパ-リナイは出来ないのだ。
そして俺はお気に入りのキャラクターの抱き枕を抱き、ジャ-ジのまま眠りについたのだった。
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「おい!!まだ酒が来てねぇぞ!?」
と言うおっさんの声が下から聞こえた。
てかそのくそうるせぇ声に目が覚めた。
「んだよ…こんな朝からどんな客人招いたんだよ…」
俺は寝ぼけながらそのくそうるせぇ客に文句を言うため下へと降りた。
階段がギシギシと音を立てる。
「…?」
いつもは鳴らない音に違和感を覚える。
だが、俺は気にせずにそのまま階段を降りその客人に説教してやろうと、その瞬間だった。
「…ふぁ…?」
そこには見知らぬ客人で溢れ返っていた。
て言うか知らないやつしかいねぇし、てかここ自体…何処だよ…?
「あ?」
一斉に全員が俺の方に振り向く。
その中には、明らかに人ではない者達もいた。
体中が毛で覆われている者、はたまた耳が普通の者とは明らかに違く、長い者。
「て言ううかここ…異世界じゃね!?」
気がつくと俺は、異世界に来ていた。