【短編】ギャップの凄い2人〜外では敵、家では大好きな幼馴染〜
地の文は、神様ではなく作者視点となっております
短編なので、とっても1日のスピードが速いです。
文がおかしいところもありますが目をつぶっていただけると幸いです。
3月半ば頃。
中学校、3年生の教室は一角だけ喧嘩した声が聞こえる。
給食の時間…
「はぁ?なんで私のだけ、しいたけ多めなのよ!」
「うるせぇ。文句があるなら自分でやれ!」
「あんたバカなの?」
「しいたけが苦手なおこちゃまには言われたくない」
「しね!変態」
「しね!悪女」
罵倒をしながら中指を立てる男女…佐藤俊と藤原藍は、今日も絶賛喧嘩中である。
生徒たちはもう慣れたのか、配膳中の2人をただ見るだけで注意はしない。
わちゃわちゃやってる2人を見て先生が注意する。
「2人とも、仲が良いのはわかるけど配膳中なの忘れてない?」
「「仲良くない!………かぶらせんなよ!(かぶらせないで!)」」
2人同時で反論すると言うなんともベタなことをやっている2人。
周りは、完全にシカトである。
昼休み…
「お前なに、ついてきてんだよ!」
「あんたこそ、私の前を歩かないで!」
「お前がついてきてんだろ!」
「あんたでしょ!」
2人は、トイレに向かうだけで喧嘩になる。
喧嘩してるのに廊下の生徒は、暖かい目で見ている。
「お前!」
「あんた!」
「お前!」
「あんた!」
「おれ!」
「わたし!」
「はいっ!ひっかかったー」
「なっ!あんたから言ったんでしょ!」
「バカあほ」
「前回は、私がテストで勝ちました!」
「2点差なんてないも同然ですぅー」
「ムカつく!」
「消えろカス」
「燃えろゴミ」
俊と藍は学年1位と2位である。
毎回順位が変わるから、その度喧嘩になるのだ。
教師は2人を見習え!とよく生徒に言っている。
が…2人ともただ負けず嫌いなだけである。
移動教室…
スタスタスタ…ピタ
スタスタ…ピタ
スタ…ピタ
「私とスピード合わせないで!」
「お前が合わせてんだろ!」
「あらそう、なら私が前歩くからあんたが後ろ歩いて」
「なんでだよ!俺の方が歩幅デカいだろ!俺が前歩く!」
「なんでもいいでしょ!」
「なら前でいいじゃん!」
「ヤダ!」
「なんでもいいんじゃなかったのかよ!」
言い合いをしている2人を止める先生がいないから、代わりに委員長が止めに行く。
「2人とも、ストップストップ。いちゃいちゃしないで」
「「こんな奴としたくない!……なんだと?(なんだって?)」」
「2人の世界に入らないで」
放課後…
俊は藍と昇降口出会った。
「私、委員長と先に帰ってるから、ついてこないでねストーカー」
「へっ!色気もクソもねえお前についていったって何の得もねぇよ」
「ほぉ私に喧嘩を売ったわね?売ったわね?」
「ふっ!胸ぺったんこに言われても…」
「殺す」
「ギャー!やめい!首締めんな!えっ?力強よく…んんっっ!!!っっっ!!!!!!………ガク」
「藍ちゃん佐藤くんもう伸びてるから、それ以上やったら本当に死ぬよ……藍ちゃん!?あいちゃん!?」
「ハッ!私は何を!」
「ようやく目覚めたんだね。あとちょっと遅かったら佐藤くん死んでいたよ」
「ゴホゴホ、ガバっ!?
ううーここは誰?俺はどこ?」
「ここは、佐藤くん。あなたは通学路」
「俺の名前は、通学路!」
佐藤家…
普通なら、俊しか居ないはずの家に藍はいた。
そして…
「俊くん、今日はしねなんて言ってごめんなさい!」
俊に抱きついた。
俊は動揺……などせずに抱きつく藍を撫でていた。
「別にいいよ。俺も藍に強く当たっちゃったから」
「俊くん…」
藍は上目遣いをしながら、うるうると俊を見ている。
俊の目も学校で敵を見るような目から、恋人を見るような目に変わっていた。
すごい変わりようである。
そうこの2人、家の外と中ではギャップがあるのだ。
家の中だと遠慮なく甘えられるのに、外になると人目があるせいか甘えることができなくなる。
その結果…敵対してしまったのである。
彼らはバカなのか?いいや!
大バカである!
外だとツンデレのツンの部分がおかしいのである。
しかし、家の中のデレ度もおかしい。
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外
デレ度…ー200000
ツン度…3000000000000000000
家
デレ度…3000000000000000000
ツン度…ー200000
簡易表…好感度
外… +300京
家…+300京
…何も変わっておらん!
どのみち好感度は300京である
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検索…カンストとは?
佐藤家、俊の部屋…
お年頃の2人がひとつの部屋に親抜きで居ていいのだろうか…
普通ならダメである。
男子が女子のことを襲う確率が高い。
が、佐藤俊と藤原藍の場合は?
