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きっと、そばに  作者: ミソラ


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23/70

ルノヴァン宮殿①5

 ジョスラン・マルユス・ベルジュラックとその婚約者ラウリーヌ・ゴーチェ。

 お互いに支え合うようにゆっくりと歩みを進める美しい二人。


 しかし、とローランドは目を閉じる。

 

(しかし、あれはだめだ。いくら顔が綺麗であろうと、あのように腕をだらんと垂らして足を引きずっているのは。全体の調和を乱している。それに踊ることもできないのでは飾りにならないではないか。惜しいことだが、あの男はいらぬ。)

 

 いくら過去のことがあっても、そんなものは国王たる自分にはなんの関係もない。

 たが……どこで見つけたのか、あの清らかな黄金の妖精のような少女。まだ慣れていない風なのに琥珀の瞳には力があり、宮廷の女とは違った光を持った少女。


 欲しい。

 

(どこに飾るか考えるだけでも楽しいな……。)


 ローランドは宝石が埋め込まれた黄金のゴブレットを目の高さまで掲げ、眺めた。


 一方、妹のアンジェルも美しいものが好きだが、指向が違っていてローランドには理解できない。

 それはお互い様なのだが。


「……アンジェル、私はね、あの土地も欲しいのだ。その昔、王家に忠誠を誓ったベルジュラックに与え、発展し栄えたあの土地だ。……中立の立場を守り傷つくことなく富を生み出している。それにベルジュラックは貿易で得た財産も隠し持っているという。その全てが欲しいのだよ。」


 ローランドは目を細めて遠くを見る。

 かつてローランドと王弟であった叔父の間に起きた権力闘争は宮廷を二つに分け、生きるか死ぬかの争いに陥った。

 その争いは市民生活も巻き込み、王都は戦場となったのだ。

 

 それなのに王家に連なる立場であるベルジュラック及び南部の貴族たちは中立を決め込み平和を享受した。

 

 あの土地は自分の祖先がベルジュラックに与えたものだ。いかにジョスランが自分の命の恩人としても、裏切り者から返してもらってなにが悪かろう。

 どうせいらぬ男なのだ。全てを頂こう。

 

「そうですわね、わたくしの輿入れにもお金がかかりますし。よいのではありませんか。」


 アンジェルはワインを飲み干し、立ち上がった。

「では何もかも失ったジョスランはわたくしがいただきますわね?」


 ローランドは目を細めて微笑んだ。

(よほど気に入ったと見える。)

 

「ほどほどにしておけよ、アンジェル。」


 兄から許可が降りたアンジェルも満足そうに微笑んで部屋を出て行った。

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