退会──走馬灯──
私はこれで退会者を見送るのを3回目になる
そのうち一人は帰ってきてくれたけど今日も含めて二人は帰ってこない
ある日、その方はいきなり活動報告を書いた
しばらく来てなかったので復活でもするのかと喜んでクリックした
だが綴られていたのは
退会のお知らせだった……
明日あたりに退会するって
理由も何も語らずに
私は理由に触れずに
今までのありがとうと
見送ることをコメントした
その方は私と同じ年代で
私に同じ年代だから仲良くしよう
って初めてメッセージをくれた方で
私の長く複雑な恋バナも聞いてくれて
愚痴も聞いてくれて
勉強の話もして
逆に私が恋バナ聞いて
実ったときには思わず拍手した
キハもガンバ！！って背中押してくれたり
今までのメッセージ履歴は
まだ暖かいメッセージが残っている
名前部分が空白で
今までいた温もりの跡だけ残っている
会話した過去は残っている
ただ存在が消されて白いだけ
名前なんて私の心に残っている
今日はずっとなろうを見てた
君が退会するまでずっと
今逆お気に入りユーザーが
一人減って69になった
ああ旅立ったのかと
消えたのかと思った
思えば顔も
声も知らないのに
メッセージで話しまくったね
ああ君はもう
そのメッセージでさえ
話せないのかな
戻ってこいなんて
私は言いたいけれど
理由も聞きたいけれど
敢えて触れないでおく
君のくれた温もり
ここにまだ残っている
ただ君のなろうでの在処が
消えただけ
それでも私に
くれた灯りの在処
ここに確かに残っていて
これ以上語ると
長くなりすぎて
涙が流れてしまう
帰ってきて
なんて言いたいけど
言わないでおこう
退会する理由なんて
聞きたいけれど
言わないでおこう
だから最後に
君を信じる
いつか会えるといいな
会えなくても君が
くれた灯りはまだまだ
この手一杯残っているんだよ
──今までありがとう！！大好きだよッ！
私が最後に送ったメッセージ
君に届いただろうか……