答えは、何も起こらない。
幼馴染である2人は、2人だけで部屋に残されることなんて日常である。
むしろ、親が居たほうがめんどくさい。
えっ?ならもう、2人は経験済みなの?
なにせ、好感度300京超えているから…
逆だ。
2人は、お互いを好きすぎるあまりお互いのことを尊重する。
2人とも相手のことを傷つけたくない。
故に、18になるまでそういう事はしないのである。
恐るべき、カンストオーバー…
カンストオーバーになれば、ヤンデレになるんじゃないの?と思う人もいるかもしれない。
しかし、相手が自分のことを大好きだと知っているからヤンデレは進化しない。
逆にだ…
逆に…
「俊くんは、私と同じ高校だよね?」
「ああ。委員長も一緒だぞ」
「むっ!委員長のこと気にするの?」
「いや、俺が好きなのは藍だけだよ」
「ほんとぉ?いま、浮気が多いらしいよー」
ジト目で藍は見つめる。
ヤンデレにはならないといっても、嫉妬ぐらいはする。
「証拠見せてあげようか」
「俊くん?あぁうん、いいよ」
嫉妬さえもイチャイチャする理由になる。俗に言うバカップルだから…
「ん!」
「いや、証拠見せると言ってもいきなりキスはしないよ?」
「えー」
「変な気分にならないためにね」
むーとふくれている藍。
つくづくギャップがすごい2人である。
「俊くん、今日は一緒に寝る?」
「そうだね、明日は早起きする必要ないから」
「俊くん、私と一緒に寝ると気持ち良すぎてついつい長く眠ちゃうって前に言ってたもんね〜」
ニヤニヤしながら藍がいう
「それはお互い様だろ」
2人は毎週金曜日・土曜日に添い寝して寝る。
なぜ毎週金曜・土曜なのかというと、
添い寝すると2人はお互いのぬくもりをなるべく長く感じたいので、ベッドから出て来なくなる。
寝ているときは、丸2日寝ている時もあった。
さすがにお手洗いと食事だけはおこなった…
が、トイレにも相方を引っ張っていったことは言わなくて良いだろう。
土日は、2人でデートに行ってきたらしい。
外なのでたぶん喧嘩になっていそうだけど…
月曜日、1時間目…
実は席が隣の2人。
この日は俊が、教科書を忘れてしまった。
「あー大変不本意ながらも教科書忘れたから、見せてくれない?不本意だけど」
「ふふん!人に物事を頼む時は?」
「土下座をする」
スッと俊は土下座をした。
周りの生徒は!?みたいな顔をしていた。
「な、何してんの!人に物事を頼む時は頭を下げるでしょ!なんで土下座なのよ!」
「こうすれば、お前が土下座をさせた人認定されるから」
「最初から狙っていたですって!?」
ここまで注目を浴びれば先生も当然きづく。
先生は注意しようとして振り向く、
「おーいお前らなに騒いで……おい藤原おまえとうとう土下座させたのか…」
「なっ!先生これは違います!こいつが最初から狙って…」
「うぅー先生助けてください。藤原に土下座を強要されたんです!」
「あ、あんた!勝手に記憶を捏造させないでくれる!?」
「………その件は後で聞くとして授業再開するぞ」
俊は先生の声を聞くと、どや顔で藍を見た。
藍は、ぐぬぬと喉を鳴らすとプイッとそっぽを向いた。
そこで俊は思い出した。
(あれ?結局教科書は?)
…佐藤俊(15)は、とことん馬鹿である。
休み時間…
この休み時間に、藍は科学の道具を科学室に運ぶことをお願いされていた。
藍は、俊といるとき以外では真面目なのでこういうことを先生に言われることが多い。
そこにちょうど俊が通った。
俊も好意の裏返しなので、藍が困っている時は意外と助けたりする。
「おい、その量お前じゃ無理だろ」
「何?嫌味でも言いにきたの?」
「いや、手伝ってやろうと…」
俊は、藍の手から7割程度荷物を取ると化学室を目指す。
後ろでわたわたと俊を追いかける藍。
それから…
「ええっと…ありがとぅ」
ど小さな声でお礼をした。
その光景を見ていた周りは…
「(あら、奥さんあの初々しい感じ…素晴らしいですわね♪)」
「(そうね、あのしれっと助ける感じがいいよね)」
「(なんやかんや言っても、佐藤くんっていつも藤原さんのこと助けるよね)」
「(わかる)」
「(いつも喧嘩しても、意外とお似合いだよね)」
「(美男美女って感じ!)」
「(リア充になったら殺す。絶対殺す。今まで32人をあの世に送ってきたこの腕で…)」
ちょっとだけ危ない声が聞こえたりする周りの声を聞く藍は…
(キャー!俊くんが助けてくれた!こうスッと何気ない感じでかっこいい!)
