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119 サウジアラビアへ

 8月1日金曜日。早朝。

 ついにサウジアラビアへ留学する日がやってきた。

 家から待ち合わせの泉岳寺駅に行き、そこで皆と合流した。


「やっほ! みんな」

「香月さん! 遅いじゃない皆待っていたのよ」


 守華さんが私を迎える。


「え? そうかなまだ5分前だよ?」

「10分前には皆着いていたのよ」


 水無月さんがそう私に教えてくれた。


「一番海外旅行初心者っぽい水無月さんと香月さんこそ早く来なきゃダメじゃない?」


 桜屋さんが私にジト目を向けてくる。


「それはそうかもだけど、みんな私を一人おいて行っちゃったりしないでしょ?」


 そう聞くと、天羽さんが「それはそうです、大切なお友達ですから!」とふんわり微笑む。


「それはそうとみんな、航空券にパスポートとビザはOK?」


 守華さんが皆に問う。それに各々が「問題なし!」と答える。

 そして私が「イヴンのやつはいないの?」とみんなに聞いた。


「彼は一足先にサウジアラビアへ帰国しているわ。リヤドの空港で私達を出迎えてくれる予定よ」


 水無月さんがそう答える。


「ふーんそうなんだ? 私達と一緒に帰るのかと思ってたよ」

「海外旅行経験者が多そうだから、リヤドまでは大丈夫だと思ったんでしょう。

 さぁ羽田空港へ行きましょう!」


 水無月さんが皆に促し、私達は泉岳寺駅から京急空港線で羽田空港へと向かった。


 羽田でチェックインを済ませスーツケースを預ける。

 次に天羽さんや桜屋さん、守華さんが税関でなにやら手続きをすると出国審査手続きへ、そしてパスポートにスタンプを押して貰い搭乗を待った。


「さぁ搭乗40分前よ。搭乗ゲートへ向かいましょう」


 桜屋さんがみんなを先導し、私達は搭乗口へと向かった。


 そして問題なく機内に乗り込み席に着くと、「わー私、国際線乗るの初めて! 結構簡単だったね」とはしゃいでみる。すると桜屋さんが「私達が居なかったらこうは行かなかったわよ? チェックインで慌てている香月さんが目に浮かぶわ」と私を見て笑った。


「上海まで3時間の旅ですから、各自自由に過ごしましょう!」と天羽さんが微笑み、私達は各自用意してきた文庫本なりタブレットなりを開いた。

 私が用意してきたのはタブレットと携帯ゲーム機の2種類だ。

 無論モバイルバッテリーも持ち込んでいる。

 機内のパーソナルモニターは日本語じゃないからほぼ使えないことを見越した上でだ。


「香月さん携帯ゲーム機を持ってきたのね! 私もそうすれば良かったかも」


 隣の席の守華さんが私を羨ましがる。


「うーんまぁオフラインゲームしかできないけどね!」


 私はこれを見越して、事前に新作ローグライクゲームをダウンロードしてきていた。

 これならば何時間あっても暇を潰せるだろう。


 ローグライクゲームで暇をつぶすこと3時間。途中、ミニサンドイッチな機内食を食べながら、中国の上海へと着いた。

 ここからは二時間待って乗り換えをした。

 そして上海からアラブ首長国連邦のドバイまで10時間と20分の旅だ。

 いつまでもローグライクゲームをするのにも萎えてきていたので、途中お喋りに興じたい気持ちをマナー違反だからとぐっと堪えてお昼寝をすることにした。


 寝て起きて、時刻を確認する。

 もう日本を出て10時間が経とうとしていた。


「守華さん、私ちょっとトイレ行ってくるね!」

「そう、いってらっしゃい。気をつけてね」


 トイレを済ませて座席へと戻ると、本日2回目の機内食となった。

 内容はシーフードドリアにクリームパン。そしてりんごやパイナップルといったフルーツに申し訳程度のサラダが付いている。


「まぁエコノミーだからこんなもんだよね……」と言いながら、機内食を平らげると、再び携帯ゲーム機のスイッチを入れた。


 そうして更に5時間ほどを過ごし、ドバイに着いた。

 日本を出て15時間。既に日本時間では午後11時30分を過ぎている。

 ここドバイでも乗り換えに2時間待ちとなる。

 なにか食べようかという話にもなったが、どうせドバイからリヤド行きの便でも機内食が出る予定なのでそれで済まそうということになった。


 ドバイから2時間のフライト。機内食を食べつつ、サウジアラビアの首都リヤドに降り着いた。時差もあり、現在現地時刻は8月1日の22時25分。日本時間では2日の深夜3時30分過ぎだ。

 ドバイまでの飛行機の中で寝てなかったら今頃ウトウトとしていたに違いない。寝ておいてよかった!


 飛行機を降り入国審査へ。

 パスポートとビザを提示する。

 滞在理由を聞かれ、「フォー、ショートターム、スタディ、アブロード!」と答えると、滞在期間を問われたので「ワン、マンス!」と答える。

 ちなみに全部水無月さんの受け売りだ。

 一応英語を聞き取れたので、私偉いと思っておく。


 そして何やらチケットを出せと言われる。

 チケット? と思い水無月さんに聞くと、「帰りのチケットのことよ」と言われた。


「なるほど!」と言い、帰りのチケットを出すと問題なく入国審査クリアとなった。


 ベルトコンベアーで預けていた荷物を受け取り、関税で天羽さん守華さん、桜屋さんの3人がなにやら手続き。

 そして到着ロビーへと進んだ。


 到着ロビーを出ると、すぐにお手製らしき日本の国旗を掲げたイヴンを発見。

 私達はついに、サウジアラビアの地に降り立った!

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― 新着の感想 ―
[良い点] サウジ上陸! いい席取れる金はあるけど無理するほどの事じゃないしねw
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