てきとーに返事するのは変?
二日目の学校は、昨日の光景とそう変わらなかった。日をまたぐと慣れらしき感情がフィルターをかけてくれて、もうなにもコワくない状態だった。
学校に早く着いたから、生徒達におはようございますの一斉掃射をされたので、ふーんと受け流した。慣れってすごいね。
午前の授業では先生が幸せそうで、紗夜果も楽しそうにしていた。臆病なおともでさえ、声のボリュームが若干上がっていた。ようやく世界平和を実感することができて、自然と笑みがこぼれてしまうのだろう。
わたしもそんな平和を噛み締めていたいけど、催眠をかけている事実を思い出し、いつ解けるか分からないという不安感に浸食されていった。
そうなると細かい所が気になってしまう。
みんな人間味がないんだよ!
この国にはないが、外国にある軍隊に見られるような、ルールを忠実に守らなければならないような雰囲気が充満している。空気を読まなくたって見えちゃう。
これは、全員の良心がフルに働いた結果だ。生徒手帳に書かれていなくたって、同学年の仲間に挨拶したり、真面目に授業に臨んだりするのは当たり前のこと。休み時間に談笑したり、授業の質問をしたりすることも。
学校の常識に基づいて生活しているだけなのだ。
共通の常識を入れこむ学校が、ロボット工場に見えてしまう。
その工場で一日過ごすと思うと、またまた違和感が増えてしまう。
「咲蘭さん」
「なんですか」
「先ほどの化学反応ですけど、分かりましたか?」
「全然」
「そうですか。高校に入ってから難しくなりましたよね」
「そうですね」
「教科書も分厚くなって」
「そうですね」
「持ってくるのも大変ですよね」
「そーですね」
いきなりわたしに話しかけてきた水色の女子とのやり取りだ。
無難な会話に終始し、休み時間が終わる五分前、満足げに戻って行った。
わたしは適当に相づちを打ち、相手もそれで会話を進める。会話をしている事実さえあればいいのかよ。
他にも、授業で挙手をする場面であれば全員挙手するという場面があった。
ついこの前までワイワイやってた生徒達に、勉強の基礎が身に付いている訳もなく。
どの生徒も当てられてほとんど答えられず、とにかく積極的な態度を見せられればいいという調子だ。先生はやる気満々だが、わたしからしてみれば馬の耳に念仏。
世界の真理に気付き、孤独な立場にいるかのような気分だ。ぼっち。
知ってはならない真実を知ってしまったわたしは、星が生み出したクリーチャーに命を狙われるかもしれないので、引きこもりたい。
それで結局、ぜんぶ元通りにした方がいいんじゃないかという結論に。
このままだと通学じゃなくて、工場通いだ。
やっぱり家で自習するのが一番平和かも。
ここまできて申し訳ないけど、帰ったら兄に言ってみよう。
「咲蘭さん」
終礼を済ませ、帰る準備をしているときに。
「咲蘭さんの歓迎パーティーを開きますよ」
クラス全員がわたしの席に集まってくる。
そういえば昨日そんな話をしていたな、めんどくさいな。
「山上下さんの屋敷で開くことになりましたから、これから皆さんでお邪魔しましょう」
その山上下さんとやらが、人ごみの中から出現する。真っ赤っかに染められた頭髪を後ろに束ねた、若干勝ち気な顔の女子生徒Θ。制服の状態が他と比べて比較的まともで、野生なボスザルというより組長の称号が似合う。
わたしの隣の席にいる人だった。昨日わたしに注意してきた人だ。
この人はわたしと一緒の小学校に通っていた。このクラスの人はほとんどそうだけど。
知らない間に変化して誰だか分からなくなっていたので、名前を聞いてあーあの人かと思い出した。
山上下さんの変化前は武道にいそしむ活発な子だった。
彼女の家が経営する会社はこの国の生まれで、国内の小売業でトップに君臨している。外国進出はしていないが。
その国産企業の嗜みとして、武道をやらされるのらしい。