周りの声なら全然気にしていなかった。
むしろ、俊のことで頭がいっぱいであった。
そんなイケメンな俊くんは…
(眠みぃだりぃ疲れた…あぁ藍を抱き枕にして寝たい…)
下心で頭がいっぱいであった。
体育…
この日は、体育館を真っ二つにして男女で使う日。
男子はバスケ、女子はバレーボール。
「くっ!佐藤に渡すな!パスを切れ!」
「む、無理だ!止められない!」
「スリーポイントを防げぇぇ!」
「ほい」
俊が軽く投げると、ボールはきれいにリングの中を通った。
やめて、俊くん!相手チームのライフはもう0よ!
ピッピピー
21対2
俊チームの圧倒的勝利である。
あぁー相手チームのみなさんご愁傷様でした。
女子はと、言うと…
1人の女子が目立っていた。
もちろん藍である。
その小さい体で、バシバシとスパイクを打っていた。
「藤原さん!ナイススパイク!」
「藤原さん今のどうやったの!?」
藍は、とても注目されていた。
敵からは殺意を、味方からは羨望の目を受けていた。
藍がジャンプするたびに視線が集まる。
残念なことに、着地した時に跳ねるようなものはないが…
それでもきれいなボディラインをしているので、男子達の目を引く。
そんな男子達を見て1人の男子が走った。
言わずとも、俊である。
俊は、1人ずつ男子たちを目潰して回った。
うん。きっと幻覚。
この日の体育の後、保健室へ直行する人が12人ほど出たそうな…
佐藤家…
「俊くん〜今日の体育見てた?凄くなかった私!」
ほめてほめて〜と言う感じに俊に抱きつく藍。
体育の後なの汗をかいているはずだが、俊は…
(やばい!藍の汗、普通にいい匂いする!やばい色々とやばい!)
「あの、藍?汗は気にならないの?」
「汗?俊くんの汗いい匂いするよ〜」
「いや俺じゃなくて自分の方…」
「えっ?私?私汗なんかかいて……」
次の瞬間バッと俊から離れた。
「藍?」
「ごごごめん!私汗臭かったよね!」
「ち、違うぞ!臭くなかったから臭くなかったから!むしろいい匂いだったから!」
言ってから俊は、後悔する。
(今の普通に変態発言じゃね…)
恐る恐ると言う感じで藍の顔を伺う。
藍は顔をほのかに赤らめて、もじもじしている。
「いい匂い… いい匂い…そっかぁならよかったぁ」
安堵した声で言う。
全然引いた様子はなかった。
今度は、俊が安堵する。
(藍に引かれたら、自殺したくなるかもだった…)
全くもっていらぬ心配である。
「引かれなくてよかったよ」
「私が、俊くんに引くわけないでしょ!」
何言ってるの?とでも言いたそうに俊をみる藍。
数年後…
とある大学の教室…
「私の方が好き!」
「いいや!俺だ!」
「私!」
「俺!」
「わ・た・し!」
「お・れ!」
言い合いをしているカップルがいた。
周りは皆、中指を立てている。
………主に俊の方に…
女子は藍を羨ましそうに見つめている。
すると、藍がいきなり…
「なら、勝負!」
「なにで?」
「愛してるよゲーム」
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愛してるよゲームとは…
愛してると言い合い、先に照れた方が負け。
尚、先攻が照れさせてしまったら後攻はそのターンで照れさせることができないと負けになる。
身振り手振りをつけても良い。
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1ターン目…
「私からね!…愛しているわ、俊くん…」
「ゴブ!ガクガハぁ!」
おおっとここで!俊選手が、吹っ飛んだー!
赤面してヨロヨロしています!
フラフラになりながらもギリギリと倒れなかったー!
関係ない周りのクラスメイトも、真っ赤になって赤面しているぅー!
「俊くん…まさか今のを耐えるとはね…」
「なんのこれしきっ!次は俺のターン!」
すると、何を思ったのか俊は藍を壁際まで押しのけ、
壁に手をつけた。
俗に言う…壁ドンである。
いきなり壁ドンされて、藍は目が泳ぎまくっている。
「大好きだ。藍…愛している…」
キャーと黄色い声があがった。
「ウグ!?グフっ!ウググ!ウガガ…!」
真っ赤になりながらもギリギリと耐えている藍。
ニコニコと俊は、満足そうな顔をしている。
すると藍は、壁ドンされている状態のまま、上目遣いで…なおかつ、俊の耳元に口を寄せて…
「だいしゅぅきぃ…」
と小さくささやいたのだ。
さすがの俊も、この不意打ちには勝てなかった…
全身の力が抜け、ヘニャヘニャと倒れ込んでいる。
その様子を藍は見て…
「と、とととととりあえず、この勝負私の勝ちね!」
「いや違う。藍は先攻…そして俺は後攻…つまりチャンスはあと1回!」
倒れていた俊は、立ち上がると藍の手をつかんで…
手の甲にキスをした…
へ?と目を丸くしている藍に
「大好きです。あなたを心の底から愛しています。必ず幸せにします。どうか結婚してください!」
とプロポーズをしたのだ。
シーンと静まり返る教室…
「ふぇ?」
と言う声だけ聞こえたという…
ポイント増えたいです。
増やしてくださいお願いします。
真面目に連載版書くかもしれません。