表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

135/135

135 帰国の日と休み明け

 8月29日金曜日早朝。サウジアラビアからの帰国の日。

 見送りにきてくれたサラちゃん、お母さんのアイシャさんとのお別れをする。

 アイシャさんがアラビア語で何か言う。


「みんな私の娘よ! またいつでもサウジアラビアにいらっしゃいとおっしゃっています」


 とサラちゃんが訳してくれ、みんなでアイシャさんとハグをした。


「サラちゃん! 通訳ほんとにありがとうね!」


 私が言うと、サラちゃんは「いえ……色々なことがありましたけど私も楽しかったです」と微笑んでくれる。


「サラ。留学についてなにか相談があればいつでもメッセージを頂戴。私達のできることであれば力になるわ」

「はい! 水無月さん有難うございます!」


 そして桜屋さんが「ばいばいサラちゃん。来年また統制でね!」と言い、守華さんが「えぇ! 私も待っているわ」と微笑み、天羽さんが「はい! お待ちしています」と締めた。


 サラちゃん、アイシャさんとのお別れを済ませた私達は、来た時と同じようにファーリスさん、アダムさんの車でリヤドの空港へと向かった。


 そして空港の駐車場でアダムさんと水無月さんが二人で英語で何やら会話。

 それを横目にファーリスさんと最期の別れを済ませた。

 ファーリスさんがアラビア語で何か言う。


「父が、誰かがうちの息子のお嫁さんになってくれないか? と笑っています」


 イヴンが訳し、それに私が「ノーサンキュー!」と答えると、皆で笑った。

 どうやら水無月さんの話も終わったらしい。


 そして来た時とは違い、イヴンも一緒の飛行機で日本へ帰る。

 しかも帰りの飛行機はラナ王女の粋なはからいでなんと全員ビジネスクラスに変更された。

 本当はファーストクラスの予定だったらしいが、ファーストクラスはない飛行機だったのだ。


 そうして私達は来た時同様に、ドバイ、上海を経由し日本へと帰ったのだった。




   ∬




 9月1日月曜日。二学期登校初日。

 私は朝、久しぶりにお家に帰ったという瀬尾さんと、いつものように最寄り駅で合流。

 話は声優事務所についてだ。


「瀬尾さんはもう事務所で手続きしたの?」

「はい。つい先日……社長の川森さんともお話できました!」


 瀬尾さんはとても嬉しそうに言う。

 そっか、川森さんのファンなんだったよね。

 そりゃ嬉しいよねぇ。私も前世で声優さんとイベントにて間近で会えるときはそりゃ嬉しかったものだ。


「へぇ……川森さんと? それは羨ましい」

「香月さんもきっとすぐにお会いできますよ! それと……香月さんは養成所どうしますか?

 通いたければ無料で通って良いと言われてるんです」

「うーん私はパスかな。オーディションで取ってくれたってことは別に通わないでも現場でそれなりに通用する演技ができてたってことでしょ? だからいいかなって」

「そうですか……じゃあ私もそうします!」


 そうして話を終えると電車が来たので、私達は統制学院へと向かった。




   ∬




 お昼。久しぶりにカフェテリアメンバー全員が揃う。

 私達は皆に買ってきたお土産を振る舞った。

 マームールと呼ばれるサクサククッキー生地の中にデーツやくるみが入ったアラブ諸国やエジプトでよく食べられるお菓子だ。


「美味しい! 私デーツって始めた食べたー」


 と鈴置さんが感想をくれ、ひつぐちゃんも「美味しいですね」と淡々としている。

 神奈川さんも「うん、日本にはない味だわ」と美味しそうに食べていた。

 瀬尾さんも「あまり食べすぎると太っちゃうのでちょっとだけ!」と少しだけ食べている。


「そんでそんで? みんなサウジアラビアはどうだったのん?」


 と鈴置さんが私達に感想を聞いた。


「とても楽しかったです! 特にPFUなんてまた行ってみたいです」


 天羽さんが微笑みながら言う。


「私も楽しかったわ。キングスタワーでの買い物は最高だったわよ!」


 守華さんがキングスタワーでのショッピングを語る。


「私もキングスタワーに登ったのは景色凄くて感動したよ!」


 私がキングスタワーの感想を述べると、桜屋さんが「それからラナ王女との会食もとても料理がおいしかったわ」とラナ王女との想い出を語る。


「他にも皆に写真を送ったけれど城塞やモスクなども素晴らしかったわよ」


 と水無月さんが観光地のことを言うと、桜屋さんが「水無月さんはそれと……アダムさんと仲良くなったのよね?」と確認してきた。


「なになにアダムさんって誰ー?」


 と鈴置さんがかかさず反応する。


「別に、ただ英語でちょっと話をしていただけよ……」


 水無月さんが無表情でそう言うと、桜屋さんが「またまたー私には分かるわよ。アダムさんは間違いなく水無月さんに惚れてたんだから」と水無月さんにジト目を送る。


「そうかしら……まぁもう会わない人だから」


 と水無月さんが桜屋さんのちょっかいを華麗にスルーする。


「えーなにそれ気になるー。守華さんアダムさんってどんな人ー?」


 鈴置さんがそう食い下がり、守華さんがアダムさんについて説明する。

 そうして休み明けのお昼は過ぎていった。

以上でサウジアラビア編完結となります。

続きは鋭意執筆中! またある程度書き溜めた時に投稿させて頂きます。ご了承下さい!


「面白い」「続きが気になる」と感じていただけたなら、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして頂けますと、とても嬉しいです。


皆様の応援が作品を書くモチベーションとなりますので、是非ご協力をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 一時はどうなる事かと思ったけど、事前に潰せたし本当に頑張ってよかったね! ちょっとゆっくりしたいけど…声優のお仕事も練習も待ってはくれないのだ! [一言] 再開をお待ちしてます
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