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ネーベル・ガイスト

惑星Xz 帝国と諸国連合国境線付近 諸国連合所属ルーンシュミーデ王国前哨基地


 帝国との国境付近に存在するルーンシュミーデの飛空軍基地にはついこの間まで20機のフォーゲル2型制空機が配備されており対帝国への圧力を期待するものであった...しかしとある事情により基地に配備されていた熟練の飛行士たちとフォーゲルは南方へと配置転換となり、交代としてまだ訓練を終えたばかりの新米の飛行士と旧型のラーベ3型制空機が配備されたのであった。


 ラーベ3型は複葉型制空機であり帝国の竜やフォーゲルに比べて大幅に速度は劣る... 最高速度は300 km/hほどとこれでは帝国の竜に対抗するにはあまりに頼りない性能であった...


 制空機用に小型化された魔道機関改め魔道推進機関はその名の通り機体を推進させることが出来る改良型である...大型飛空機のように推進機関としてプロペラを使用する必要はないが、逆に空中に留まり続けることは出来なくなってしまっている...


 この前哨基地に配備になったばかりのヨハン・リヒト飛行士は本来なら南方基地に配備予定の新米である...南方はおおよそ敵と呼べる勢力など存在しないはずの場所であり友好国であるラパン王国が存在しているくらいの場所であったはずなのであるが...


 なんで自分のような新米が目下諸国連合の最大の仮想敵国である対帝国の前哨基地に配備になるなんて...南方で平和な任務に就くはずがこれでは話が違う。


 同僚のシュテファンと俺は今回の件について魔道通信で愚痴を言い合いながらこの辺りの地形を頭に叩き込む作業を実行していた...


 帝国の国境に侵入しないよう3機のラーベ3型制空機が空を駆ける...向こう側にはこちらの飛行を探知した帝国の竜騎兵たちが遠巻きに警戒している姿が確認できたのである...


 「なあヨハン...俺たちがこの基地に配備された理由知ってるか?」


 「いや...皆目見当つかないよ。...俺達新米の精神を鍛え上げるとかか?」


 「馬鹿、そんな事じゃないぜ。お前知らないのか?今南方の方で我々の制空機が何機か撃墜されたって話を...」


 「撃墜?南方で一体どこがそんな...」


 南方に配備されているラーベが何機か落とされた...それどころかベテランの乗るフォーゲルもやられたらしい...と言う噂は軍内で徐々に広まりつつある話題の一つであった。軍は公式には認めていないようだが今回の配置転換の件を鑑みればもしかしたら...


 「俺の兄貴の知り合いから聞いた話なんだがな...今南方で未確認飛行物体がかなりの頻度で目撃されてるらしいんだ...そいつらは帝国の竜並みに速く、いやそれ以上かもしれないんだと...」


 「その未確認飛行物体...それが我々の制空機をやったっていうのか?」


 「恐らくそうだ...だが誰もあの未確認飛行物体の攻撃を確認できていないらしいんだ...空戦していたと思ったらいつの間にかこちらの制空機がやられていたんだとよ。」


 「そんな馬鹿な...」


 「皆奴らをネーベル・ガイストって呼んでるよ...魔道探知機にも全く映らないらしい。」


 


 

 

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