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新古流の世界

「るろうに剣心」という漫画に出てきた「真古流」ではないので注意。

そしてまた、銀閣寺を本山とする「無雙真古流」という実在の生け花流派があるのでさらなる注意が必要だ!


中国武術話はどうしたかというと、飽きた。

あ、いやいや、今頃になって「ひょっとして南派と北派の話をすべきなのだろうか……いや、ウィキペディア見れば載ってるし……しかし、あの記述にもいくつも注釈が……」とか悩んで次の話がなあ。

 「なんじゃそりゃあ!」と筆者が衝撃を受けて調べて分かった、アメリカのボンクラ黒人達のサブカル的カンフー文化の話とか、どの順番で出したらいいか分からない題材もあってなあ。


 まず最初にいっておくが、「新古流」などという言葉は存在しない。

 筆者の勝手な用語である。


 フィクションではなく実際にある用語として「新宗教」または「新興宗教」という用語がある。(念をおしておくが、本当にある)

 西洋では19世紀以降、日本では江戸後期以降に生まれた宗教のことで、もっと新しく1970年代以降のものを「新新宗教」とする分類もある。


 特に深い考えがあるわけでもないが、筆者のなんとなくな分類で日本の武術の場合にも明治維新後にできた「新古流」と、戦後の小さなブームと再評価から出てきた「新新古流」があると思っているのだ。

 新しい古流って、馬鹿な事を書きやがってと思われると思うが、明治維新後や近年成立した流派なのに、日本刀を持っていることが前提だったり、袴はいているのが前提だったりする流派があるのだ。

 そんでもって、明らかに俺たちは現代武道と違うぜ! という主張なのだ。

 まあ、近年に成立したものは色々と無理とか歪みがあるんだけど(と個人的には思っているんだけど)、今回はその話はしない。

 


 明治維新後の「新古流」の話だ。



 幕末の各種剣術流派の隆盛から、いくつかのシンプルで実戦的な流派の復権、テロの手段としての剣術、西洋の軍制の導入、剣術の衰微、明治維新後の廃刀令、撃剣興行等の見世物への堕落、「体育」としての柔道、とまあ、乱暴に簡単にまとめると剣から銃へ、武術から体育という流れがあり、明治期にいくつもの武術が消えていったのは事実だ。


 ところが、一方でかなりの数の新流派の武術が出現しているのだ。

 明治以降に活版印刷の普及によって世に出た様々な種類の書籍の中や新聞記事を、今でも国会図書館やら一部趣味人用の復刻本で見れるし、頑張って古書店を巡ればまだ資料そのものも見つける事ができる。

 これがまた、そろいもそろって出自が怪しい。

 有名な流派と同時に聞いた事も無いような武術も学んでおり、またそこから新たにミックスし、あるいは全く新しく生み出して新しい流派を立ち上げるのだ。

 今でも形や名前を変え、あるいはそのままの流派名で継続している流派がいくつもあるが、こわいので名前は出さない。


 なんというか、打ち捨てられ、一般にはかえりみられなくなったはずの武術が、気合術やら霊術やら宗教やら大道芸やら近代物理やら大陸浪人やらテロリズムやらと融合やらミックスやら化学反応を起こしまくって、後にも先にもこの時期にしかいなかったような「野良武術家」とでもいうべき人々が出現するのだ。

 

 いくつもの流派の伝書から拝借した、またはどこから流出したのか分からない「秘伝」や「奥義」を持ち、大道芸の口上みたいなインチキくさい心理学を持ち出したり、海外でのぶっそうな人斬り経験を堂々と語り、あるいは右翼的政治活動でとっ捕まって獄中で修練した新流派を立ち上げたりとか。



 その辺で一番有名なのは、もういろんな人が公刊書で書きまくっているので隠す必要も無いから書いちゃうけど、大東流合気柔術であり、合気道であったりする。



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