山上下さんは武道の空気を吸って育ったせいで、物腰は洗練されてスキがない。わたしは昔から近寄りがたい人だと決めつけていた。
あなた、地毛は真っ黒じゃん。昔は黒だったじゃん。
「咲蘭さん、本日はよろしく願いします」
「はあ」
丁寧にお辞儀をする姿は活発さの面影を残してくれない。
武道の達人であるこの人、今叩いたら簡単に当たるんじゃないか。
「それでは皆様、参りましょう」
山上下さんがわたしの手を取ると、他大勢が一斉に動き始めた。わたしと山上下さんを巻き込んで、団体は教室を出ようとする。その中のわたしは、密度が高くて逃げられない。
一部始終を見ていた紗夜果も巻き込みたい。
「紗夜果ー」
「あたしは行かないわ。じゃね」
どこまでもマイペースだから、そういうことがあるのだ。
遠くで関係ないフリをするおともにも声をかけてみる。
「とーもさーん」
目を背けられて、おともへの言葉は後ろの黒板に命中した。
恥ずかしがり屋だから期待してなかったさ。
わたしを取り込んだ団体様は構わず進んで、教室から出てしまった。他に助けてくれる人はいないだろうし、どうしよう。
一人でこの状況をやり過ごすのは、かなり疲れそう。帰りたい。
切実な願いは群衆に吸収されてどこにも届かず、怒濤の羊のごとく下駄箱、おそと、校門と次々通り抜ける。山上下さんに手を握られ、エスコートという名の束縛をされているので、わたしの単独逃走は絶望的。帰りたいよー。
学校の敷地から出て、道路の端に隊列を組む私達は、異常集団のようだ。交通ルールをしっかり守って、歩道の左側通行を実行している。これで向こうからくる人も安心だね。
車は使わないのか疑問に思っていると、和風な塀に囲まれる屋敷の敷地に突入した。歩いて三分程度、学校の向かい側にある屋敷。
ドッシリ構える門を抜けると、緑が散らばる神秘的な庭園が視界いっぱいに広がる。その奥には一階建ての、どこまでも広がっていそうな和家屋。
横を見ると、そんな安らぎの空間には不釣り合いな、自己主張の激しい洋風な建物を発見した。高さは和風家屋の二倍程ありそうだが、ああいうのは二階建てではなくて、天井が高いだけだろう。ウチの朝食部屋みたいな。
継ぎ目が見えない白い石の外壁に、過剰に施された金色の飾り。石畳に浮く飛び石からつながっている、ファンタジックな玄関ドアは、奈良時代に早くも文明開化が始まったようだ。
お願いだから帰らせて。
願いは不思議な力にかき消され、私を乗せた集団は庭園を突っ切って迷わずそこに向かい、ロマン溢れるパーティー会場と対面した。そこはまさにパーティーをするためのホールで、雑に言うと豪華な体育館。
等間隔に置かれた丸テーブルには、美味しそうに光る料理が乗っかっている。
大理石の床、真っ白なテーブルクロス、料理の赤、緑、黄色、……。しつこ過ぎず、地味過ぎない彩りを見ると、この人たちの目に悪い荒れようは嘘みたいだ。
まあ準備したのは隅の方に見える山上下さんの家の使用人だろうし、まともな人のハズ。
クラスの人たちがホールの中に散らばり、山上下さんとそれに引っ張られるわたしがホールの真ん中に着いた辺りで。
「さあそれでは咲蘭さん復帰歓迎パーティーを開催致しましょう。山上下さん、代表として開会の音頭を取ってください」
紗夜果みたいな銀色の髪とは違う、灰色の男子生徒が寄ってきた。
「ん……」
話しかけられた山上下さんは、わたしの手を握ったまま動かない。男子生徒の声が耳に入っていないような、生返事をした。
全く動かないのが、そのまま数秒間続いた後。山上下さんはわたしの手を放した。
「……歓迎パーティー」
散らばっていた生徒達が主催者の話を聞くべく、再度集まって整列する。
「さあ、皆の準備もできていますよ」
「……はあ?」
あれ。
山上下さんはわたしの方に振り返って、集合したクラス全員を見渡す。
それまでの貼り付けた無表情が、人間の作る表情に変化している。
「……なんなんだ」
催眠が解けている!
