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夢は誇り

私の夢は

作者: 斑子

過去の話だけどね。

彼にはすごいことを言ってしまったって、反省してる。

今さら訂正することもできないから彼の中でずっとループしてるの。




幼い頃から夢を持っていたの。お花屋さんになる夢。

でもこれは誰に告げることもできなかったし、叶えることも永遠にできなくなってしまった。


夢は誇りだと今でもそう思うくらい、大切なものだと思っているわ。


それでも私が告げることが出来なかったのは、恥ずかしかったから。その夢を抱いた自分が、夢を誇ることが出来なかった自分を。


自分で言っておいてすごく矛盾していると思った。それに彼は絶対にバカになんかしないだろうし、現実では花屋として働いている人もいるんだもの、恐れずに行動するべきだったのよね。


今さらなことだけれども。


もう2年も前のことになるのかしら。

いろんな町に彼を連れ出しては何も買わないで帰ってくる、そんな休日がとっても嬉しかった。花屋の前で必ずと言えるほど足を止めてしまったことに、彼は気付いていたかしら。彼は静かな性格だから穏やかな時間が流れてて気付くと夕方で、いっつも慌てるのは私だけだった。

それも大切な思い出。

彼は何も言わなかった、でもそんな彼は私をよく分かってくれていて、本当に必要な言葉はちゃんとくれるの。

然り気無くね。



私はもう、夢をどうすることもできなくなってしまった。


ホントに突然。


驚く暇もなかったし、彼に別れを告げることも出来なかったの。

がんばって行動しておけばよかったと思ったのは、取り返しのつかない状態になってから。


夢を誇る


私は彼にどうしてこんなことを言ってしまったのかしらね。

涙はもう出ないわ…



今でも彼は私を想ってくれているみたい。すごく嬉しい、けれど、すごく申し訳ないと感じているの。

誰でも構わない、彼を助けてあげて欲しい。

彼には夢じゃなく、現実で、今を生きてほしいから。

でも、私のことを忘れてほしくないと、他の子を好きになってほしくないと思ってしまう私は…


こんな言葉しか今の私には言えそうにないの。2年ってまだまだ時間が足りないものね。


『ありがとう。でも、ごめんなさい。』


もう少ししたらきっと…必ず…別れを告げることができるから。

未練がましい私をどうか許して。


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