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『黎明の理譚Ⅰ 〜紅竜の誓い〜』

最終エピソード掲載日:2025/12/21

むかし、むかし――
この世界には、まだ夜と朝の区別すらなかった頃があったという。

世界は、灰色の霧に包まれ、
形あるものはすべて、竜たちの息吹から生まれた。

炎は命を与え、
水は流れをつくり、
雷は意志を示し、
風は自由を運び、
光はそのすべてを照らした。

五頭の竜たちは、この地を
「アルネア」と呼び、
それぞれの理(ことわり)を五つの国に託した。

だが――

時が経つにつれ、
人々はその理を

“力”

として奪い合うようになった。

竜の名を掲げて争い、
理を汚し、
やがて、
炎は焼き尽くすための炎となり、
水は涙に変わり、
雷は裁きをもたらし、
風は暴風となり、
光さえも、影を生み出した。

そして、世界は再び混沌に沈んだ。

そのとき、竜たちは眠りについた。

「人の理が、竜の理に届くその日まで」



……それから、
どれほどの年月が経っただろうか。

乾いた風が吹く大地に、
一人の少年が歩いていた。
足元にはひび割れた赤土。
遠くには、

真紅の煙を噴き上げる巨大な山――

焔の国、イグナリア。

少年の名は、リュカ。

彼の背には、
竜の紋章が刻まれた一本の剣と、
古びた絵本が背負われていた。

ページの隅には、
幼い文字でこう記されている。

“五つの竜は、五つの理。
そして、
六つ目の理を持つ者が現れし時、
世界は新たな黎明を迎えるだろう。”

リュカは、剣の柄を握りしめる。
風に焼けたマントの下から、
光を受けて絵本の表紙がわずかに輝いた。

「……始まりは、ここからだ。」

彼の視線の先、赤い陽炎の向こうに、

燃える都――

イグナリアの城壁が揺らめいていた。

炎の国。
竜に選ばれし者が統べる、最初の地。

そして、リュカの

“理を巡る旅”

は、今まさに、その第一歩を

踏み出そうとしていた――。
第1章 焔の国の継承者
第1回 ー紅の街にてー
2025/11/19 21:13
第2回 ー燃える信念ー
2025/11/21 07:04
第2章 焔の剣と竜宝印
第3回 ー焔の剣と竜宝印ー
2025/11/28 07:07
第3章 焔の咆哮
第3回 ー心核と消えぬ焔ー
2025/12/01 13:44
第4章 誓いの炎
第5章 炎に託すもの
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