「なんでそんな大人しいんだよ。歓迎会なんてやるようなヤツらじゃないだろう。何考えてるんだ」
これは素の山上下さんだ。オカネモチらしからぬ口調は、わが校内でも屈指の悪さである。
言葉が通じているのか把握できない生徒達の反応。目が覚めたばかりで、理解できない状況に立たされる山上下さん。次第に目が泳ぎ、息づかいが荒くなる。
「学校に来られなかった咲蘭さんを迎えるのは、クラスとして当たり前のことです」
「頑張った咲蘭さんが、これからも登校を続けられるようにパーティーを開くのは、当然のことではないですか」
「咲蘭さんは高校に入って戸惑っているのです。安心させてあげられるのは、私達クラスメイトだけなのですから」
「山上下さん、ここはそういったことを仰る場ではございません」
「咲蘭さんに楽しい思いをしてもらわなければなりません」
「集団生活をしている事実をどうか忘れないでください」
「理解しましたら開会の音頭をお願いします」
「さあ」
わたしの後ろで矢継ぎ早に繰り出される説教。飛び抜けてしまった人間に常識を刷り込むため、生徒全員が淡々と諭していった。
山上下さんの表情は異様なものを見る目に変わり、一歩一歩後ずさって行く。
わたしも逃げたいよ。
「おかしいだろ、意味ないだろ、オマエらそんなにエラいヤツじゃないだろ!」
無機質な生徒達に向かって、山上下さんは恐怖を紛らわすように叫ぶ。
一方で、集団の意思に背く悪い人間をわたしに見せないようにするためか、生徒達がわたしの後ろから通り抜けて山上下さんを囲もうとする。
山上下さんは迫る人壁から走って逃げ、ホールのステージに上がった。
「こんなの異常だ! 意味が分からない!」
一人の生徒がステージをよじ上る。山上下さんはそれを蹴り落とそうとしたが、直前の所で止めた。攻撃をせずにステージの奥まで下がる。
「ああもう! 使用人、コイツらを外に出してっ!」
山上下家の人間を危険にさらさないようにスタンバイしていたのか、ステージの上手、下手から素早く黒服が現れ、バリケードを形成する。
長くなった人間バリケードは、わたしと山上下さんを阻むように並ぶ生徒達を、大きく包むように移動した。
黒服がレインボー学生達を囲んだ光景を見て、お菓子の詰め合わせみたいだと思った。
黒服達は四十人近くの生徒を包みながら、漏れ出ないように出口に向かって押し出す。テーブルが倒れ、せっかくの料理が床に散らばる。乱暴はおやめください団体から脱しているのはあちらですと、中のお菓子が解説しているが、使用人は正気だからそんなの通じない。
詰め合わせはわたしのいる方向に進んでいて、このままだと巻き込まれて転んでしまう。わたしは一足先に外に出ようとした。
しかし、横からメイド姿の使用人が現れ、お姫様抱っこをされて捕まる。
「お嬢様のご命令なので、しばらくお待ちくださいませ」
わたしがあの仲間ではないことが、山上下さんに見抜かれていた。
帰らせてったらー。兄に言えばすぐなんだから。
身動きが取れず、わたしは山上下さんの前まで運ばれる。メイドがわたしを丁寧に下ろし、ステージをはさんで山上下さんに見下される配置になった。
クラスの人たちはあっという間に追い出されて、ホールに残るのはわたしと山上下さん。一仕事終えた屈強な使用人達は、背景にとけ込んでわたしを見張っている。
異常な集団を追い払った山上下さんは、自分のペースを取り戻したようだ。それまでの恐怖が怒りに変わり、キツイ目でわたしを睨む。
武道を修めた者の視線は真っ直ぐでズレない。少しでも注意をそらせば首に噛み付かれそうで、わたしも身動きが取れない。結果、負の感情を含んだ眼光を、百パーセント受け止めなければならない状態に。
静かな怒りはわたしの中で恐怖に作りかえられ、足が震えて動かなくなってしまった。
「咲蘭世奈」
前に立つ人に全神経を集中していて、周りが見えなくなっているわたし。地面に足がついている感覚を忘れ、フワフワと宇宙空間いるような気分。
真っ暗な空中で、向き合う山吹色と茜色。二人だけしかいない世界だ。
「オマエかあああああ!」
爆発した。
「異常な人間に囲まれて、一人だけ正気。さっきまでアタシもアレの仲間だったんだろ!」
集中は相手に持って行かれているので、音波が無防備なアタマの中に染み渡る。この感覚が催眠なのかな。
「記憶はあるんだ。アンタが昨日学校に来て、アタシの前に座って、そんで今日も同じような一日で。家にいる時と全く違う行動だってのに、オカシイとは思わなかった」
催眠は登校で始まり、帰宅で終了するんだ。丁度今のように。
「でも他のヤツらを見てホントーに目が覚めた。どうかしてる」
記憶の中の出来事とリアルで経験する出来事では、刺激の強さが違う。
催眠中に体験した記憶は、催眠が解けたときには過去の映像だ。実体のない出来事は曖昧なものとして変換し、ああそうかそんなこともあるさと、混乱しないように無理があっても改ざんされるだろう。自分というものを保つよう、無意識につじつま合わせが行われるのだ。
ところが催眠状態でないときに今の学校の雰囲気に飲まれると、つじつま合わせをする時間なんてなく、ありのままの「変」を受け取らなければならない。違和感を覚えれば、それまで曖昧だった記憶も全て「変なもの」と認識するようになって、催眠に気付いてしまうのだろう。
