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63 メイド隊

 放課後あの後何をするでもなく家に帰った私は、家に帰ってからも何をやるでもなくベッドに転がっていた。


 すると、そこへグループ招待が届いた。

 水無月さんだ。


「はは。神奈川さんと3人のグループ招待してくれたんだ……」


 私の参加を確認したのか、水無月さんがメッセージをなにやら書き込んでいる途中のようだ。


“グループ名なんだけれど、私さっき斎藤くんに連絡して、私もメイドとして雇ってもらうことになったの。だから統制学院キーネン家メイドの会に変更するから”


「は……?」


“ちょ……水無月さんどういうこと?”

“どういうことも何も、私も割の良いバイトを他にも探していただけよ”


「なんだそれ! 私一人犠牲になれば済んだはずなのに……!」


 まだ神奈川さんは今日のバイトが終わっていないらしく、会話に参加してくる様子がない。

 ここで私ががなり散らしたところで意味がない。

 私は水無月さんと二人のグループで書きなぐることにした。


“どういうことなの水無月さん。私一人で十分なのに!”

“そうかしら? 私はそう思わなかったけど”

“なにそれ!?”

“貴方が辛そうだったからよ香月さん”

“だからって……”

“私も斎藤くんのヘイトを引き受けるって言ってるのよ。

 それにもう私、さっき豪徳寺くんからメッセージのお誘いがあったのよ?

 一人も二人も同じだわ……”


「え?! どういうこと!?」


 何故ここで豪徳寺の名前が出てくるのか訳が分からない。

 豪徳寺は守華さんのことを好きになるはずだったのだ。

 それはきっちり防いだ。これで大丈夫。そう思っていたはずだったのに……!


“やっぱりステーキの件で豪徳寺の好感度上げすぎちゃったのかな!?”

“どうかしら、ステーキ単体というよりはシチューも含めて食事が不味かったのかも”

“そんな……! 水無月さんが好感度上げられちゃったら意味ないのに!!”

“大丈夫よ、まだ初手の初手なんだから。

 それに彼、香月さんのメッセージも確保したかったらしいわよ?”


「は!? ちょっと待って! 私、豪徳寺になにかした覚えはないんだけど!?」


 水無月さんがメッセージを続ける。


“私と香月さんとで彼らの好感度を半分こにすればきっと嫌な事態は防げる……。

 私、そんな気がするのよ。だからもうこれ以上、香月さん一人にはさせないから”


「やだなーもう水無月さんカッコいい!」


“さすがは百合ゲー主人公! 私も落とす気なの!? 笑”

“フフフ、どうかしら”


 そんな事を話しながら、夜は更けていった。

 気付けば、夕食を終えて10時過ぎになっていた。

 神奈川さんがグループに私が加わった事に気づいたらしく反応する。


“え!? 水無月さんもメイドやるの!?”

“えぇ、そういうことになったわ”

“なったのー”


 そうして、再び会話に花が咲く。

 私達は3人揃って、統制学院キーネン家メイド隊だ!

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