表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/38

意外なところでカンフー映画の影響を見つけた話

忘れないうちに、以前書くといっておいたことを書いておく。

 筆者はラップ、HIPHOPの音楽的知識は全く無いのだが、とある愛聴しているラジオの番組の中で数回に渡ってきちんとしたジャンルの歴史と、初心者におすすめの曲というのをまとまった形で聴くことが出来た。

 おかげで、オシャレ(笑)で暴力的でダジャレが多くてクドくて歌で口ゲンカをしまくってたり家族や友人に感謝しまくったりする変な音楽、という偏見はかなり解消され、なるほどこれはこれで面白いものであるなあと納得したのであった。


 さて、その中でウータン・クラン(Wu-tang Clan)という様々なスタイルの正体不明なラッパーによって構成された謎のグループ(少なくともデビューからしばらくの間は)の曲を聴いた時に、何か異様に魅かれるものを感じた。

 その時に流れた曲は「wu tang clan aint nuthin to fuck with 」。

 まあ曲についてはyoutubeにオフィシャルのものがあるので適当に探せばよろしい。


 メソッドマン、ゴーストフェイス・キラー、インスペクター・デックといった、耳から入ってくる各メンバーの名前の響きのアタマの悪そうなカッコ良さもあったが、曲の出だしにサンプリングされた「Tiger style......Tiger style!!」という音声が、筆者の心の中の何かに触れまくったのである。




 当初、全く気づかなかったのだが、「wu-tang」というつづりをどっかで見たことあるのだがどこだったっけ? という不思議な想いが湧いてきた。

 なんかyoutubeで検索したことがあるんだが……?


 そう思ってwikipediaを読んだり、wu-tangについて語られている記事を読んだところ、どうもこの「wu-tang」というのが武当山、武当派武術の「武当」の発音から取っていることにようやく気付いた。(ただし、実際の武当のアルファベットのつづりは「wudang」なので注意)

 clanは家族とか一族の意味なので、それって「武当派」ということか!? と思い当たって驚いた。


 よく見ると、youtube上のPVの中で青龍刀っぽいものを振り回したりしてたり、「Tiger style」ってあんたカンフー映画で出てくる「虎形拳」だかなんだかを英語吹替であてている音声をまんまサンプリングしてるんじゃん、と後から理解する。



 実は、アメリカのブラック・カルチャーの中にはカンフー映画がかなり浸透しているようなのである。



 かつてアメリカの映画、特にハリウッドの映画では、黒人は「陽気な黒人」のような、非常に制限された形でしか出てこなかった。

 または、いやに品行方正であったり、映画の主題が人種問題を扱うような、非常に真面目な内容で出てくる。

 これは黒人による人権活動や、それに対する白人層の反発が色々と重なったのが原因の一部であるようだが、キャスティングの中の人種の比率などによって抗議や脅迫を受けやすいため、どうしてもバランスを考えて配置せざるをえなかったようだ。

 (そうしてまた、そのように配慮しなければならないことすらも一種の差別ではないかという議論がある)

 それらの範疇に収まらないものについては、ハリウッド以外のインデペンデンス(独立)系の映画会社の作品であることが多いと思われる。



 が、彼らだってもっとシンプルにやっていきたいわけである。


 もっとこう、黒人が主人公で、白人黒人関係なくスカッとぶちのめす、バイオレンスな映画を観たいと思っているのだ。


 そんなわけでアメリカ黒人には、白人中心のハリウッド的アクション映画を見るぐらいならまだアジア人のカンフー映画の方を観るわ、というかむしろ大好きだわカンフー最高イヤッホウ、というボンクラ層が昔からいっぱいいたらしい。

 彼らにとってアジア人は、白人に比べるとだいぶ共感を感じるのだそうな。


 もちろん現在は黒人の黒人による黒人のための映画も撮影されているらしいが、ある程度の範囲の世代のブラックの人々は、カンフー映画に大変なじみがある。


 いや、実はyoutubeを見るようになってから、たまにオリエンタルとか精神世界とかの白人インテリ層がかぶれそうな部分には一切興味のなさそうなB-boyスタイルのごっつい黒人さんが、何ともいいがたい微妙な太極拳やら八卦掌やら洪家拳を打っている動画を見る事が何度もあって、彼らだったら護身術として武術を習うより銃を手に入れる方がよっぽど手っ取り早いはずなのに、あれって何なんだと思っていたのだ。


 なるほど、あれはある種、筆者なんかと同じような趣味のミーハーでオタクな人たちだったのかと大いに納得した。


 武術は、同じ門派であっても、個人個人の体格の違いによって全体のニュアンスが変わってくるのだが、面白いもので、国や人種でもそういう違いは出てくる。

 これを「風格」というが、例えば中国人から見ると、日本人の太極拳は中国の太極拳とはかなり風格が異なるようだ。

 また、日本の柔道や空手も海外に出て土着化すると、それぞれの国や地域、人種によって変わってくる。


 youtubeなどの世界的な動画サイトで武術の動画をあさると、色々な風格があふれているので見比べてみると面白い。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