「聞いてんのか!?」
怒鳴り声がどっかに行こうとしていたわたしの意識を矯正する。
「これは、咲蘭家の仕業だろ」
「……うん」
相手の圧力で絞り出されたような返事が空気と一緒にもれ出る。
「もう、疲れた……」
わたしの言葉じゃない。口に出すと厄介事になりやすい、本音というやつだ。
今回はたまたま無害な本音が出たけど。二日間の疲れが言葉になったんだけど。
「だれか、戻して」
兄に言えばすぐだ。さっさと帰って、今の環境がオカシイことを説明して、催眠を解く。明日からは全てが元通りになって、学校は荒れ放題に。
わたしは家で独学だ。将来の夢に一直線で進むことができる。
世間体なんてひっくり返せるくらいの革命を起こしてやるんだ。
「咲蘭家の仕業だけど、これはアンタがやったことじゃないんだろ」
「……はい」
自分のやりたいことをやって、二次的に起こる影響を考えられない兄は、皆が認めるマッドサイエンティストだ。兄のやりたいことが人のためになることだったから、住民は何も言わない。理解しながら、付かず離れず受け入れている。
今回は、わたしが学校に行ける環境をつくることしか見えていないのだ。
アタリハズレのある発明品に、学校側も賭けに出てしまったのだ。
「……手伝ってやるよ」
山上下さんの声が聞こえた。
不機嫌そうに、でも刃の視線は消えていて。
「アンタはただ単に学校に来られればいいんだろう」
ちがうよ。
静かな場所なら、わたしはどこだっていいのだ。今の学校はわたしにとって障害でしかない。二日間でヘトヘトなのに、何年も行ったら病気になるに決まってるじゃん。
「周りが変わりすぎて付いて行けないんだ。小学校時代の面影なんて残っちゃいないからな。アタシも」
紗夜果じゃないから気にしないで過ごすことは無理。殺伐とした雰囲気が、絶えずわたしの精神をガリガリ削ってくる。
「きっとアンタは思い込みで動いているだけだ。話してみれば、ちゃんと会話できるヤツだって大勢いる。素は昔っから変わっていないのだから」
日頃から髪色の話で盛り上がる人と、合う訳がないじゃないか。わたしのこの色は、何をするにも目立って、邪魔なだけなんだから。
でも染めるものか。そんなことをして周りと一緒になりたくない。呆けた顔で馴れ合うアレらにとけ込むなんてどうかしてる。
「アンタと話すのなんて、初めても同然だ。だけどキッチリできてるだろう」
わたしは言葉を絞り出されてるだけだよ。
「アンタがもっと答えてくれれば、もっといい対話に変わるんだ」
もっといい会話というのが髪色能面の話かと思うと、やっぱり萎える。
「あのなあ。そんな冷めた目になるからダメなのだろう。アタシから見たアンタは、一人で過ごすことが多くて、周りに壁を作っていて、特定の人間としか会話しない。差別的なヤツだ」
わたしが悪いと。退化して行く周りから、自分を守り通すわたしが悪いって言うの。
我慢ならない。
とにかく言い返そうとすると、赤髪がステージから飛び降りて、人差し指でわたしの口を塞ぐ。昨日も同じことをされた。
「見た目じゃない。見た目で決めつけると咲蘭さんは一人ぼっちになってしまう。ほとんどの人は、ただ周りに合わせているだけなんだからさ」
いきなり優しい口調になって混乱する。
真っ黒な瞳だけ見ると、悪意なんてこれっぽっちも浮かんでいない。
「まずは、目をつぶってでも、自己紹介だろう」
それまで言いたかったことが空っぽになり、何故か力が抜けた。
・・・・・・・・・・・
「アタシは、山上下夏代。武道をやっていまして、丁寧語を使う場所ではこざいませんで、つい雑な言葉で話してしまいます。丁寧語、苦手なんで、お恥ずかしいばかりでございます?」
「はい。わたしは、さくりゃっ、咲蘭世奈と、もももうします。あまり知り合い以外の人と話したことがなくて、何を話せばいいか……違う。この国の統治者の娘やってますが、どうかお気軽に接してください?」
山上下家使用人に別の場所へ案内してもらった。生徒達を追い出したせいで、食べ物が散らばってしまったホールでは、座って休む場所がない。離れであるホールを後にして、母屋の和室に移動した。
そこで出された軽食をつまみ。
少しして落ち着いたので、自己紹介することになったのだ。
お互いちゃんと自己紹介できているかが不安で、最後はどうしても疑問系。
変なこと言ってないか思い返しながらお願いしますと挨拶するので、なんかパッとしない。
「ええと、トウゲちゃんっていつも言われるんで、ふざけんなくそやろーって思うんだ」
名前を聞いたときから思っていたことだ。山上下。峠。
会う人みんなに言われるのだろう。言わなくてよかった。
「……夏代さんと呼びます」
いちいちヤマウエシタサンと呼んでいると、いつか舌を噛んでしまいそうだ。
「じゃあアタシも、世奈と呼ぶ」
もう一度よろしくお願いしますと挨拶。今度は手応えがあった。
夏代さんのお辞儀は立派だ。親指と人差し指で作った三角形を畳みに置き、伸ばした背筋のまま深くアタマを下げる。お手本のような座礼を見せつけられて、簡単な礼で済ませたわたしは恥ずかしくなった。
自己紹介が終わると、次の話題に移れなくて間が空いてしまう。
ふう。お茶はおいしいねえ。