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歴史探偵 安部晴明(あべ はるあき)  作者: 風猫(ふうにゃん)
第一章 邪馬台国への旅路
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第ニ話 邪馬台国を作った民族とは

「そう言えば、祐子は、邪馬台国九州説派だったよね。」


「あらっ、突然なにを言い出すのかしら。王手出版社の大和書房で、その名も『卑弥呼たんっ』と呼ばれている、あ·た·し·に何か、異論でもあるわけっ。」


(卑弥呼たん? なんで『たん』がつくんだ?これ、絶対に敬意が込められてないよね。)



「あの、俺さぁ。邪馬台国の議論の詳細なんかは知らないけれど、日本人の先祖がどこから来たのか、興味があるんだ。

 祐子なら、ある程度、詳しいことを知っているんだろう?」


「あら、ある程度とは失礼ねぇ。その時代の資料には、詳しく目を通したわ。」


「じゃあさあ、邪馬台国の人達は、皆、入れ墨をしていたはずなんだが、大和朝廷になると、入れ墨をしなくなってるのは、なぜなんだ?」


「それは、大和朝廷が中国を始めとした、対外的に蛮族と見られる外見を憚り、その風習を禁止したからよ。」


「じゃあ、邪馬台国の台与が亡くなってから、大和朝廷が成立までは、どのくらいの期間だったの?」


「266年に、台与が西晋に遣使を派遣しているから、台与が亡くなったとしたら、270年代だと思うわ。大和朝廷が成立したと言われているのが、350年頃だから、長くても80年程かしら。」


「昔の人は、寿命が短かったとは言え、長生きする人もいなかった訳じゃないだろう。

 80年前と言えば、お爺さんが生きていた時代じゃないか。その時代の風習が、そんなに簡単に消せるものなの? 入れ墨って、消せないよね。」


「ううん、息子の代で止めさせたとして、孫達で消えたのかしら。」


「それはおかしいだろう。赤ん坊の時に入れ墨をするとしたら、大和朝廷の成立50年前には、入れ墨が禁止されていなければならないよ。

 台与の治世が終わってすぐに、騒乱の中、入れ墨の風習を消せたのかなあ。」


「晴明の言いたいことは、わかったわ。つまり、邪馬台国と大和朝廷は、別ものということね。」



「それとさあ。日本書紀や古事記は、672年以降に実権を握った天武天皇が、編纂を命じたものだろう。

 口伝で伝わりった歴史を、稗田阿礼が伝えたなんて、嘘くさい話だし、それ以前に書物が全くなかったなんて、信じられないんだけど。」


「確かに、残っていない文献だけど、大化の改新の発端となった645年の乙巳(いっし)の変で、蘇我入鹿が暗殺されたあと、館を攻められた、蘇我蝦夷は舘に火を放ち『天皇記』『国記』、その他の珍宝を焼いて自殺したとあるわ。この内『国記』は、火中から拾い出されて中大兄皇子へ献上されたとも記録があるわ。」


「ふ〜ん、やっぱりあったんだぁ。もしかしたら、皇室の宝物殿に、今もあるのかも知れないね。」



「あのね、俺はね。縄文時代から続く、小国家群が日本の各地にあったというのが、普通だと思っているんだよ。

 それらが戦いの末に、勢力を拡大して、大和朝廷が成立したのだと思う。

 

 偽書とされる古史古伝も、日本書紀も古事記も、書かれた時代よりも、古い時代のことは、言い伝えしかなく、詳しくわからないから、現実味のない神話になっているのであって、書かれた時代のことは、真実なんだと思うよ。」


「晴明って、ヘタレでどっか抜けているようだけど、何故か物事の本質を捉える、才能があるのよねぇ。

 そこは尊敬するわっ。でも、私のことになると、トンチンカンになるのは、どういう訳よっ。」


 やばいっ、誤魔化したはずの話題が、元に戻ってる。とにかく話を進めなくちゃっ。


「それはともかく、邪馬台国がどこにあったか、なぜ判明しないんだ? 九州以外にないだろ?」


「えっ、晴明は、確信しているの?」



( どうにか、また誤魔化せたかな。祐子が日本史オタクで、スイーツマニアなのは、幼馴染みとして、嫌というほど体感しているのだよ。チョロいもんさっ。)



 できるだけ、毎週日曜日に投稿したいと思っています。

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