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天才様の唯物論  作者: 上海X
夏之御霊と■■遊戯
81/116

77.5時限目 余談

「――――ふぅ」


 一人静まった校長室で、改めて集められたデータを見る。

 葛星夜の参加したゲームと、不可視の化け物。

 世羅賽花及び母親の死亡と、死亡時期。


 警察の調べでは死因は母親は娘による絞殺。娘は包丁での自死で間違いないらしい。

 葬儀も執り行われ、近いうちに報道されるだろう。

 こちらも始業式までに対処をしておかなければならない。


「にしても、まさか化け物の正体が世羅賽花だったとはねぇ……」


 葛星夜からの供述によると、化け物の容姿は世羅賽花にそっくりだったらしい。

 これは恐らく、世羅の父親の仕業という線が濃厚になった。

 世羅の父親は今回のゲームのプログラムチームの一端を任されており、サンプルデータの一部として彼女に似せたモデルを制作していたそうだ。


 娘好きが祟ったか、メリーさんを題材にしたせいか。

 真相は本人に訊かねばわかるまい。


 ただ、あくまでそれはサンプルのモデルに過ぎなかったのだ。


 通常の参加者であるならば、各個人がモデルとされたプレイヤーが反映される。


 ではなぜサンプル(世羅賽花)モデルが使われていたのか。



 考えられる仮説は二つ。


 一つはたまたま世羅賽花がプレイヤーとして参加していたという仮説。

 世羅が使っているならばサンプルデータを使用できるよう誤って設定されていたのかもしれない。それならば黒く剥がれたり、観客に映らないというのも納得できる。


 そして、二つ目。考えたくもない仮説。

 それは――――サンプルデータを使った別の誰か。

 サンプルデータを使うことは通常不可能だ。各個人のデータから作られるモデルを使うのだから。

 つまりは、世羅賽花のアカウントを使って何者かがゲームに参入したかもしれないということ。

 そして、怪しむべきはもう二つある。

 一つは世羅の死亡時期。


 警察の調べでは数日前だと言われている。数日前。そう、数日前ではこのゲームは始まっていないのだ。

 勿論、誰かが使う分にはそれの正当性は保証されている。

 ただしかし、もう一点。

 神藤先生の供述に、不審な点があった。



 それは――――神藤先生が世羅家に立ち入った帰り際に、()()()()が増えていたといういこと。

 父親が出入りしていたという痕跡はない。そして他の誰も、近隣住民の誰も、一切部屋に出入りしていなかったのだ。

 だというのに、誰かの靴が増えていた。


 恐ろしい妄想をするとするならば――――――部屋の人形の数でも、数えてみればいいだろうさ。




「いつの間にか一体、消えている――――――なんてね」


 その人形メリーさんは今どこを歩いているのか、誰を追いかけているのか。

 真相は誰にも分からない。



 いつの間にか







 君の










 後ろに








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