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XZテクノロジーズセキュリティ部門

惑星Xz 南の島


 全長3mの二足歩行の巨人...パワードワーカー複数機が大蛇の死骸の回収作業にあたっていた...


 パワードワーカーは本来作業用重機という扱いであったが全地形対応モビリティとして高く評価され後に改良と武装を施した軍事仕様が開発された経緯がある...惑星Xzに投入されたパワードワーカーは全て軍事仕様でありそれを操る人員は皆Xzテクノロジーズセキュリティ部門の社員たちであった...彼等の多くは元軍人であり、会社に好待遇で雇われた総帥イーデン・マリウスの私兵のような存在でもあった...


 原住民たちが武装したプライムたちに促され後ろ手に手錠をされ列をなしてどこかに連行されていく...


 島に残った原住民の残存勢力や未知の危険動物を排除するため空中をスターアタッカーが複数機駆けていくのを俺は眺めていた... 俺は本当にここに来てよかったのだろうか?


 鈴木琢磨は元自衛官でありXZテクノロジーズへとスカウトされた経緯を持つ...自衛隊時代からパワードワーカーの操作員でありその経歴が買われての事だった...


 会社の命令でこの島にロケットの発射基地を建設するため、俺たちはこの島に転移装置で送り込まれたのである...本拠点の責任者であるミシュリーヌ・エルランジェは総帥の愛人との噂のある冷徹な女性であった。


 当初の予定では原住民とは友好的な関係を築き基地建設を円滑に進めるはずの計画であったがそんなものは直ぐに吹き飛んだのだ...我々と彼等の文明レベル、技術レベルは隔絶しておりつい先日発生した原住民との戦いは一方的なものとなったのだ...そもそもミシュリーヌは共存など望んでいなく最初から彼等を排除するつもりであったのかもしれない。


 俺はパワードワーカーの中で見た光景が瞼の裏に焼き付いて離れなかった...


 正面から槍や剣などの原始的な武器で突撃を仕掛けてくる原住民たちを3銃身20mmガトリングガンが薙ぎ払ったとき...目の前に地獄が出現したのだ。


 戦闘後、同僚の元アメリカ陸軍所属マイケル・サイモンがミシュリーヌにこれでは虐殺であると抗議したあの時、ミシュリーヌはマイケルの顔を平手打ちした後こう言い放った。


 「私は偉大なる総帥イーデン閣下からこちらの世界での宇宙開発を命じられた責任者なのよ。島の原住民の都合を考えて作戦が出来るわけがないでしょ?」


 「しかしそれでは...」


 「貴方たちもXZのやり方に馴れることね...ここはもうXZテクノロジーズの拠点であり、貴方たちが所属していた米軍や自衛隊のような正規軍とはやり方が違うのよ。」


 「こんなことを続けていればいずれ国家規模の相手と戦争にだって...」


 「その為に高い給料払って雇っているのでしょう?貴方たちはもう軍人ではないのだから...ここでは一般の軍律など通用しないと言う事を理解してもらわなくてはね。」


 あの時、俺はその会話を横で見ているだけしか出来なかったのである...




 

 

 

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